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和田彩花、宮崎由加、2人のリーダーがハロー!プロジェクトから卒業 伝説の武道館コンサートを完全リポート

TABLO / 2019年6月20日 14時34分

6月17日と18日、2日連続でハロー!プロジェクトのメンバーの卒業コンサートが日本武道館で開催されました。なんとも対照的でありながらも、それぞれのキャラクターがにじみ出る素晴らしいコンサートでした。

17日に行われたのは『ハロプロ プレミアム Juice=Juice CONCERT TOUR 2019 ~JuiceFull!!!!!!!~ FINAL 宮崎由加卒業スペシャル』。Juice=Juiceのリーダーである“ゆかにゃ”こと宮崎由加さんの卒業コンサートです。

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宮崎さんというと、清楚で女の子っぽくて、可愛らしいイメージ。ファンに愛されるツボを心得た言動が多く、その様子は「あざとい」と形容されています。つまり、ファンの期待に応えて、「ファンが好きな宮崎由加」であり続けることにこだわったアイドルなのです。

卒業にあたって宮崎さんは「ファンが喜ぶことを全部やりたい」と事務所にお願いしたそうです。2冊目の写真集の出版やバスツアーの開催などは、まさに宮崎さんの事務所に対するおねだりがあったからこそ実現したもの。卒業までにJuice=Juiceの楽曲をどこかで1回は歌いたいという思いから、最後のツアーではメドレーにも初挑戦したとのことです。

そのラストツアーの最終公演である卒業コンサートは、宮崎さんの「ファンに喜んでほしい」という願いの集大成だったということになります。卒業セレモニーでの和服をイメージした花柄のドレスなどは、まさにファンが求めていたアイドルらしくて可愛いゆかにゃそのもの。どこを切り取っても、ファンに愛されるゆかにゃしかいないコンサートでした。

そして、セレモニーではメンバーやファンに対して感謝の手紙を読むわけですが、そこで宮崎さんは「今の私は完全に皆さんが作ってくれました」と高らかに宣言します。

ダンスも歌も未経験なのにリーダーという大役を任され、困ってばかりの日々から始まったアイドル人生。そんななか、宮崎さんはそれでも応援してくれるファンの存在に勇気づけられ、「ファンに喜んでもらえるアイドルになりたい」という思いを貫き、ここまで来たのです。そして、最後に届けられた「今の私は完全に皆さんが作ってくれました」という言葉。自らの存在を、これまでのアイドル人生を、そしてファンの喜びを――あらゆるものを肯定する言葉です。

ファンがアイドルを好きになって、その愛情にアイドルが応える――という最もシンプルな形のアイドルとファンの関係性を凝縮した卒業コンサートでした。

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そんな宮崎由加さんの卒業コンサートの翌日となる6月18日、同じく日本武道館で開催されたのは、アンジュルムのリーダーであり、ハロー!プロジェクト全体のリーダーでもある“あやちょ”こと和田彩花の卒業コンサート『ハロプロ プレミアム アンジュルム コンサートツアー 2019春 ファイナル 和田彩花卒業スペシャル 輪廻転生 ~あるとき生まれた愛の提唱~』です。

2009年にスマイレージとして結成され、その後メンバーの増減、アンジュルムへの改名を経て現在に至るわけですが、和田さんは唯一のオリジナルメンバーであり、いわゆる精神的支柱と呼ばれるべき存在です。結成当初は、やる気があるのかどうかもよくわからないようなフワフワした雰囲気だったのに、たくさんの経験を積んで、いつの間にかアイドルとしての確固たる信念を持ち、周囲を巻き込んでアンジュルムを大きく育てた張本人です。

そんな和田さんがリーダーを務めたアンジュルムの集大成として4月から始まったのが、コンサートツアー「アンジュルム コンサートツアー 2019春 ~輪廻転生~」です。

アンジュルムというと、年齢も個性もバラバラなメンバーたちが、ワチャワチャしているというイメージもありますが、このツアーではそういった面はほぼ見せていません。楽しいMCコーナーもなく、クールかつ激しいパフォーマンスで圧倒するかのようなセットリストは、現在のアンジュルムの“強い部分”をより明確に打ち出すものであり、「和田彩花の卒業」というテーマとは乖離したものでした。

実際に、和田さんはこのツアーに相当な手応えを感じていたようです。ツアー中盤、5月5日の中野サンプラザ公演では、スタッフに「史上最強のライブを作ってこい」と言われてステージに上ったところ、実際の史上最強だと感じてしまい、思わずMCで「ファイナル迎えました」と口走ってしまうほどでした。

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そして、ついに迎えた6月18日のファイナル。日本武道館公演。和田彩花さんの卒業の日ということで、セットリストは変更されました。スマイレージ時代の楽曲のメドレーやアンジュルムの卒業ソングとなっている『交差点』、つんく♂が和田彩花の卒業のために書き下ろした『帰りたくないな。』といった楽曲がセットリストに組み込まれました。これまで行われてきたツアーのコンセプトとは、少々色合いが異なる楽曲たちです。

本編終了後、アンコールで和田さんは、純白のパンツルックで登場し、ソロでスマイレージのインディーズデビュー曲『ぁまのじゃく』を歌います。素直になれない少女の気持ちを歌う可愛らしい曲をキリッとした衣装で大人っぽく歌い上げる和田さん。

メインステージからアリーナ席中央にあるセンターステージまで花道を歩きながら歌う和田さんは、込み上げる思いを堪えているのか、はたまた今までの思い出を反芻しているのか、なんとも複雑な表情を浮かべています。少なくとも楽しそうではないし、かといって悲しそうでもない。今までに見たことがないパフォーマンスでした。

そして、センターステージにたどり着き、ハロプロメンバーやOGたちが見守っている関係者席を目の前にしたところで、和田さんの表情が変わりました。それまでの複雑な表情はどこかへ飛び去り、満面の笑みを浮かべて歌うのです。その時、和田さんの目には何が映っていたのか、どんな思いが巡っていたのか――。その答えはわかりませんが、ただ一つ言えることは、その関係者席にスマイレージの元メンバーたちが座っていたということです。

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和田さんが思い描いたアンジュルムは、このツアーで完成していたと言えるでしょう。でも、自身の卒業という要素があったことで、ファイナルの日本武道館公演は必ずしもその完成型のみを見せるものではなかったのは事実です。

メンバーやファン、スタッフ、元メンバーなど、多くの人々の思いがそこにあり、そして、それぞれが求めるアンジュルムの姿が積み重なって、卒業コンサートは作られたのです。それが和田彩花という1人の人物が求める理想的な作品になっていたかといえば、必ずしもそうではない。致し方ないそんなジレンマが、『ぁまのじゃく』での複雑な表情として現れていたのかもしれません。

でも、最後に和田さんは最高の笑顔を見せ、メンバーたちとともに最高の時間を過ごしました。「和田彩花が求める理想を体現する者」ではなく、「アンジュルムの和田彩花」を完遂したその姿は、本当に美しく、愛に溢れていました。

和田さんは、アンジュルムとしてやるべきことを全てやり尽くしました。あとはもう思い残すことなく、自分の理想を追求することに専念すればいい。そして、これからは、自分の理想とのジレンマに懊悩することなく、ただただアンジュルムを愛することができるのです。和田彩花さんののアンジュルム愛は、むしろこれからどんどん深まっていくことでしょう。

ファンとの関係性に自らを委ねたアイドル人生に幕を閉じたJuice=Juiceの宮崎由加さん。自分の理想のアイドル像とグループ活動との葛藤の中で新たな道を切り開こうとしたアンジュルムの和田彩花さん。スタイルも思想も異なる2人が共存することができるハロー!プロジェクトの奥深さを改めて噛みしめることができた2日間でした。

そして何より、2人はグループを卒業したけど、それぞれソロとして活動は継続します。2人がこれからどんな姿を見せていくのか――特に和田さんに関しては、「アイドルの解釈の幅を広げる」という大きな目標を掲げており、それがどういった形で具現化されるのか、エンタメ界全体が注目しています。グループの卒業なんて、単なる通過点。これからも彼女たちがもたらす、素晴らしいエンターテインメントを堪能させていただきましょう!(文◎大塚ナギサ)

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