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オバマ厳戒態勢を嘲笑う犯罪グループ「俺たちが郊外で狙うブツ」

TABLO / 2014年4月24日 15時0分

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 アメリカのオバマ大統領が、2010年11月以来、約3年半ぶりに国賓として来日、滞在している。既報の通り首都圏内は超厳戒態勢が敷かれ、コインロッカーの全面使用禁止、駅のゴミ箱の使用禁止、交通規制など多種多様に渡っている。警察官の多くが動員され、警視庁管内の三分の一以上が駆り出されているとも言われている。

 オバマ大統領の来日滞在中は最高レベルの警戒が続くが、そんな時でも裏社会、犯罪組織は活動を止めるわけではない。むしろ、「オバマ来日」で警備が手薄になった郊外が危険に晒される。この様な厳しい警戒態勢の中でも、「俺たちにはあまり関係がない」と豪語する人物がいる。

「オバマが来日しようと、シノギに影響は全くないね。むしろ警察が都心に一点集中して仕事がやりやすいという面もある。都内にはほとんど近寄らないから。俺たちが動くのは郊外だから」

 この男の職業は野菜泥棒だ。裏社会のシノギとしては何とも原始的だが、警察庁の発表では平成24年度の被害件数は3617件に上り、農家の数を考えると近年急速に拡大していることが分かる。

「今は野菜が高値で売れる時代なんだよ。果物は駅前に軽トラ止めて直売する。野菜は関係のある飲食店などに卸す。ほかにもまとめて横に流すこともある」

ーーどのくらいの儲けになるのだろうか。

「直売の場合は軽トラ一台で1日3~5万にはなる。それを一斉にいくつかの駅前で売る事を考えてみろよ。人件費は安く抑えられるから、実際の利益はその何倍にもなる。それも、たった2~3時間で全部売り切るんだから」

――それはただの泥棒ですよね。任侠道に反するのでは?

「俺はテキヤだから任侠道を問われてもな。それに密漁だって、あれは昔からヤクザとかテキヤがやっていたことで、俺にすれば筋違いのことをしているとは思わない」

 野菜泥棒に手を染める人間は総じて、罪の意識が弱いように思える。それは農家の被害件数の中に、近所の主婦や貧困者が多く含まれていることでも分かる。だが、農家もわざわざ田畑に防犯システムまで導入するほどの経済的余裕はない。このイタチゴッコは国内の不況とともに拡大傾向にある。

 小さな私鉄駅の駅前で、「産地直送」を謳う謎の果物売り。筆者は傷物や市場に出せない余り物が流れているとばかり思っていたが、こんな一般市民の生活圏までまで裏社会の影響が及んでいたとは意外だった。

「その点、"産地直送"というキャッチフレーズに偽りはない。果物はその日の早朝に盗んできて、キチンと売り物になるレベルを並べてるから。同じパターンで売ってるカニなんかは、確かに市場に出せなくて漁師が捨てるものをタダ同然で貰ってきて売ってるけど。果物はちゃんとしたものを売ってるから」

 そして「野菜泥棒」は、この時期がいちばん忙しいという。

「動けるのは、春前から夏過ぎまでだな。温室は警戒されてるから近寄らないけど。だから、警察が都心に駆り出されるなら、オバマにはずっと日本にいてもらいたいよね。俺たちもそっちのほうが楽だから」

 オバマ米大統領が迫るTPPの聖域撤廃は、国内農家の今後を左右するだろう。だが、その前にこの「野菜泥棒」をどうにかしないと、多くの農家は疲弊してしまう。農作物の窃盗は言うまでもないが犯罪だ。

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Written by 野本徹

Photo by Minister-president

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