反レイシズム団体元代表が生活保護不正受給で逮捕...ネトウヨ論:番外編

TABLO / 2014年4月29日 17時30分

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 在特会らをレイシストと呼び、反レイシズム運動をしていた団体(昨年5月に解散) の元代表者・凛七星が、生活保護費を不正受給した詐欺の疑いで逮捕された。

反ヘイトスピーチ団体元代表逮捕 生活保護費を不正受給疑い

 大阪府警警備部は15日、生活保護費を不正受給したとして詐欺の疑いで、ヘイトスピーチ(憎悪表現)への反対行動を行っていた市民団体「友だち守る団」(昨年5月解散)の元代表林啓一容疑者(52)=大阪市西成区橘=を逮捕した。

 警備部によると、守る団は「在日特権を許さない市民の会(在特会)」などの右派系市民グループに対抗するとして、昨年2月に結成。最大で約30人のメンバーを抱え、ヘイトスピーチが行われる場所に行き、非難の言葉を浴びせてきた。

 逮捕容疑は無収入とする虚偽の申告書を大阪市に提出し、2011年6月~12年2月に生活保護費約110万円をだまし取った疑い。

(47NEWSより http://www.47news.jp/CN/201404/CN2014041501001749.html)

 まだ容疑の段階なので確定事項としては語れないが、とはいえこうした事件が起きた際は「味方こそ厳しい姿勢を見せなければならない」のが当たり前である。敵対する在特会などが騒ぐより前に、同じカウンター側の人間が強く批判し、反省の弁を述べなければ、敵に塩を送る結果にしかならないからだ。

 仲間を庇いたいと思ったとしても、それは人目につかない裏側でやればいいことで、表立って発して許される言葉は「ウソであって欲しいが事実ならば罪を償って欲しい」程度が限度だろう。公然と凜七星を庇いたいのであれば、無実が証明されてからにすべきである。

 組織・集団として自浄作用のあることを示し、対立する相手の武器を増やさず、一刻も早い沈静化を目指すというのが賢い防御策なのだが、それが出来ないと野次馬や対立組織にネチネチと調べ上げられ、どんどんボロが出て行き、運動全体の信用が失墜する。そうなってからでは修復は不可能である。

 ところが、現在Twitterなどで特に拡散されているカウンター側の中心人物らの声は、どちらかというと開き直りだったり、とにかく味方を庇うばかりだったりといった内容だ。中でも「凛七星の逮捕と反レイシズム運動は無関係だ」という論調が好まれているように見受けられる。

 しかし、反レイシズム運動とは、そもそも在特会らネトウヨ系団体の行き過ぎた言動に対し、カウンターを当てようというコンセプトで立ち上がった運動である。という事は、少なくとも在特会よりは自分たちの方に理がある、組織・集団としてまともだと示さねばならないはずだ。

 ではその在特会らはどのような主張をしているのかというと、やはり目立つのは 「朝鮮人を○○せ!叩き出せ!」といった排外主義的・差別主義的な言動である。しかしその他に竹島問題・尖閣諸島問題などの領土問題や、生活保護費の不正受給についても強く批判している。

 そんな団体へのカウンター活動をしている一派の中から、生活保護の不正受給で逮捕される人間を出してしまったのだから、公の場所で言葉を発するにはそれ相応の気配りが必要とされて当たり前だ。

 掲載までにタイムラグがあるので、この記事がアップされる頃にはすでにそうなっているだろうが、このニュースは在特会らにとってこの上ない【信ぴょう性・必要性・錦の御旗】を与えてくれる助け舟なのだから、連中は「ほら見たことか! やはり在日が! 在日特権が!」と、力の限り声を振り絞って大騒ぎするだろう。そして 「生活保護という制度自体が在日特権だ!」「生活保護受給者は在日だ!」といった意味不明のロジックまで飛び出すに違いない。また「それを擁護する反レイシズム一味は在日特権・利権を守りたいだけの集団で、言い訳として反差別や弱者の味方を気取っているだけだ」とも主張するだろう。

 普段ならば「またアホの子たちが何か言ってる」で済まされるはずなのだが、今回のような事件とセットで拡散されると「在特会の言い分にも一理あるかも」と受け取られてしまう。そんな状況で、世の人々が反レイシズム派の「凜七星は仲間だから徹底的に庇う、一切批判しない、運動と無関係だと言い張る、批判者が現れたら攻撃して黙らせる」という姿勢を見たらどう判断するだろうか?

 そうなった場合に、反レイシズム派が守りたいはずの「本当に生活が苦しくて生活保護を必要としている社会的弱者」までもが道連れになってしまうことまで想像していただけないだろうか?

 ついでに言わせていただくが、反レイシズム派の旗振り人の中には、自分と少し意見が食い違っただけの見ず知らずの人間に対し、本名や職場を調べ、表敬訪問をほのめかして脅かし黙らせるといった手法を好んで使う人間がいる。しかも、その人物にあてて発せられた言葉に反応するのではなく「Twitterで見かけたお前のツイートが気に入らない」というだけの理由でも、発言者の本名や職場を調べて脅しかけるのだ。

 このようなヤカラは仮に相手を黙らせることに成功したとしても、そのあまりに自分勝手なチンピラ根性を批判され「お前らの言う反レイシズムってなんなんだ?」 と、運動全体が疑われることになる。本来ならば、味方がこのような馬鹿な真似をしていたら、即座に止めるなり詫びさせるのが "同じ志を持つ仲間" ではないのだろうか?

 ところが、このような非常識極まりないテロリスト根性丸出しの言動に対しても、反レイシズム派は絶対に表立っては批判しない。仲間が公の場所でバカな真似をしているのだから、同じく公の場所でたしなめて反省したという結果を見せねば意味がないというのに。それどころか、むしろ「差別主義者だから仕方ない」「ヤラれて当然」といった後押しまでしてしまうのがいつもの光景だ。

 せっかく在特会という残念な子の集まりをターゲットにしているのに、自分たちの言動が酷すぎて、かえって自分と自分の味方の信用を失ってしまっているのだが、これなど在特会らネトウヨ団体の習性と瓜二つである。

 在特会はそのあまりにダメ過ぎる言動によって、敵のはずの朝鮮学校に同情票を集め、多額の賠償金支払いを命じられるなど、敵に塩を送ることに関して定評がある。 だがそれと相対しているはずの反レイシズム側も、このように敵の味方をする才能に長けているのだ。これではマッチポンプにしかなっていないのだから、互いに燃料をくべ合うことで「お互いに末永く食べて行きましょう」という方針なのだと疑われても仕方がない。

 在特会も反レイシズムも、もう少し自分たちへの批判の声を聞き入れ、改めるべきを改める器量を持つべきだろう。反省ができず、批判の声を一切聞き入れず、自浄作用を持たない運動組織の行く末は、原理主義者化や先鋭化だけである。 良いお手本は連合赤軍やオウム真理教などだ。ネトウヨ団体も反レイシズム運動も、まるで双子のように同じ道を突き進んでいるように見える。

■蛇足 (ここからは上の文章とは無関係です)

 "とある運動"を行っている一派の中心人物(以下A)が、活動資金として支援者たちから集めたお金を使い込み、ある日突然飛ぶという醜態を晒したのだが、それについて運動の主だったメンバーらから納得の行くアナウンスが流れて来ない。(使い込んだ金は外部にバレる前に仲間が補填した)

 このAの会計の不透明さを批判し、明らかにせよとせっついていた人間が何人かいたのだが、彼らに対して "とある運動の主要メンバー"らが何をしたかというと、まずTwitter上などで徒党を組んで攻撃した。そして批判の声を挙げている人間の名前や職業を調べ上げ、それを晒すことや、職場に表敬訪問することをほのめかして脅しかけたのだ。

 その件の被害者の中には、訴訟に持ち込む覚悟を決めた人間もいるので、近く何がどうなったのか公表できる時が来るかもしれない。(民事裁判だけだと厳しいかもしれないが)

 なぜ私がこの件の詳細を明らかにしないかというと、直接の被害者ではないことと、"ほにゃらら会"ごときを喜ばせたくないという2つの理由からだ。「頼むからこっちが言うより先に自分たちで土下座祭りでも始めて、最小限のダメージで話を終わらせてくれよ......」というのが本音なのだが、彼らが今後も自らの言動を反省しないのであれば、その時は具体名を出して批判する必要があるだろう。

 そうなれば確実に自分たちが敵と看做す相手にさらなるエサを与えることになってしまうが、いつになったら彼らは自分たちの間違いに気付いてくれるのだろうか? 何も知らずに運動に参加している善意の人々が不憫でならない。

Written by 荒井禎雄

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