え！？ １２８歳の人が見つかった？ しかも妻は５８歳下？ 世界最高齢記録１２２歳を塗り替える騒動が巻き起こった！

嘘みたいな本当の話です（写真はイメージです）

現在世界最高齢で福岡在住の田中カ子（たなか かね）さんの116歳を上回る128歳の男性がタイで存命中であることが突如判明したというニュースが8月末に現地で駆け巡りました。

事実なら存命中の世界最高齢だけでなく、歴代世界最高齢で122歳で亡くなったフランス人女性ジャンヌ・カルマンさんの記録を塗り替えることになります。

この男性はオーン・パーンチョンプーさん。タイ東北地方ウドンタニー県の農村部に住んでいます。県が県内各郡に100歳を超える長寿者の調査を命じたことがきっかけで、オーンさんが128歳で存命中であることが公になりました。

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オーンさんの国民IDカードには生年月日が仏暦2434（西暦1891）年4月9日と記載されていて確かに128歳です。

オーンさんには70歳の妻との間に子が7人いて、さらに孫が11人、ひ孫が7人。今でも田畑の仕事をして記憶力もしっかりしています。オーンさんの4人の兄弟も同世代の友人も全員既に世を去ってしまいました。「できることなら200歳まで生きたい」オーンさんはそう語っています。

一方、妻のソーンさんはオーンさんと15歳の時に結婚し、58歳もの年の差婚は気にならないと語っています。

ここまで聞いてにわかに疑問が湧いてきます。妻が15歳ということは、オーンさんは73歳の時に結婚したことになります。その歳で子を7人も授かることができるのでしょうか？

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疑問を抱いた人は現地にもいました。オーンさん居住地の郡長その人です。郡長は調査の結果を受けてオーンさんのもとを訪問した際に、どう見ても100歳を超えていないように疑念を感じたのでした。

そこで郡役所職員に証明書類の調査を命じました。しかしオーンさんが以前居住していた他の郡ではオーンさんの紙の住民記録が既に破棄されていたために生年月日が確認できませんでした。

現存最古の住民記録台帳上では仏暦2434年生まれとなっていますが、数字の転記ミスを疑った郡長は自らオーンさんの友人や親戚を訪ねて回ったところ、オーンさんの1歳年下だという友人男性（87）に辿り着きました。男性はオーンさんと1951年に一緒に兵役に行ったことがあると語ったことから、2人を引き合わせたところ2人は抱き合って覚えているとお互いに懐かしんだのでした。

郡長は、転入時に役所で台帳上に生年を転記する際に実際の仏暦2474年を誤って2434年と記載したのが原因に違いないと突き止めたのでした。タイ数字の7（๗）と3（๓）が似ているのが原因だと思われます。

オーンさんの実年齢は88歳であることが郡長自らによるナゾ解きで判明しました。実際は40歳若かったことになります。

最高齢の根拠が後になって覆る例と言えば、日本人には泉重千代さんが思い起こされますが、オーンさんの一件で公的書類が整備されていなかったり散逸してしまったりしている昔の事実を確認する困難さを改めて感じざるを得ません。歴代世界最高齢とされるジャンヌ・カルマンさんについても娘が死去した母親になりすましたのではないかとの疑念が今年に入って取り沙汰されています。（取材・文◎赤熊賢）

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