紗栄子がママの顔 ってオイ、なんだよ「ママの顔」って! 母親になったからって顔まで決め付けてくる世間|春山有子

TABLO / 2019年10月10日 7時30分

画像は『Saeko One&only 「私は私」。ルールに縛られない、おしゃれな生き方』より

10月6日、タレントの紗栄子さんが自身のインスタグラムを更新。ロンドンの街角を背景に、ベージュのハットを被り、イエローニットの上からベージュのストールを羽織り、ナチュラルな目線を投げかけているオシャレな雰囲気漂う画像をポスト。なんでも、とんこつラーメン屋の行列に並んでいる最中だったようで、

<次男くんが暇つぶしに撮ってくれました。これがリアルな私みたいです>

と綴ったことで話題となっています。

その写真がこちら。

投稿は、ファンからの絶賛の嵐で埋め尽くされています。

 

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「撮られる気ないときの紗栄子さん、ナチュラルでこれも可愛い!」「リアルな紗栄子さんも十分かわいい! 素の姿がかわいいってさすがモデルさん!」「とにかく可愛い!」「究極の美しさ、キュートさに感動で胸きゅん!」「紗栄子ちゃんはなにをしてもどこにいても映えるなあ」

紗栄子さんが、昔から自分の魅せ方を100%理解しているファッションアイコンであることは誰もが認めるべきところですが(「スタイルが悪い」などの理由で叩くのは野暮です)、どうしても解せないのが、こんなコメント。

 

「母親の顔出てます」

 

えっ? “母の顔”、とは? 見たままに、「誰がどう見ても、おしゃれで可愛くて、憧れ心くすぐられる佇まい」で、いいじゃないですか。え、“母の顔”(もしくは“ママの顔”)とは? なにそれ? “母の顔”って一体、どんな顔のことを指すの?

おそらく子持ち女性のほとんどが、この言葉を投げつけられた経験があるかと思います。

産前、臨月腹を抱えて道を歩いているとおばさんに、「あらあ、お母さんの顔だわねえ」。実家に帰れば実母に、「優しい顔になってきたね。お母さんらしくなってきたじゃない」。

産後、赤ちゃんを抱っこ紐の中に入れて友人に会うと、「お母さんって顔してる!」。

子どもの幼児期、公園で子どもの激しい遊びにつきあっていると、「ママは強しってところかな(笑)」。

でも、その言葉をすんなり飲み込めないひともいるはずです。「“母の顔”って言われたって、いまのわたし、一体どんな顔をしているっていうの!?」と。

こと芸能人は、そんな“母の顔”攻撃を受けがち。たとえば――。

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2017年6月、第一子妊娠中の榮倉奈々さんが、インスタグラムに、ノーメイクにノーヘアスタイリングのラフな自撮り画像をポストすると、「妊娠されて雰囲気が変わりましたね」「お母さんの顔になってる」「ママの顔してる」。

2018年3月、第一子妊娠中の佐々木希さんが、髪色を変えたばかりだという、歯を見せた笑顔の画像をポストすると、「顔つきが変わりましか?」「ママの顔になってきた気がする」「以前より優しい顔つきになったね」。

最近では、今年7月、第一子妊娠中の川栄李奈さんが、AKB仲間とベビーシャワーを行ったことをインスタグラムで報告すると、「川栄ちゃん、ママの顔になってるー!」。

9月には、3月に第一子を出産した前田敦子さんが『しゃべくり777』(日本テレビ系)に出演すると、SNS上には視聴者から「あっちゃん、すっかりママの顔やん」などのコメントが並ぶ始末。

 

そんな風潮に唯一カウンターパンチを繰り出したのは、SHELLYさんでした。2016年8月、展示会イベントに出席した際、育児等について言及したなかで、「生まれた瞬間、お母さんという名前がつくけど、正直自覚がそんなに(ない)」とリアルな心境を明かしつつ、仕事で頻繁に「ママの顔になったね」と言われることについて、「本当かよって思う」と苦笑いで答えたのです。

しかしそうした反応はマイノリティなのか、SHELLYさんが果敢に挑んだ2ヶ月後、『マイナビウーマン』は「ママっぽくない女性の特徴6つ」なる記事を配信(10月22日付)。

冒頭から、<「ママ」になった女性には、自然と「ママらしい雰囲気」が身についてくるものですが、中にはそれを感じさせない人も……>といった調子で、SHELLYさんの訴えはどこにも響いていないことが伺えます。

さらに、男性に「ママっぽくない女性」についてアンケートを取ったというテイのそれは、

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「派手」「露出度が高い服」「自分のことが優先」「子どもを一番に考えていない」「キャラクターグッズを持っている」「責任を背負ってなさそう」「肩掛けカバンを持っている」

など、独自の“ママ”像を浮かべる男性の狭量さがうかがえます。カバンくらい肩にかけさせてくれよ。

しかしこれは2016年の話。2018年2月には、絵本作家のぶみさん作詞の「あたしおかあさんだから」が大炎上を巻き起こしたことを考えると、世間は着実に変化しているといえます。

しかし一方で、そうした炎上を経てもなお世間は、紗栄子さんに“母の顔”“ママの顔”を強いてくるではないですか。

インターネットで「お母さんの顔とは」と検索すると、同じように疑問を持つ女性の質問にたどり着きます。いわく、「出産後、『お母さんの顔になったね』と言われるけれど、それってどんな顔? 嬉しい一方で、産後の寝不足や育児疲れからくるやつれた顔を表現しているのではないか?」と心配しているご様子。

それに回答者たちは、「人として丸くなった」「優しい表情になった」「計算のない笑顔」「表情筋が柔らかく慈愛に満ちた顔」「包容力が増した顔」「幸せそうで輝いている顔」と答えていますが、“母の顔”とはすなわちえぐいほどの聖母感が押し付けられている、ということでしょうか。

こうなったらもう、抜き打ち利きママ選手権の開催して、「ママの顔してる」と得意げに言ってくる人たちの前にズラリと女性を並べ、「この人は…二の腕がむっちりして柔らかそうだからママ!」「う〜ん…ネイルしてるからママじゃない!」「計算高そうな表情をしているので独身ですね」「なんか不幸そうで輝いていない顔だから独身」「金髪? もってのほかでママじゃないでしょ」と、その能力を発揮してもらいたいものです。(文◎春山有子)

※タイトル画像は『Saeko One&only 「私は私」。ルールに縛られない、おしゃれな生き方』より

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