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平成時代の青年たちを熱中させたスーパーファミコン『スーパーフォーメーションサッカー』|中川淳一郎

TABLO / 2019年10月23日 10時30分

ああ、懐かしのスーパーファミコン

平成初期、「キャンパスライフ」という言葉があり、大学生といえば、オシャレな男女がグループ交際! 恋愛にも発展して、クリスマスは恋人たちの愛の日だよーん! みたいなイメージがあった。

だが、実際こんなもんは私の周囲には皆無であった。今、大学時代にどんな交遊があったかを思い出していたのだが、私の行った大学は「男7:女1」のようないびつな構成だったため、女子学生と遊んだ経験はほぼない。

ならば何をやっていたのかといえば、基本は安居酒屋「一休」で飲んでいることがほとんどだった。他に何をやっていたかを思い出すと、結局誰かの安アパートへ行き、『電波少年』(日本テレビ系)などのテレビ鑑賞、あとは皆でエロビデオを見るかスーパーファミコンをやるかだった。

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皆でエロビデオ、という話については奇異な話ではあるが、別にその場で手淫をするわけではない。皆、ツッコミを入れながらその作品を評価するのである。もっともよく覚えている作品は、妻に死なれた初老の男の家に、息子が新妻を連れて帰って来た。ある日、男が畑仕事から帰って来た時に我が息子と嫁がエロ行為をしている。

これを見た男はショックのあまりEDになってしまう! その後、どれだけ刺激を与えようと男の愚息はギンギン状態になることはなく、男は一計を案じ、息子夫婦に命令をする。

「お前らのせいでワシはインポになってしまった! 記憶喪失を治すには同じ衝撃を与えればいい、と聞く。だとしたら、ワシのインポを治すのであれば、同じ衝撃を与える必要がある。お前らはワシの前でこの前と同じことをやれ!」

と言い、男は座布団に座り、胡坐をかく。若夫婦は正座をし、二人して頭を下げて「では、始めさせていただきます」と言う。そして、二人が交わり合い、興奮の度合いが高まっていると途端に男は叫び出す。

「おぉ! ワシのアソコが元気になりよった! こうしてられん!」

そして、この男と若夫婦を交えた3Pが開始するという流れだった。まったくもってしてアホな話ではあるが、このビデオを借りてきた友人の嗜好はこれでよく分かった。何なのかは書かないけど。

さて、エロビデオはどうでもいいが、ここではやはりスーパーファミコンについて振り返ればなるまい。

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当時やっていたゲームといえば、なんといっても『スーパーフォーメーションサッカー』(ヒューマン)だ。現在のサッカーゲームは『ウィニングイレブン』(コナミ)シリーズをはじめとし、フィールドは横型になっているが、このゲームは縦型だ。前後半で上に攻めるか下に攻めるかが変わってくる。

登場する選手ごとに10段階のパラメーターがあり、ドイツ代表の場合、「マッテルス」(マテウス)はキック力10、走力9、ドリブル力10、ショルダータックルの攻撃力2、ショルダータックルの防御力9などとなっている。アルゼンチンの「マラドナ」(マラドーナ」は最初の3つは「10」だ。日本はとにかく弱く、DFの「チュウヤ」(柱谷哲二)、「カトキウ」(加藤久)、「ホリケ」(堀池巧)、「チナミ」(都並敏史)の全員がキック力とドリブル力が「1」だ。「カズクン」(三浦知良)だけがキック力10、走力10とズバ抜けている。

こうした能力値が明確にあるサッカーゲームの登場に我々は興奮し、とにかく友人宅に集まればこのゲームの対戦に興じまくっていた。特に熱心だったのが尾形君だったが、彼はこのゲームをやり過ぎて指を疲労骨折してしまったという。

実際のコンピュータ相手であれば、「この角度から打てば絶対にシュートが入る」みたいなものもあり、攻略はラクなのだが、メーカーの「ヒューマンチーム」という悪魔の如き強さを見せるチームも後に登場し、こいつらから勝つのは至難の技だった。

1994年にはアメリカワールドカップがあったのだが、この時の出場チームと選手の活躍を基にした『スーパーフォーメーションサッカー94 ワールドカップエディション』という作品も登場したが、おいおい「ワールドカップ」って今じゃ使えねーだろ! FIFAに怒られるだろ! というような代物だったが、各国ごとに素晴らしいBGMがあり、名作だった。

それにしても、一応選手名は「ホリケ」とか「マッテルス」みたいに無断使用に配慮しているのに「ワールドカップ」は平気で使ったのかが未だに謎である。(文◎中川淳一郎 連載『俺の平成史』)

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