危険ドラッグ隣人刺傷男が「しぇしぇしぇ」と意味不明な供述するワケ

TABLO / 2014年12月4日 18時0分

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 東京・世田谷で3日早朝に発生した危険ドラッグ男による隣人刺傷事件で、逮捕された職業不詳の田中勝彦(31)の異様な様子が報道されている。

 被害者の女性(37)から「マンションの隣室の男に刺された」と110番通報があったのは、3日の午前7時頃だった。警察官が駆け付けると、女性は顔や頭部などを切り付けられ、軽傷を追っていた。警察官は隣の部屋に住む田中容疑者を傷害の現行犯で逮捕した。田中容疑者は危険ドラッグを使用したとみられ、取り調べに対し、「しぇしぇしぇのしぇ」などと意味不明な発言を続けている模様で、4日の午後、警察署から病院に移送されている。

 危険ドラッグ使用による凶悪犯罪が後を絶たない。かつて昭和50年代に覚せい剤による凶行が頻発したことを思い出させる。このような事態を、裏社会の人間はどのようにとらえているのか。危険ドラッグの現状とともに話を聞いた。

「危険ドラッグのいちばんの問題点は、販売している側が誰もその怖さを知らないってことなんだよな」

 証言してくれたのは、ある覚せい剤の密売人だ。

「自慢にはならないけど、覚せい剤を小売りする売人は、必ず誰かに味見をさせて、質まで確かめてそれを売っている。売り物のネタにはどんな特徴があるとか、どんな傾向があるかとか、これはシモに効くとかな。だけど、この危険ドラッグを売っている連中は自分では絶対に試していない。適当にケミカル成分をまぶしているだけのネタだから、流通関係者は怖くて試せないんだよ。実際、関係者は『客で人体実験している』なんて笑っているくらいだ」

――売る方に大きな問題があると。

「覚せい剤は過去何年にも渡って使われてきたから、ある程度、症状が分かる。だけど危険ドラッグは違う。適当にトビさえすれば何だっていいという感じで売っているから、客もあまりのトビの大きさに驚いてパニックになる。そんな危険なネタを扱うのはどうかと思う。覚せい剤の売人はやり過ぎている客には少し控えろとか注意したもんだ。それは客とは細く長く付き合いたいから。でも、危険ドラッグの売人は売ったら売りっぱなし。客のことなんか考えちゃいないだろ」

 危険ドラッグは誕生してからまだ日が浅いため、覚せい剤や大麻などと違い医学的にも人体への影響がハッキリしていない部分が多く、その完全な対策は成されていないのが現状だ。

ーー薬物常用者の多くが、覚せい剤から危険ドラッグへ流れているという報道もある。

「それは間違いだな。自分の周りには違法薬物から危険ドラッグに逃げていると言う人間は1人もいない。今まで薬物関係には手を出していなかった人間が、テレビの報道で興味を持って手を出しているだけ。スリルを味わう感覚なんだろう」

ーー世田谷で隣人刺傷した危険ドラッグ男は、「しぇしぇしぇのしぇ」などと意味不明な供述をしていると報じられた。

危険ドラッグが怖いのは、覚せい剤や大麻と違って意識が完全になくなることがあるってことだ。世間で流通している薬物にもいろいろあるが、意識が飛ぶというのは聞いたことがない。つまり、そんな危険なものは需要もなかったってこと。覚せい剤にしても使用者は意識がしっかりある。たまに錯乱するケースもあるが、あれは薬物に慣れてない人間が戸惑ってパニックになっているだけ。意識がなくなって、意味不明な供述を続けるなんてのは、危険ドラッグならではの症状だよな」

 危険ドラッグを売っている人間は取締りから逃れるためか「吸わないで下さい、アロマです」とバカな逃げ口上で誤魔化している。だが、それは彼らの本音なのかもしれない。ある地方では危険ドラッグの自販機まで設置してあり、中学生がタバコを吸う様な好奇心で買っているケースも確認されている。非行少年の第一歩は夜遊び、喫煙、万引き、シンナーだったが、そこに新たに人体への悪影響が未確認な危険ドラッグが加えられようとしている。こんな状況を許していいはずがない。より一層の取り締まりを望みたい。

Written by 西郷正興

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