【未解決事件の闇9】女性編集者失踪・売春島にいる説を検証~2ちゃんねる情報から

TABLO / 2014年10月24日 13時35分

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 辻出さんの失踪事件は解決の目処がたたないだけに、ネット上で憶測を呼んだ。その中には、県内にある「売春島」で監禁されているのではないか、という説もある。

「この人、東南アジアで女性や子供の虐待現場を取材しているうちに、日本への女性の不法入国(密輸)ルートに行きあたった。その密輸ルートの先が、この人の地元の●●●島。かつて内乱状態の某国への潜入取材をした経験を持つ彼女、島へ潜入しようとしたらしい。正攻法では島へ行けないので、ダイビングで行こうとしたという。それと並行して観光取材のふりして島の周辺の聞き込みをやっていた。ところがそれがバレて『情報がある』とスーパーの駐車場に呼び出され、島へ拉致されてしまった。念願の島への潜入に成功したものの二度と出ることはできず、今では島で娼婦として働かされてるらしい。

  唯一、この事情を知る、彼女にダイビングをコーチしていたインストラクターは、今でも固く口を閉ざしている。もちろん警察は島へ介入できない。あくまでも噂だけどね」(01/12/17 19:23)

 志摩半島の先端に位置するその島を訪れてみた。島の人口は271人(2011年9月30日現在)であり、周囲は約7キロ、面積は約0・7平方キロと実に小さい。島の西側海域は波が穏やかな海面となっていて、古来より荒天時の避難場所・風待港として使われていた。春を売る商売がこんな小さな島で続いてきたのは、出航を待つ船乗りたちが暇を持て余したからなのだろう。

 島の対岸には数十人しか乗れなさそうな小さな客船が二隻停まっていて、声をかけるとすぐに出港した。島では5分、150円で行ってくれた。船頭は70代半ばといった風貌の老人だった。客は僕だけだったが、随時出るといった感じで、客が多いか少ないかあまり気にしていない風であった。

 船が着岸し降りる前に、船頭に辻出さんの写真を見せた。すると、「うーん」と言いながら目をつぶり、しばらくしてこう言った。

「わかりませんわ」

 船を下り、岸壁に上陸する。両側は平屋か二階建ての店や民家。観光ホテルのビルもいくつか混じっている。降りた地点からまっすぐ道が通るように、そこだけ通りが途切れていた。まっすぐ道を進むと10秒ほどで十字路に出た。数軒のスナックや食堂、旅館にスーパーが並んでいる小さなメインストリートが目に入った。昼だからか客引きはまったくいない。

 歓楽街の突き当たりの食堂に入り、60歳ほどの女主人に辻出さんの写真を見せてみた。

「こういうところで商売してるからね。女の子のことはだいたい把握してる。今いるのは日本人が4人にタイ人が14人。小さい島だから誰がいるのか、誰が入って来て誰が出ていったのか、すぐにわかる。少なくとも今はいない。私が保証するわ。100%いません」

 次に話を聞いたのは、50代半ばだろうか、ぽっちゃりとした女性だった。業務用のおしぼりタオルを大量に抱えて路地からぬっと現れ、出会い頭、にこっと愛嬌のある笑顔を浮かべた。買春目的で島にやってきた来たお客に女の子を斡旋するという仕事をおそらくしているのだろう。こんにちは、と言って会釈した後、辻出さんの写真を見せて、知ってるか尋ねてみた。

「24歳の頃から30年以上、水商売をやってるけど、見たことないわね。連れてきて、部屋に監禁してたら別だけど、そんなことは有り得ないわ。店で働いてるのなら絶対に知ってる」

 監禁していたら別というが、実のところ、無理矢理連れてきて島に監禁することなんてできるのだろうか。

「外国人の女の子だって、買い物の為船で外へ出るの。船着き場に監視も何もいないからね」と言って、ママは僕の疑問を明確に否定した。

 次に話を聞いたのは、船着き場そばのスーパーの主人である男性であった。彼もまたママと同じ様なことを言った。

「どこの店に誰がいるかはだいたい把握してる。10数年前は60人とかいたんだけど、今はずいぶん減ったね」

 島には対岸の港から渡し船が常時出ている。潜って上陸しなくても、150円払えば誰でも行けるのだ。それにもし、娼婦として働かされていたとしても、2001年から十数年もたっているのだ。そのままずっといるとは考えにくい。というか、そもそも「あくまでも噂」としているし、ネットの書き込みは島の名前からして間違っている。やはり関係がないと断定して良さそうだ。

Written&Photo by 西牟田靖

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