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これが現代ニッポンの『縮図』 チャイナタウン化する埼玉県川口市に生まれたクルド人村、ベトナム人村

TABLO / 2019年12月29日 11時0分

キラキラと輝いていた西川口メインストリートは今…(筆者撮影)

少子高齢化への対策として、安倍政権は実質的に移民推進に舵を切った……そう思えるくらい、外国人労働者が増えている。

制度の趣旨とは裏腹に、悪辣な業者や事業者の跋扈で「現代の奴隷制度」とも揶揄される外国人技能実習生は、その流れをさらに加速させている。

外国人労働者流入の是非はおいとくとして、この動きによって一部の都市は移民の街かと見紛うくらいの変貌を遂げた。しかし、その“移民”たちの差異がまた、新たな問題をも引き起こしている。

今年春、クルド人少女イジメ事件で話題となった川口市がわかりやすい例だ。

参考記事:【第一弾】埼玉県川口市のクルド人児童差別問題はなぜ起きたのか 日本の『移民問題』はすでに始まっている | TABLO

 

埼玉県の南部に位置する川口市は人口50万超、県内第二位の都市。その川口で外国人が集住しているのが、JR西川口駅、同じく蕨駅だ。蕨は独立した市だが、構造上ざっくりと駅の西側が蕨市、東側が川口市に属する。

まず西川口から見てみると、かつてあった風俗街の後に中国人が経営する店舗が急増。ミニ中華街の様相を呈している。当然、多くの中国人が居住するようになったが、その一部には売春などの違法行為に従事する中国人もいる。その大部分は不法就労者と見てよい。もちろん、大方の居住者は滞在許可を持っているが、夜の店も多い特性からそうなる。

一方、隣の蕨駅にも中国人は多く、特に居住者5000人を抱えるマンモス団地・UR芝園団地は約その半分が中国人居住者である。筆者も何度が取材で訪れているが、多くの子供たちが団地内の公園で元気に駆け回っている、という昭和的雰囲気に感嘆したものである。もっとも、そのほとんどは中国人児童たちだ。それだけ、若い層の中国人居住者が多いということ。

そして、その多くがIT企業などで働く技能者などの子どもたちだ。いわばエリート層がここには住む。そして、様々な葛藤を抱えながらも地域と共生を図ってきた。誤解を恐れず言えば同じ中国人でも、西川口とは少しばかり趣きが異なるのだ。

関連記事:かつて隆盛を誇った西川口 全国に名を轟かせた「NK流」を警察が本気で潰した あれから十数年……街は一度も栄えず、死んだ | TABLO

 

つまり、ひと口に川口に住む中国人と言っても、定住化が進むサラリーマン的中国人と、不法滞在者など短期滞在者を含む一旗組はその仕事内容はもちろん、住む場所も違っているということ。けっして一枚岩ではないのだ。そして、一つの街に、同じ民族の異なるふたつの集住化が定着しつつあることを、地元民を除けば多くの日本人は知らない。

そして、中国人以外ではイジメ問題で話題となったクルド人が蕨駅の東側に約1500人(日本で最大の集住)済み、ワラビスタンと呼ばれている。

そのクルド人をしのぐほどの勢いで近年増えているのがベトナム人で、中国人・クルド人(トルコ人)・ベトナム人が川口在住外国人の御三家と言っていい。また、クルド人(トルコ人)の間を巡っても国家的バックボーンなどが関係して、これまた一枚岩とは言えない。

そしてこれが大切なのだが、現実問題として、これら様々な要素を抱える外国人労働者なくして街が稼働しないのである。

蕨駅・西川口駅周辺のコンビニエンスストアを見ればわかるが、中国人・クルド人・ベトナム人スタッフが占める割合が異様に高い。というより彼らがいなければ、店を回すのも難しいだろう。同様に、建設業界も彼らが占める割合が多く、是非もなく地域の日本人は彼らとの共生を迫られる。

そして一部で、相互理解の欠如から摩擦が起き、それがまたクルド人少女イジメのような悲劇に繋がっていく……という負の連鎖を呼んでいるのだ。川口は現代、そして近未来日本の縮図と言っていいかもしれない。(取材・文◎鈴木光司)

※TABLOでは定期的にこの問題を取材して
掘り下げていきたいと考えています

あわせて読む:埼玉県川口市における在日中国人増加とトラブルを報じるテレビ番組の乱暴さ | TABLO

 

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