BOØWY、ZIGGY、リンドバーグを手掛けた音楽プロデューサーの転落人生 覚醒剤、難聴、シェアハウス暮らし…そして復活を賭ける
TABLO / 2019年12月31日 9時46分
「悲しいよね。音楽のために生きてきたのに音楽を聴こえなくする神様は何なのかね」
と番組で語るのは、集音器を使用しないと聴こえないくらいの難聴となり、とうとう音楽を辞める宣言をした大物音楽プロデューサー月光恵亮氏(67)。
フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』で12月29日に放送された『頂点を極めた男の転落 ~ある大物音楽プロデューサーの懺悔~』が注目されています。
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22歳で上京し、阿久悠さん、井上大輔さんに師事し、音楽制作を学び、26歳の時に、ビーイングの創設メンバーとして副社長に就任。32歳の時にはスタッフ200人をかかえるパブリックイメージを設立。
BOØWY、ZIGGY、リンドバーグなど多くのアーティストをプロデュース。
80年代から90年代までヒットメーカーとしてJ-ROCKシーンを牽引。プロデュースした楽曲の総売り上げはおよそ700億円とも言われました。都心の一等地にスタジオ等を完備した30億円の自社ビルも構えました。
「普通の人が一生かかって稼ぐお金が僕の年収だった」(月光氏)
しかし、2000年代に入るとバンドブームは去り、音楽業界全体の不況が進む中に気がつけば借金8億円。会社のみならず、楽曲の権利も売却。溺れそうになりながら泳いでいるという状態の中で覚醒剤に出会ったと番組は報じています。
「寝ないでもやらなきゃいけないような作業があって、『寝なくてすむよ』ということを言われ、それを甘んじて受け入れてしまった僕がもうバカだったとしか言いようがないです」(月光氏)
2017年6月、覚せい剤使用の容疑で逮捕され、懲役1年6カ月・執行猶予3年の有罪判決。逮捕を機に業界からは追放同然。親しかった音楽仲間は去り、親類からも絶縁されてしまいました。今、月光氏は、東京・江戸川区のアパートでルームシェア生活中。ライブハウスで知り合い、意気投合したギタリスト、音楽プロデューサーの23歳の男性と住んでいます。月に10万円ほどの年金で倹約生活をしています。
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逮捕で名を汚してしまったアーティスト達への贖罪に月光氏が脚を運ぶ様子も番組では報じられました。
「僕の中では決着がつかないわけですよ。氷室京介さんとかリンドバーグもそうですけど僕がやってきたZIGGYであるとか松田樹利亜であるとか」(月光氏)
リンドバーグのドラマーの小柳”cherry”昌法、松田樹里亜への謝罪と再会が感動的に放映されました。友人のプロダクション社長から紹介された新人バンドプロデュースを最後に難聴を理由に音楽シーンを去ることを番組内で宣言。
グラフィックアートの世界で才能を活かすそうです。
「1980年代の初めにLOUDNESSの初期のプロデュースに参加している月光氏は、CDジャケットのアートディレクションもなさっていました。ご親族に著名な画家もいらしたようで、アーティストとしての表現の場が、音楽からグラフィックアートに代わるだけで、これからも才能で多くの人を魅了するでしょう」(音楽ライター)
かつて月光氏と苦楽を共にしたアーティスト達からのエールも多く届いています。
「今、見たわ~なんか印象変わっててビックリ。ま、大変だけど頑張って欲しいもの」
「プロデビューでお世話になった恩人です。今でも、我々月光チルドレンのライブに足を運び的確なアドバイスを下さるのでありがたいです。新境地でのご活躍をお祈りします」
「『出産祝い兼ねて、給料前払いするね』子供が生まれた頃にパブリックイメージと契約したら、月光さんは気を遣って下さる優しい方でした。新しいステージでも大成功なさるでしょう」
そんな月光氏はdigital artistのCase-K Moonshine として、新しい展開を開始するようです。
「このところ急激に世界中のギャラリーやアーティストからコンタクトがあります。一応第一回目個展は2月24日にwaves hotel 中目黒で1日のみ開催します。その後は大阪、京都など数カ所からオファー来ていますので順次開催すると思います。よろしくお願いします」(月光氏)
贖罪もdigital artistとしても一歩前進した新年を迎えます。(文◎野島茂朗)
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