ホテル予約の盲点...APAホテル極端な料金設定のウラ事情

TABLO / 2014年10月12日 12時0分

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 ホテルにも様々な形態がある。結婚式、宴会などを行うシティホテル、地方独特の簡易ホテルから大手チェーンまで多種多彩だ。今回取り上げるのは、サラリーマンの味方であるビジネスホテルだ。ビジネスホテルチェーンで最大手のAPAホテルは北海道から沖縄まで提携ホテルも含め276店という規模を誇る。しかし、このホテルを利用しているサラリーマンからは疑問の声が聞こえてくる。

「泊まる日や予約するルートによって、金額がとんでもなく上下する。価格設定があまりに理不尽なんです」(よく利用するサラリーマン)

 APAホテルの新規店舗である新橋虎ノ門と近隣にあるホテルニューオタニの特定の日を決めて調べてみることにした。こういった場合、ホテル予約サイトより「ベストレート」で調べた方がそのホテルの性格が出る。この「ベストレート」とは宿泊するホテルへWEBや電話を通じて直接予約する手段のことで、この時提示されたものより安い宿泊価格があった場合、その差額を返金したり無料宿泊券などを提供してくれるサービスを指す。ホテル側の誠意や良心をはかるには最適の手段なのだ。そのため、ホテル業界では「最低宿泊保証」という名称で知られている。

 通常、ホテル予約サイトの場合、利用ユーザーの宿泊が成立すると10パーセント前後の仲介手数料が支払われる。それだけにホテル側では「ベストレート」を利用する客を好む。その後のリピーターにもつながると考えているのだ。

 秋の行楽も今が旬である。平日の宿泊費を比べてみよう。APAホテルの宿泊費は5700円と庶民にとって優しい価格設定である。だが、それが10月11日からの三連休初日には2万8100円にまで上昇してしまう。この数字がどれほど異常なのか、一流ホテルに数えられるホテルニューオータニと比べてみれば一目瞭然だ。

 ホテルニューオータニの場合、平日はシングルで1万7000円弱とAPAホテルの約3倍という価格設定だ。しかし、同じ今回の三連休初日10月11日を調べてみると、なんと1万8300円とほぼ据え置いた価格設定になっていた。APAホテルより、約1万円も安くなってしまうのだ。

 部屋の広さも比較してみる。APAホテル新橋虎ノ門の11平方メートルに対し、ホテルニューオタニは23平方メートルと倍以上の広さがある。東京だけでは不正確かと思い、大阪エリアも調べてみたが同じようにいびつな料金設定だった。元APAホテル支配人だった人物がこの料金設定のからくりを教えてくれた。

「じつはAPAホテルの宿泊料金はそのホテルの支配人の裁量に任せられているんです。それだけに、稼働率が低ければ即時に左遷させられる。だから、稼げるときは値段も上昇させて一気に売上を確保する。現場は本当に大変なんです」

 一般にシティホテルは結婚式や宴会、飲食代などが収益の多くを占めるが、シングルルームの宿泊だけで勝負する「ビジネスホテル」は部屋の稼働率が生き死にを決めるという。元支配人の言葉は続く。

「理不尽な高額設定もありますが、逆に超閉散期などはカプセルホテルや漫画喫茶と同レベルの金額で出すこともあります。だけど、黙っても部屋が埋まる最盛期は容赦なく値上げ。だから、周囲の一流ホテルより高いなんておかしな料金設定になるんです。それでも埋まるんですよ」

 この両極端な価格設定で迷惑を被るのは定宿にするサラリーマン客だ。

地方に出張する際はいつもAPAホテルです。予約はいつも社内の総務に頼むんですが、ある日、経費精算のときに金額を見て驚いた。普段の3倍以上の金額だったんです。上司からはこっぴどく怒られて、自腹を切ることになりました」(前出のサラリーマン)

 この理不尽な価格設定が結果的に利益をもたらしているのか、日本全国でAPAホテルは増殖中だ。前出の元支配人が語る。

「今はどんどん都内の古いホテルを買収したり、新規店を作っていますが、これらは全てオリンピックに向けた動きです。新規店ラュッシュで社内は猫の手を借りたいほど忙しい。古いホテルの改修工事までは手が回っていないので、宿泊するなら新規オープンのホテルに限ります」

 この三連休はホテル業界にとって大きな稼ぎ時だ。それだけに、理不尽に高い料金のホテルには泊まらないように注意したいものだ。

Written by 田中良

Photo by PhoTones_TAKUMA

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