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「シナをやっつけたい」石原慎太郎引退会見でも暴走怪気炎

TABLO / 2014年12月17日 17時0分

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 12月16日午後、石原慎太郎氏が政界引退会見を行った。1968年の参院選で全国区から出馬して初当選。若い頃には青嵐会を結成するなど政界を暴れまわり、日本政治史にその名を残している。文豪政治家の引退会見ならさぞかし名文句が聞けるだろうと期待して行ってみたが、石原氏の話は最初の10分程度でちょっとがっかり。でも質疑応答は結構面白かった。

 もちろん石原氏の"永遠の敵"である中国メディアも参加。「中国は嫌いですか。その理由は?」と聞くと、石原氏は即「キライ!」と返答。まるで子どもが「にんじん、キライ!」と言っているかのようだ。

 別の中国メディアが尖閣諸島をめぐる日中関係について質問すると、石原氏は「シナをやっつけたい!」「週刊誌の取材で『一番したいこと』を聞かれ、『シナと喧嘩して勝つこと』と答えた。私は日本人として言ったんです」と、最後までにんじん、いや中国キライを貫いたところはちょっと立派。

 しかし82歳の老人はもうちょっと若き頃、じいさんに籠絡されたこともあったらしい。それは青嵐会時代。選挙権年齢を18歳以上に引き下げるキャンペーンを行う際、田中角栄氏に自民党本部のホールを借りたいと言ったら、角栄氏から「選挙権は25歳で十分だ」と一喝されたとか。

 それを石原氏が「その通りだな。成人式に親を連れてこなきゃいけない人に、18歳から選挙権を与えるのは間違いだ」と回想したのだが、そもそも18歳でバカな人が25歳になったらいきなり賢くなるという保証はあるのか。などと突っ込みたかったんだけど、場所はかの大手メディア様が会員の日本記者クラブ。フリーランスの私などがしゃしゃり出たらつまみだされそうだもんね。よって自粛(笑)。

 若い時はかっこよかったのにね、石原さん。もっとも今でも82歳のおじいちゃんにしてはかっこいい。でも12月10日に京都で演説した84歳の不破哲三氏には負けているね。不破氏はあの寒い中、24分も街宣車のデッキで演説した。メモも見ないし、言いよどみもない。11日には沖縄で、街宣車の上に上がって喋っている。なんという体力! なんという知力! 赤嶺政賢候補が小選挙区で当選したのは"不破効果"でいかと思うほど。なあんて、ちょっと褒めすぎか......。

 もっとも石原氏は衆院選の前に引退の意思表明をしていたが、「あなたがいなければ勝てないから」と懇願されてしかたなく次世代の党の東京ブロックの最下位にノミネート。若手に請われた応援演説の会場でも「私は選挙の後で引退しますから」と本音を言っちゃえば、もともと勝つ可能性が低いのに、盛り上がらないったらありゃしない。

 対して約10年も表に出ず、党勢が盛り上がった時に後押しすべく出てきたじいさんは、「年寄りの冷や水」どころか、回りを熱狂させているじゃないの!

 さて国民の平均年齢を超えて生きている2人の老人の勝負、その勝敗がそのまま次世代の党と共産党の明暗になったのは興味深い。

Written by 安積明子

Photo by 国家なる幻想 石原慎太郎

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