愛する人とコロンビアから来日 二人の目的は日本での窃盗だった 彼女が裁判で語る「彼はとても心のきれいな人です」
TABLO / 2020年2月23日 11時17分
画像はイメージです
アンドレア・ロアイザ(仮名、裁判当時20歳)は交際相手のカルロスとともにコロンビアから来日しました。
二人が日本に来た目的、それは窃盗でした。
彼らが狙ったのは閑静な住宅街に建つ一軒家です。アンドレアは見張り役、実行犯はカルロスでした。狙いを定めた家の住民が出かけた隙に、カルロスは窓を割って侵入し貴金属など5点、29万円相当を盗み出しました。
盗品は全てデイシーという女の手に渡りました。デイシーはコロンビアから日本にやって来る人間に幅広く窃盗の手引きをし、盗品をさばいていました。事件が発覚しカルロスとアンドレアが逮捕された後、アンドレアの供述が決め手となってデイシーも摘発されています。
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アンドレアは逮捕時はまだ19歳、未成年だったため家庭裁判所に送致されました。彼女の弁護人は、
「コロンビアに返してあげてほしい」
と申請をしましたが、家裁はコロンビアに返すよりも成人として裁判を受けさせなければならないほどの重罪だと判断しました。そのことは裁判時には彼女もわかっていました。
「とてもいけないことをしたと反省しています。被害者にどんな思いをさせたか…。働いてこつこつ貯めたお金で買った物を、私たちが土足で入り込んで盗みました。もし自分の家族がそんな目にあったら…そんなことは望みません」
と話していました。
コロンビアで彼女は父と二人で暮らしていました。母と妹もいましたが彼女が10歳の時に家を出ていきスペインへ移住しました。家族はバラバラになったのです。
「父は経済的に苦しいなかで必死に私を育ててくれました。それなのに私は次から次へと悪いことをして父の心を痛めつけてばかりいました」
と話していたことから、彼女の心が荒んでしまっていたことがうかがえます。そんな彼女の心を癒やしてくれた存在が今回の事件の共犯者、カルロスでした。
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二人が出会ったのはアンドレアがまだ高校生の時のことです。周囲の人や父親は離婚歴があり6歳と9歳の子供がいる10歳以上年齢が離れたカルロスとの交際を反対しましたが、彼女は別れようとはしませんでした。
「彼は周りの人の面倒をよく見る、人想いでとても心の綺麗な人なんです。そんなところに惹かれました」
と話しています。はじめは交際に反対していた父親も、カルロスと実際に会ってからは考えを変えました。
「1回だけでいいから彼に会ってほしいと父に頼みました。会った後は父も彼は心の綺麗な人間だと言っていました」
しかし「日本に窃盗に行こう」と彼女に言い出したのはカルロスです。その言葉に彼女は従ってしまいました。
――カルロスと今後どうするつもりですか?
検察官の質問に彼女は答えました。
「今、口では『もう彼とは会わない』と言うことはできます。でも心は違います。私は、嘘をつくことはできません」
そして次のように続けました。
「今、彼は同じ場所にはいませんが離れていても私と同じ気持ちになってほしいです。反省して立ち直って心を入れ替えてほしい。愛している人だから、二人三脚で家庭を作って2人で幸せになりたいです。私たちのした数々の行いは過ちでした。そのことを忘れず今後の人生を2人で歩んでいきたいです」
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まだ20歳という年齢と犯行の悪質さを考えると、カルロスとは縁を切った方がいいとは思います。
しかし全ての発言が証拠として扱われる裁判という場で自分が不利になるとわかっていながらカルロスの更正を願い、今後の人生を時おり涙を拭いながら語る彼女の姿を見ると単純に縁を切ればいいとは言えません。
コロンビアの父親は遠い異国で勾留された娘にメッセージを送ってきています。
「いつでも戻ってこられるように待ってます。再会の日を、あなたが産まれた日と同じ気持ちで楽しみにしています」
父は罪を犯した娘を受け入れ、そして彼女も同じようにカルロスを受け入れようとしています。過ちこそ犯しましたが、その姿はひどく美しいものに映りました。(取材・文◎鈴木孔明)
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