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「おやじアート」は無意味の極致! 芸術とは何だ!? 不思議な魅力を放つ「面白きこともなき世を面白く」の世界|Mr.tsubaking

TABLO / 2020年3月29日 12時30分

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コロナウイルスの世界的な流行拡大をはじめ、暗いニュースが多くなり塞ぎがちになってしまいそうになる昨今の世相。こんな時こそ人は、無意味で地に足の着いていないハッピーさを求めるものです。今回ご紹介するのは、そんな何も考えなくていいスポットです。

 

東京西部、アメリカ軍横田基地がある福生市。街には、アメカジのお店やハンバーガショップが立ち並んでいて、往来にも外国人の姿が目立ちます。そんな中で、ファンシーとレトロと哀愁をまとった雰囲気を醸し出す小さなお店があります。

 

 

「トムソーヤ工房」です。青梅線の牛浜駅から、横田基地の第5ゲートに向かって徒歩10分弱。桃色の奇妙な建物が見えてきます。一見ではなかなか入りにくい店構えですが、勇気を出して扉を開けてみましょう。

店内へ入るとそこは、色彩のパラダイス。色と情報の波に飲まれ、三半規管が機能しなくなるような感覚に襲われるほどです。

 

 

この狭い空間にビッシリと詰め込まれているのは、「おやじ」をテーマにしたキャラクターの数々。はじめはショッキングで、キモいと感じてしまうようなその見た目に拒絶反応が出るかもしれません。しかし、店内を眺めていくにつれ、ジワジワとこのキャラクターの可愛らしさと哀愁が滲み出てくるのがわかります。

 

 

参考記事:「倦怠感がすごく日に日に弱っていく」 新型コロナ肺炎患者にリアルな実態を聞いた “どういう症状”になれば本当に疑わしいのか!? | TABLO

 

さらによくよく見ていくと、カオスではなく一定方向に向かっているセンスと、丁寧な仕事ぶりがうかがえる品ばかり。これらの作品を作っているのが、「王様」となのる人物です。王様は山口県萩市で生まれ、地元の偉人吉田松陰の「時代にいかに関わって生きていくか考えて行動せよ」という精神に感動し、芸術の道を志します。芸大の受験がうまくいかず悶々とする日々のなかで、受験ではなく自分なりの作品を世に出していく決意を固めます。

 

 

それからというもの「おやじキャラ」の作品に没頭。おやじといえばネガティブなイメージをもたれるものですが、王様はこれを作品の上で「笑いと哀愁」に昇華させようとしています。筆者はこの、笑いと哀愁が同居する世界観には松本人志や内村光良がつくるコントの風情を感じるのです。そして、ここ数年「キモカワ」といった言葉とともに、こうした作品にも注目が集まるようになってきました。

 

 

まさに「時代と関わっていく」ようになったのです。王様の作品は、キモカワのうえに全くの無意味。自粛ムードの昨今、エンタメは「余剰なもの」として真っ先に切り捨てられるわけですが、この余剰をもつことこそ豊かさで、王様の作る全く無意味で非実用的なものほど、心の拠り所になったりするのです。

 

関連記事:マスク600枚の寄付した女子中学生に対するオトナたちのさもしい反応 一度も使わずに貯めてきた8万円を材料費に充てた女の子に… | TABLO

 

 

思わず私ツバキングも、いくつかの作品を購入。ひとつひとつが手作りなので、値が張りそうなところ、500〜800円の品が中心なので気軽に手に入れることができます。「面白きこともなき世を面白く」とう高杉晋作の考え方にも感銘をうけた、王様の現代アートは「0からつくる」というより、コラージュなどが中心。なので、王様のバックボーンが見え隠れして人によってはシンパシーを感じるものも多いはず。

 

 

暗くなってしまいようなこのご時世、一見すると意味のないまた価値のないもので、こころの余裕を持ってみるのもいいのかもしれません。(Mr.tsubaking連載 『どうした!?ウォーカー』 第54回)

 

■トム・ソーヤ工房
東京都福生市大字熊川1070−2
042-553-7279
営業時間 13:00〜19:00

 

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