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芸能人も巻き込まれた裏社会の新しいシノギ"診療報酬詐欺"の実態

TABLO / 2015年11月20日 15時0分

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 警視庁組対四課課長が病気で勇退の噂があり、その最後の花道を飾ろうと警視庁組対四課案件とし、徹底的に事件に取り掛かっている案件が診療報酬詐欺である。住吉会系三次団体組長三戸慶太朗容疑者、コンサルタント会社役員早川和男容疑者、杉並区下井草の杉並すこやか接骨院の元経営者の辺土名朝紀容疑者をその診療報酬詐欺の疑いで逮捕された。

 三戸容疑者は幸平一家総長付きと言う要職に就いており、幸平一家の時代を担う人間と言われていた程の人間であるが、三戸組の幹部を含め組員が大量に検挙されている。この事件は三戸容疑者と早川容疑者が共謀し、受診する患者を集めて、その為に杉並区に作られた病院、接骨院等を複数回受診させて、整骨院の場合は療養費、病院の場合は診療費を架空請求して騙し取った事件だ。

 比較的に審査の甘い国保を狙った事件と一部で報道されているが、それは正しくはない。患者を集めた組員、その関係者の知り合いを集めた為に必然的に自営の人間が集まり、国保が多くなった為に、その様な報道が先行したのだ。実際には普通の社会保険加入者も存在する。

●1億円以上と言われる架空請求の被害額はその数倍にも

 現在1億円以上が架空請求の被害額と言われているが、実はその被害総額はそれの数倍にも上ると言われている。架空の患者にされた人間だけでも1000人以上に上るとされており、組対四課は既に数百人に事情聴取されたと言われている。不正診察に加担した医療機関は整骨院に他に、歯医者、内科など複数に上る。その中にはホストクラブで多額の金を使った、とテレビなどで公言した女医も含まれているが、まだ着手には至っていない。

 なぜ、着手に至っていないのか、それにはいくつかの理由がある。その中で一番大きな理由は組対四課案件と言うのが大きい。組対四課は暴力団を取り締まる為に出来た取締り部署の為に、暴力団を徹底的に取り締まっている為だ。事件の背景はこうだ。

 三戸組の関係者が共謀して、診療に通う患者を勧誘、報酬を支払ったのだ。なぜそれだけのお金を払う事が出来たのか。それは、患者が提出する保険証をコピーして、他の関係している病院、整骨院などに回し、療養費、診療費を騙し取る事をしていたからだ。その他にその患者もたらい回しされていた。

 実際に歯医者、内科などでは簡単に十万円以上の請求が可能であり、一回数千円の整骨院などでは数十回通った、と請求を行っていたのだ。保険証の明細が家に届くのだが、その診察の明細を見て知らない請求が多く含まれているが、実際にそれに加担した人間が報酬を受け取っているが為に、後ろめたさから警察に通報が出来ない為に発覚が遅れた。

 患者は主に、先に上げた三戸組の関係者の口から複数の組関係者からも誘われている。その為に住吉会の他の組織も名前は上っている。住吉会の大きなシノギと一部報道されているが、これは組織を挙げてのシノギではない。組関係者独自の人脈から出来上がった事件だ。

 患者の中には若手の吉本興業の芸人、マイナーミュージシャンなどもいる。また、それらの人脈で複数の芸能人も既に事情聴取された、と言われている。これらの人間は会社員では無い為に、国民健康保険、つまり国保だ。上記に説明した様に、この為に国を狙った診療費詐欺と言われた所以だ。今回逮捕されているのは現在ではまだ16人であり、現状ではまだ捜査が続いている段階なので細かく書く事は出来ないが、年越しをする大事件である事は間違いない。現段階での逮捕者は16人だが、今後逮捕者は増えるはずである。第二弾ではそれらを逮捕する予定であり、それによっては第三弾、第四弾と逮捕者が出るはずである。

 今まで国から金を騙し取る事件は国民金融公庫とか国の公的融資を騙し取る事が多かった。だが、最近では一回で多く取る事よりも、少なく何度でも取る事が増えている。オレオレ詐欺、ぼったくりなどはもう古く、金にならない事を裏社会の人間は既に分かっており、新しいシノギに取り掛かっているのだ。整骨院などを舞台にした架空診療は昔からある古典的なシノギではあるが、これだけ大掛かりなシノギとは誰も想像しなかったであろう。

Written by 花田歳彦

Photo by K-SAKI(コラージュ)

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