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AKB48の高橋みなみ、大いなる助走を経ての卒業|久田将義コラム

TABLO / 2016年3月28日 17時15分

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 AKB48グループを体現していると言ってもいいだろう。現に、「運営以上に運営らしい」とも評されている「総監督」高橋みなみがAKB48に入って十年目。ついに卒業を迎えた。

 因みに私事で恐縮だが、七年ほど前まで「AKBというグループがあるから一度観に来て」と言われても余り興味が湧かなかった。が、深夜番組で当時17歳くらいの高橋みなみが中学の親友と再会するという企画をやっていた。再会した際の高橋みなみの涙が本気過ぎて、かなり印象に残った。アイドルが人前であんなに「本気涙」を流せるものなのか、と。逆に感心したほどだ。それ以来、第二回総選挙あたりから現場を訪れるようになった。

 高橋みなみのインタビューの模様はスポーツ紙に流れているので、横浜スタジアムで行われた高橋みなみ卒業コンサートの模様とその後の関係者に囲まれての私的印象を書いてみようと思う。

 前述したように高橋みなみの魅力は「本気」だと思う。本気で涙を流し、本気で怒り、本気でパフォーマンスをする。本稿で何度か書いているようにライブに行かないと分からない空気感がある。七、八年前までのライブでの高橋みなみのMCは声を張るだけだったが、テレビの露出も増えた事もあるのだろう、MCや盛り上げ方が別人かと思うほどになった。統率力が増した(彼女のほかに、あれほどうまく客をまとめるメンバーは指原以外いないと個人的に思っている)。本気でちょっとクサいくらいのセリフを口にする。高橋みなみが言うとそのクサさが味になる。

 昨日のライブは一曲目、サプライズで前田敦子が登場した時は泣いていたが、そこからは涙を見せなかった。その後は48グループによるシングルヒットの連続弾。大島優子、篠田麻理子、板野友美、秋元才加らが登場し「ヘビーローション」「ポニーテールとシュシュ」「フライングゲット」「大声ダイヤモンド」etc(きりがないのでこの辺りで止めておくが)などで客を沸かせた。その全曲に高橋みなみは登場するというパフォーマンスを見せた。浜風が吹く、寒い横浜スタジアムで体力はかなり失われたと思うのだが泣く暇などなかったのかも知れない。

 高橋みなみは総選挙の順位こそ、一位は取れなかったが精神的支柱であった事は間違いない。高橋みなみのようなポジションのメンバーは見当たらない。だからこそ貴重なのだが、彼女が卒業後は指原莉乃がそこに近い立場になるのではないか(横山由依が優等生的新総監督なので)。

 ライブ後、関係者に囲まれた高橋みなみは泣いていなかった。落ち着いて受け答えしている様子(前方に人がい過ぎて声だけしか聞こえなかったが)を聞くと、17歳の時のテレビ番組で号泣していた女性とは思えぬほどしっかりしていた。「運営より運営」という言葉を思い出した。

 高橋みなみは自身で言っているように夢はシンガーになる事だ。初アルバムの発売が決定しており、作曲者のメンツも豪華。不況の中でどれだけ健闘するのかが注目される。誰かが言っていたように、AKB48は高校野球や放課後のクラブ活動に似ている。その後、女優になった前田敦子や大島優子なども同年代の綺羅星のごとくいる若手女優と競っている。卒業してからが「本番」とも言える。そうみると高橋みなみのAKB48での10年間は夢に向かって、筒井康隆の作品名を借りるなら『大いなる助走』期間だったのかも知れない。

Written by 久田将義(東京ブレイキングニュース編集長)

Photo by 高橋みなみAKB48卒業フォト日記 写りな、写りな

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