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高橋ジョージはなぜ写真でしか娘に会えないのか?モラハラ被害のウラにあるもの

TABLO / 2016年5月13日 16時0分

写真

 高橋ジョージと三船美佳の離婚についてどう考えるべきか、某女性週刊誌記者から問い合わせがあった。「モラハラ」など一方的に高橋の悪者イメージが独り歩きする一方で、娘の写真が年に2枚しか受け取れないと知って、それはちょっとあんまりだと感じた人もいただろう。

 筆者は、別居や離婚に伴って、高橋のように子どもと引き離された親の支援を行なう団体で電話当番をしている。最初に断っておくが、高橋と三船のどちらが悪かったか、という話はあまり興味がない。高橋のモラハラの真偽や三船の悪女ぶりを言ったところで、夫婦とはどんなものかの価値観の違いが表面化したから離婚に至ったにすぎないからだ。

 離婚成立に際し、高橋は復縁を諦めたし、三船も、実際法的に認められるかどうかはともかく、「モラハラ被害」に対して民事的な救済の手続きをとることはできたはずだが、慰謝料は放棄している。今さら他人がとやかく言ったところで、「終わった話」だ。

 しかし、男性を中心に離婚相談も多く受けてきたので、高橋の置かれた状況は手に取るようにわかる。 ある日妻子が雲隠れし、探し回っていると知らない弁護士から「安全なところにいる。話し合いは代理人である私を通じて」と連絡が入る。離婚調停を申し立てられ、自分ではそんな記憶もないのに「モラハラ」と言われる。相手との修復や娘と会うことを求めるとそれが「モラハラ」の証拠にカウントされる。「モラハラ」の事実は不明確なまま、子どもとの面会はなかなか実現せず、高橋のように写真の送付が面会に替えられるケースもある。

 これは実は、離婚するとどちらか一方の親に親権を定める単独親権制度によってもたらされる問題で、高橋のケースも一種の「パターン」に過ぎない。このルールだと夫婦の別れに伴い親子も別れる。ところが海外では共同親権の国々が多く、親が別れても双方の親子関係は維持される。それが子どものためとされているからだ。

 実は、二人の離婚が成立した4月29日、千葉家庭裁判所松戸支部で注目すべき判決が出た。判決は、5年間娘との関係を断たれてきた父親を親権者・養育権者として、母親のもとから父親のもとに8歳の娘を引き渡すように命じた。その際、母親の側は月1回2時間程度の父親との面会を示したのに対し、父親の側は、自分が娘を見れば年100日以上、母親と過ごさせると提案していた。相手の親子関係をより保障するほうに親権を与える、「寛容性の原則」に従って決定を出したものだ。共同親権の国々ではこういった判断基準に従って主な養育者が決められることも多い。

 ところが、単独親権の日本ではこれまで、相手の親子関係を断絶させたほうにご褒美として親権を与えてきた。現在子どもの面倒を見ているほうの親を、裁判所が親権者とするという点で「継続性の原則」と呼ばれるが、むしろ「断絶性の原則」のほうが現実に近い。松戸支部の判決とは真逆だが、子どもが双方の親と十分過ごすことが可能になるわけだから、こういった判決が定着すれば、親の感情に子どもが巻き込まれるのを避けることができるようになる。

 一方、単独親権のもとで親権争いが熾烈になると、子どもを確保した親は、断絶状態を定着させるために、なかなかもう一方の親は子どもを会わせないし、子どもがもう会いたくないと言い出してくれればなお都合がいい。離婚成立の記者会見で娘に「おめでとう」と言われたことを、三船は喜んでいた。三船としては、「やっとあの男と離れられた」という自分の思いを子どもが共有してくれていたことがうれしかったのだろう。

 しかし、子どもにとってみれば、自分のルーツである父親を悪者にするのは本来うれしいはずがなく、あえて父を裏切って母親を喜ばせたに過ぎない。父親に直接そう言うなら話もわかるが、子どもがそう言ったのは三船が高橋と娘との関係を断絶させているからだ。

「先に取ったもの勝ち」の仁義なき闘いが、双方の泥仕合を促してきた。弁護士事務所のホームページには、「親権が欲しいときは子どもを連れて別居しろ」という助言がたくさんある。三船は業界の常識を忠実になぞったにすぎない。 こうなると会おうとしても子どもとの関係を取り戻すのは困難に感じてくる。高橋が「まずは写真から」と一年後の面会に望みをつないだのもわかる気がする。

 しかし、裁判所や弁護士が直接の面会ではなく写真の送付で和解を勧めるのは、単に問題を先延ばししているにすぎず、往々にしてその後面会が実現しないまま諦めてしまう親は珍しくない。子どもにとっては自分の写真を父親が別の場所で見ても何の意味もない。 その記者は松戸支部の判決も知っていて、筆者が解説するとだんだん高橋に同情を感じてきたようだ。こういった判決が出るようになったというのは、親子断絶を進める側への風当たりが厳しくなったことを示している。高橋には追い風だ。しかし慣例通りなら前途多難だ。

Written by 宗像充

Photo by ハローマイラブ!/ふたり~One Day

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