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元ジャニーズの平本淳也がSMAP独立問題と「ジャニー喜多川の真意」を考察

TABLO / 2017年6月21日 18時0分

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 稲垣、草彅、香取の元SMAPメンバー3人のマネジメント契約終了に伴う知らせがジャニーズ事務所から発表された。タレントの進退について発表するのも最近では珍しくなかったが、今回はジャニーさんが代表取締役社長として報告の大部分を担っているのが印象的だった。

 これは、国民的スターであるSMAPの影響力を考えてのことと、ジャニーズ事務所の対応や考えを伝えるチャンスでもあったからだろう。少なくてもここ最近のSMAPに関しては"批判されるジャニーズ"という悪役の立場を強いられていたが、本人たちの意向を尊重して温かく見送る応援者であることを認識させたかったのだろう。

 また、SMAPを「素晴らしい、MEMORYS、ありがとう、POWER」とアルファベットの頭文字をとって表現したジャニーさんらしいメッセージで面白いし、また過去にも例がないほどの愛情を深く表現したものだった。

 しかし、ジャニーさんが変わらない思いで応援していくというアピールは正直、疑わしい(笑い)。去る者は追わない美学を貫くジャニーズの考えはジャニーさんの性格そのもので、出るのも辞めるのもジャニーさんの態度や一言で決まってきた。一旦背を向けたら二度と振り向かないジャニーさんが、自分のところを去った者を変わらずに思い続けるということはないだろう。

 それは過去の田原俊彦や諸星和己らを見れば分かる。だが、しかし、メリーさんは違う。SMAP騒動で日本一の嫌われ者となってしまったメリーさんだが、その愛情はかなり深く長い。ジャニーズ、フォーリーブス、たのきんと過去のジャニーズアイドル達を今でも永く愛し続けているし、また応援だけでなくメッセージを送ったり活動の援助や支援も行っている。

 ただ最近の所属タレントはメリーさんと接点(現場)がないので愛情の培う場所も存在しないし、SMAPや嵐あたりの世代以降は昔と比べると確かに関係性は薄い。取り入った木村がその愛を一心に注がれる立場になっている。

 そもそもあの姉弟二方は、甘えてくる人間に優しいのだ。「ジャニーさん~、メリーさん~」とくっ付いてくるととても可愛がる。トシちゃんとマッチがジャニーさんの取り合いをしていた模様をよく覚えているが、ジャニーさんは「僕はひとりしかいないんだよ~」と心底嬉しそうだった。誰でも頼られたら嫌な気はしないだろうが、逆に存在を無視するような行動を取ればアウトということだ。

■「僕に断りもなく勝手なことをやって」とジャニー喜多川に怒りを買った面々

 ジャニーさんは「僕に相談もなく、断りもなく......」といった行動や判断には厳しい対応を取る。つまりは犯罪はもとより、赤西仁(妊娠・結婚)や田中聖(店・タトゥーなど)の件が代表例だ。その点、マッチと東山は優等生で、すべてにおいて相談と報告、そして許諾と確認を怠らない優等生だった。ある意味それは社会的には当然かと思うが、個々の自由を尊重する今ではあまり守られていないのだろう。

 SMAPが解散に行きつき、そして3人の独立に至った経緯にはそうした感情の行き違いがあったのだろう。去ったタレントに対しては特に何もしないのがジャニーさんだ。よく言われている「干す」ということではない。多くのメディアが何か勘違いしているが、ジャニーズはそんな小さいことはしない。

 使う方が「使いにくい」と勝手に判断しているだけで、ジャニーズからイチイチ「使うな」「出すな」と公には言わない。確かに昔はそれもあった。ジャニーズが今の地位を確立できる以前のことで結婚や出産、「俺はBig」発言でジャニーズのイメージを損なったトシちゃん。あまり表沙汰になっていないが面倒が重なった光GENJIや男闘呼組の面々などは手に余るようになり、その関係性を終わりにした。

■ジャニーズ事務所の管理体制の変化

 しかし、そうしたジャニーさんの排他的な姿勢はこのところ大きく緩和されてきた。元ジャニーズというのは、そのネームバリューとブランド力に反して使いづらい以外なにものでもない。ここ数年ではそれもネタとして扱われるようになり、ジャニーズも大きくなった分、小さいことはどうでもよくなって気にしなくなったということだ。

 元SMAPの三人に対してもその活動を邪魔することはないし、干すとか箝口令を敷くとかそんな小さくクダラナイことはしないだろう。だからといって繰り返しになるが出て行った人間を応援だってしないし、これといって何もしない。もはや「関係がない」というのがジャニーズ流だ。

 独立する元SMAPの3人はどこに行っても何をしても相当の立場があるし、これといって困ることもない。これまでになかった自由を手に入れたのだから、不安より期待の方が大きいはず。そうでなければ独立や退所はしない。

 逆にいえば、中居はジャニーズではない自分に不安が残ったということだ。これまでの時間と労力、積み重ねてきた立場を失うことは怖くてたまらないし、ジャニーズであることと、そうでないことを考えたら答えは簡単だっただろう。辞める3人には中居ほど失うものがないのが正直なところだ。

 今回退所した3人はSMAP解散によって、SMAPではない立場を半年ほど経験した。それなりの変化はあっただろうが、失った分と得た分があり、その中でも得られた時間と自由が大きかったわけだ。今まで出来なかったことや、やりたかったことがジャニーズのままだと出来ないことも多々あるのだから。

 考えようによっては、ジャニーズは「足かせ」になっている部分も多くある。天下のジャニーズといっても万能ではないから、企業的なイメージもあって、できる仕事の範囲も狭くなってしまう。

 ジャニーズのタレント、あるいはSMAPのメンバーとしての立場からなるキャラクターと待遇、そして出演時における交渉事などはノンブランドのタレントとは比べ物にならない。少なくてもジャニーズとなると安い買い物ではないし、SMAPや嵐となれば要求されるレベルも高くなる。

 明石家さんまさんが「俺のギャラが高くて番組が作れない、予算オーバー」と『さんまのまんま』の終了についてその理由を説明したが、納得の理由である。ご本人は安くても良いとやりたい仕事はタダでもやりたいというのが本音だろうが、企業に属していると仕事はビジネスだからその限界もある。また稼げる立場と時期も限られてるので、それを考えつつマネジメントしなければならない。

 さんまさんのギャラを安くすれば、ダウンタウンほか吉本興業の芸人たちの立場が危うくなるのは言うまでもなく、守らなければならにい事情もそこにはある。もちろんジャニーズでも同様で、収入的なこと以外でも制約は少なくない。その最たるものはタレントは仕事を選べないことだ。やりたい仕事があっても所属事務所がNGを出すことも多い。木村が良い例で彼の役どころはすべてが「木村拓哉」という名前を全面的に押し出したもので、ストーカーや痴漢に変態役など言うに及ばず、犯罪者のような役はやらないし、やりたくてもできない事情がある。

 一方、ジャニーズ出身の俳優で最も成功したのは元シブがき隊の本木雅弘さんだ。ジャニーズを辞めた後、アイドル時代ではできなかった坊主頭、ヘアヌード写真集を立て続けに発表。紅白歌合戦ではコンドームをまとった衣装で尻を出したり、映画『シコふんじゃった。』ではフンドシ姿まで披露した。ジャニーズのアイドルから大きな脱皮を繰り返し、そして『おくりびと』ではアカデミーのレッドカーペットを歩くまでになった。こうした活躍はジャニーズにいる限り、木村には無理だろう。

 事務所が役を選んで精査する今のジャニーズにいる限りは俳優としての将来的な成功は難しい。稲垣吾郎と草なぎ剛への期待と楽しみはそこにある。ジャニーズではできない、できなかった新しい環境と挑戦は本人たちもワクワクしているに違いない。彼らは制作にも興味があるので俳優業に留まらず面白いことを見せてくれるはずだ。

 どこでも社則や校則といったルールがあるので守るべき事項は当然だが、タレントの商品価値や売り時の短さを考えると、すべて同じに当てはめることが成功とはいなかい。ジャニーズだって永遠ではない。ジャニーさんとメリーさんがいなくなったらジャニーズの体制も大きく変わるし、またすでに変わっている部分もある。将来を真剣に考えると年齢的にも今が辞め時だったのだろう。吾郎と剛の新境地と慎吾のリセットには今後も皆が注目するところで楽しみにしていいだろう。

文:平本淳也(元ジャニーズの作家・実業家)

写真:Gitte Herden

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