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PASSPO☆が解散発表 ちょっと怖そうなギャル系女子はクラスのオタク男子にいつも優しかった

TABLO / 2018年5月23日 11時7分

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PASSPO☆ COMPLETE BEST ALBUM "POP-UNIVERSAL MUSIC YEARS-"(初回限定 ファーストクラス盤)


 去年くらいから女性アイドルグループの解散が続いていますが、先日もPASSPO☆が9月22日の中野サンプラザ公演をもって解散すると発表しました。これには多くのアイドルファンもショックを受けたことでしょう。

 キャビンアテンダントがモチーフとなっており、ライブを「フライト」と呼んだり、ファンを「パッセンジャー」と呼んだりすることでもおなじみなPASSPO☆。楽曲はロックテイストにあふれていて、ライブはとにかく熱い。メンバーそれぞれが実際に楽器を演奏する「BAND PASSPO☆」としても活動していました。2011年のメジャーデビューシングル『少女飛行』では、女性グループとしては史上初となる"デビューシングルでのオリコンシングル週間ランキング初登場1位"という記録も達成しています。

 そんなPASSPO☆は2009年に、芸能事務所プラチナム・パスポートに所属していた女子中高生10人で「ぱすぽ☆」として結成されました。彼女たちは、元々モデルや女優、歌手、タレントになりたいと思って芸能界に入ってきた少女たちです。つまり、PASSPO☆は特にアイドルになりたいとは思っていなかった少女たちで結成されたグループなのです。

 アイドル志望のメンバーから成り立っていないので、もちろんアイドルらしいわけがない。昨今のアイドルのパブリックイメージにあるような、ブリブリっとした雰囲気はほぼ皆無。どちらかといえば、渋谷で遊んでいるギャルや、部活でバリバリ活躍しているスポーツ系女子など、校内ヒエラルキーの上位に属する強めでコミュニケーション能力が高そうな女子たちの雰囲気をムンムンに出しているのがPASSPO☆なのです。あるいは「PASSPO☆は相当チャラい」と表現できるかもしれません。

 たしかに一見するとチャラそうなPASSPO☆ですが、メンバーたちのPASSPO☆に対する思いは本当に熱くて、ファンのことが大好きで、ファンにとっても優しい。漫画やアニメの世界では、「ちょっと怖そうなギャル系の女子生徒がクラスのオタク男子に優しくする」なんていう設定がよくありますが、それを地で行くのがPASSPO☆なのです。

 それこそメンバー最年長の"なちゅ"こと岩村捺未は、「ぱすぽ☆」結成前に『Popteen』で読者モデルを務め、アメーバブログの女子高生部門でランキング1位を獲得するなど、まさに女子高生のカリスマでした。そんななちゅはアイドルになると、自分のファンのことを堂々と「私のオタクが〜」などと呼び始めるわけです。このフレンドリーさ! この距離感! コミュニケーション下手なオタクだったら、なちゅの優しさにイチコロだったことでしょう。

 今でこそファンを「オタク」と呼ぶ"暴言系"のアイドルも珍しくありません。しかし、ファンをオタク呼ばわりするなちゅを筆者が初めて確認したのは、確か2011年くらいだったと記憶しています。いや、もうちょっと前だったか、後だったか...。記憶は曖昧ですが、本来差別的なニュアンスを含む「オタク」という言葉を、悪気なく、むしろ親しみを込めて使うなちゅの"ギャルっぽさ"はステレオタイプのアイドル像とはまったく異なるものでした。アイドルの世界にこういった異文化が流入してくることで、シーンがもっともっと面白くなっていくのではないか...という期待も感じました。

 その後、本格的なアイドルブームが訪れ、いろいろなタイプのアイドルが登場してきます。PASSPO☆のようなコミュ力高めのアイドルもそれなりに増えたことでしょう。しかし、いつの間にかブームがピークに達すると、ブレークしたアイドルグループのフォロワーばかりが増えていくという、典型的な終焉のフェイズに突入。長年活動を続けてきたPASSPO☆が再び個性的な存在として、浮かび上がりそうだったところでの解散発表です。これは本当に残念です。

 もちろんメンバーそれぞれの人生があり、現在の7人のPASSPO☆での活動がままならないという事情もあるのでしょう。だから、解散は本当に惜しいけど、仕方ないことなのかもしれない。でも、PASSPO☆というアイドルグループがただならぬ存在感を発揮し、ファンに愛されていたということは、紛れもない事実です。これだけは、できるだけ多くに人に知っていただきたい。

 もしも、まだPASSPO☆を知らないという人がいるのならば、まだ遅くはありません。CDを聞いたり、ライブに行ったり、動画を見たりして、是非ともその魅力を体験してください。(文◎大塚ナギサ)

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