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近所でも評判の美少女が行方不明になってもう27年 千葉女子中学生誘拐事件|八木澤高明

TABLO / 2018年11月30日 17時0分

 2016年3月末、埼玉県朝霞市で行方不明となっていた当時中学1年の女子生徒が2年にわたり監禁されていたアパートから逃げ出し、保護されるという事件があった。

 逮捕された寺内樺風容疑者(23歳)は千葉大学工学部在籍時に少女を誘拐したのだった。少女は常に逃げる隙を伺いながら、寺内容疑者との生活を続けていた。2年間家族や友人たちと離れ、自由を奪われていたことは、とてつもない不幸ではあるが、無事親元に帰ってこられたことは、誠にもって不幸中の幸いであった。

 私はこの事件が解決した時、ひとつの事件のことを思い返していた。千葉県千葉市で、今から27年前に中学生の佐久間奈々さんが誘拐された事件である。

 事件は未だに解決の糸口が見えていない。果たして彼女は今どこで、どう暮しているのか。

 そもそも私がこの事件のことを知ったのは、写真週刊誌のカメラマンをしていた頃のことだった。千葉市で十代の少女が殺害される事件が起こり、その取材で所轄の警察署に足を運んだ時に、情報提供を求めるポスターを目にした。
 そのポスターには、ぱっちりとした目をして見るからに美少女の奈々さんと、小太りのいかにも凶悪そうな犯人の姿が描かれていて、美少女と野獣ともいうべきコントラストが強く印象に残り、それ以来事件のことが気にかかっているのである。

 事件の概要を記していきたい。
近所でも評判の美少女だった佐久間奈々さん(13歳)が、自宅で一緒に勉強をしていた同級生3人と4キロ離れたコンビニまで夜食を買いに行ったのは、1991年10月27日午前0時過ぎのことだった。

 コンビニで買い物をした帰り道、4人は身長155センチほどの小柄な中年男から呼び止められた。男は夜間パトロールをしている指導員と名乗ったうえで、こんな夜中に子どもたちだけで出歩いちゃだめじゃないかと威圧した。

 なぜか男は奈々さん以外の同級生に帰るようにいい、彼女だけを脇の細い道の方へと連れ去ったのだった。現場は、民家が点在しているが、夜になると人気が無くなる寂しい場所だった。

 その日の午前1時半頃には、通りがかった車の運転手が奈々さんと男の姿を目撃、そのあとも住宅地を午前4時頃二人が歩いていたという目撃証言も出たが、奈々さんの足取りはぷっつりと途絶えた。

 奈々さんと連れ去った男は、その後どこへ消えたのか、事件からすでに27年の歳月が過ぎ、彼女の年齢は40歳になる。

 日本では、少女が何者かに連れ去られる事件が起き続けている。中には冒頭にあげた事件や新潟少女監禁事件のように解決に至った事件も存在する。それ以外には、大阪の熊取町小四女児誘拐事件などは同じく未解決のままである。

 今も千葉県警のホームページには情報提供を求めるポスターがアップされていて、奈々さんだけが当時の姿のまま、どこか悲しげな表情でこちらを見つめている。(取材・文◎八木澤高明)

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