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キラキラネームだけではない 「キラキラ地名」に注目してみたら東急線沿線になぜか集中

TABLO / 2021年3月25日 6時0分

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典型的な東急線沿線の風景。

キラキラネームという表現が定着してからかなり経ちます。キラキラネームの宝庫と言えば、スノボーの選手たち。敬称略で行きますと、今井メロ、平野歩夢、片山來夢、岩淵麗楽、成田童夢、平野流佳、子出藤歩夢、成田緑夢等々。「夢」が流行っているようです。
芸能人だと明石家さんまの長女いまるさんは別格として的場浩司の長女宝冠、松嶋尚美の長女空詩などなど、一見して「素直に読めない字」をあてがっているケースをキラキラネームとここでは呼称する事にします。

さて、キラキラネームだけではありません。世の中、キラキラしたネーミングを付ける事が流行っている気がします。それも地名に。歴史は大切です。地名にはそこに元々何があったのか、そこは元々どういう土地だったのかを地名だけで教えてくれる貴重な財産とも言えるのです。
例えば三重県の県庁所在地「津」という日本一短い地名は「サンズイ」がついている事から、港や水に関連する土地だったと言われています。あるいは「谷」がついている地名。東京だったら渋谷、千駄ヶ谷などですが、渋谷は宮益坂や公園通りなどを下っていった場所にあり文字通り「谷底」だった訳です。今でも名残りがあります。

というように、地名はいたずらに変えるものではありません。そこに人の息吹があるのからです。渋谷駅は山手線や銀座線、東急東横線ですが、山手線内の地名は「日暮里」(日が暮れる里)や「鶯谷」(文字通り、鶯の鳴き声が聞こえるようです)「新宿」(内藤新宿の名残)など風情と歴史が感じられます。が、「高輪ゲートウェイ」という完全に歴史を破壊するようなネーミングをぶちこんできました。まだ新しい路線になら分かります。が、山手線のような歴史ある路線でこんな暴挙は看過できません。

まだあるのではとキラキラ駅名を探してみました。キラキラというより「無理やり付けた駅名」という表現が正しいでしょう。今回は新興住宅街がある東急田園都市線に注目してみます。

東急田園都市線は中央林間駅を終点として上りは渋谷、青山一丁目、表参道、三軒茶屋、半蔵門などなど地価が高い駅名がずらりと並び気おくれしてしまう人もいるかも知れませんが、下りはそうでもありません。まず「鷺沼」というきっと鷺がたくさんいた沼があったであろう、素晴らしい駅名があります。「沼」があった名残として鷺沼小学校は坂の下にあります。そこからも昔を感じさせます。

その隣には日本で最も早くカタカナの駅名がついたであろう「たまプラーザ」があります。そもそも、ここは青葉区(旧・緑区)であり、さらに「美しが丘」という取ってつけたような地名にあります。因みにたまプラーザに「丘」というほどの「丘」はありません。さらに「平津」というバス停があるのですが「津」がついているので港でもあるのかと思いますが、この土地は山の中です。謎の地名です。

続いて隣の「あざみ野」もキラキラ系です。「アザミネーゼ」というメディアが土地の価格を上げるためかつけたニックネームも定着ししまいしまた。数十年前までは空き地だらけの土地でした。下りの終点の「中央林間」に向かっていくにつれ、「青葉台」「藤が丘」「すずかけ台」「つきみ野」といった涼やかで人工的な駅名が多くなっていきます。

ただ上りの方に行くと「溝の口」という闇市があった駅や「二子新地」というかつて「三業地」(置き屋、料亭、待合。つまり今風に言えばラブホテル、料亭が合わさった場所。「新地」は全国にあった。例・飛田新地)があった駅があります。隣の駅は言わずと知れたセレブの街、「二子玉川園」です。マツコ・デラックスさんが嫌いと公言している街です。二子新地はしかし、地縁が深く、ノンフィクションの名作「疵」(本田靖春著)の主人公で戦後の渋谷を牛耳った安藤組の大幹部。素手ゴロ日本一と言われた喧嘩師花田敬が最期を遂げた土地でもあります。

あの近辺には「美しが丘」のほか「百合丘」「新百合ヶ丘」といったキレイな名前がありますが、もう少し行くと「多摩クリスタル」といった風俗店があったことは余り知られていません。因みに「たまプラーザ」は億ションも建てられ、作家村上龍や一部上場企業の社長が住んでいたりしますが元は田んぼだった土地です。周辺には「犬蔵」という地名があり、犬は昔は日本狼の事を指していたのでこのあたりには江戸時代には生息していたのかと推測してしまいます。
キラキラ地名はライバルの西武線より東急線に生息している傾向があり、探求すべき路線です。

因みに京浜急行の「黄金町」はキラキラとは異なります。英語に訳すと「ゴールデンタウン」ですがかつて「ちょんの間」という青線地帯(非合法風俗)だったのですが、この名称と似ている街を思い出しませんでしょうか。そう。歌舞伎町の「ゴールデン街」です。ここも青線でした。

ですからキラキラではなく、街の人々がかつては「暗所」(ここでは、こっそりと商売するの意味で)だったのが東京都の石原都政あたりから「浄化作戦」が行われ、それが神奈川にも波及したと思われます。こういった由来のある地名の探求は面白いのですが、キラキラはどうしても浅薄なイメージがぬぐえません。もう遅いですが「高輪ゲートウェイ」のような「カタカナつけました」的な駅名は勘弁して頂ければ幸いです。(文・写真@久田将義)

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