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AKBだけじゃなかった!?「完全にガチ、でもすべて不正」伝説のじゃんけん大会...プチ鹿島の世相コラム『余計な下世話!』連載10

TABLO / 2013年9月24日 17時0分

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 先週は第4回AKB48じゃんけん大会が話題だった。スター候補のひとりである松井珠理奈が優勝したことにより「八百長ではないか?」「ガチだ」で世間が盛り上がった。

 アイドルファンに言いたいのは「ガチ、八百長」を真剣に語れる幸せを味わってほしい、ということだ。「昭和プロレスファン」は遠い目をしながらその懐かしさに浸っている。思い起こせば「半信半疑」で見ていたときこそ、もっとも熱くて語り甲斐があった。AKBファンがうらやましい。

 さて、そんな昭和プロレスに「伝説のガチじゃんけん大会」があったことを今回は報告したい。それは昭和62年(1987年)春に開催された。

 当時、プロレス界にはUWFという「思想」があった。関節技やキックを売りにしていて「ロープに飛ばない」のも特徴。しかしその革新的なUWFも団体経営に行き詰まり、業務提携という形で古巣の新日本プロレスに戻ってくる。

 その思想闘争は軋轢が生じ、リング外でもしばらくギクシャクとした関係が続いた。そこで当時の新日本プロレスの副社長兼レスラーとして現場をまとめていた坂口征二が親睦会を開催したのだ。

「ちょっとでもガチガチした気持ちを和らげようと、新日本とUWFで一緒にちゃんこをやってね。そういうのが必要だと思って、俺がセッティングしたんだよ。無礼講でさ」(坂口征二「もうひとつのUWF史」Gスピリッツ8号)

 それは巡業先の熊本・人吉の旅館でおこなわれた。

 酒が入ったレスラーたちはそのうち本当に無礼講になり、UWFの総帥・前田日明と新日本の若手のスター候補・武藤敬司が酔っ払いながら殴り合いを始めた。

 レスラーたちの大暴れで旅館はぶっ壊され、新日本プロレスには何百万の修理代請求書が後日届いた。プロレスファンが今でも大好きな「人吉事件」である。

 さて、この事件の真相を前田が最近語っているのだ。

「前田日明デビュー35周年記念DVD-BOX」で驚愕の事実が述べられている。

「武藤は明らかにスター候補でちやほやされてて。だから今のうち潰しちゃえと。普通はキックは相手の胸を蹴ればいいんだけど武藤の場合は顔面蹴ってて。」(笑顔で語る前田)

「人吉の時は、あまりにもUWFと新日本の試合がうまくかみ合わないから親睦会やろうと。で、最初に酒豪の坂口さんをみんなで飲ませて潰して。ふと見たら武藤がいたから飲ませて。」(依然として笑顔の前田)

 そして、前田が武藤に提案したのが「じゃんけん」だった。

「じゃんけんで勝ったほうが顔面を殴ろうな!」

 前田は全勝した。武藤をボコボコにした。

「全部後出しで勝ったんだよ。」(最高の笑顔で語る前田)

 しかし、そこで当時前田の弟分だった高田延彦が「いくらなんでも武藤がかわいそうですよ!」と叫んだという(男気溢れる場面だが、この時点で全員酔っ払っている)。

 高田は前田を羽交い絞めして「おい武藤、前田さんを殴れ」。

 若手の武藤は大先輩の前田を殴ることを最初は躊躇していたが、突然向こうに走ったかと思うとくるっと回転し勢いをつけて走ってきて前田を殴ったという。武藤も大物だった。

 翌日、顔面を腫らした武藤は「(スター候補なのに)そんな顔では試合に出せない」とフロントが試合を休ませ、青タンができた前田はファンデーションを厚く塗ってごまかして出場したという。

 AKBのじゃんけん大会の真偽は知らないが、プロレス界には「完全にガチ、でもすべて後出しで完全な不正」という、伝説のじゃんけん大会が確かにあったのである。



Written by プチ鹿島

Photo by 前田日明デビュー35周年記念DVD-BOX/ポニーキャニオン

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