『レーザーポインター男』裁判を傍聴 危険運転を犯しバス運転手へ危害を加えた男の未来とは

TABLO / 2019年4月9日 9時57分


 ここ数年、交通トラブルから事件を起こす人のニュースをよく目にします。ドライブレコーダーの普及がその要因だと思います。
 浅川善紀(裁判当時39歳)が暴行、威力業務妨害で起訴された事件もそのうちの一つです。彼が犯行に用いた凶器はレーザーポインターでした。

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 路線バスの運転手をしている被害者は事件当時、多数の乗客を載せバスを運転していました。
「午前8時40分、右後方からすごいスピードで横付けしてきた自動車がありました。どんな人がそんな危険な運転をしているか見てみたら目に緑色の光を当てられました。強い痛みを覚えました。クラクションを鳴らして注意を喚起しましたが、やめませんでした」

 被害者はその後も午前11時12分まで運転を続けましたが視界にできた白いモヤのようなものが消えず、バスの安全な運行に支障をきたすと判断し病院へ向かうことになりました。

 被害者を診断した医師の話では
「被害者の症状は一時的なもので異常はありませんでした。レーザーを目に当てると一時的に目がくらむことがあります。市販のレーザーポインターの光なら長時間目に当てられなければ失明することはありませんが、裸眼で太陽を直視するような危険な行為です」
 ということでした。

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 浅川が犯行に用いたのは「仕事で使うためにネットで買った」レーザーポインターでした。
 彼は事件当時は転職活動中で無職でしたが、以前はデリバリーヘルスの従業員を送迎する仕事をしていました。派遣先である家やホテルを従業員女性に遠隔で指示するためにレーザーポインターを使用していたそうです。

「武器として使う気はあったんですか?」
 と弁護人に質問されたときには
「そんなことはありません」
 と即座に否定していました。
「デリヘルスの送迎の仕事をしている人なら、使う人は使うと思います。便利だと思います」
 とレーザーポインターを所持していた理由を話していました。


ここにいるぞ!


「きっかけはバスが無理に割り込んできたことです。ドライブレコーダーを確認したらバスはちゃんとウインカーを出していましたが、それを見落としていました。それで、突然幅寄せをしてきたと感じて腹が立ちました。抗議する気持ち、『ここにいるぞ』と存在を示したい気持ちから犯行に及んでしまいました」

 と、動機について供述しています。
 たとえバスが無理な運転をしていたとしてもレーザーポインターを人の目に当てようとする気持ちは理解しがたいですが...。
 彼は自分の行為の危険性についても認識はしていました。

「長時間、光を当てると視力が低下するのは知っていました。ですが、こんな大事になるとは思いもしなかったです」

 危険性を認識しながら、自分の行為を軽く考えていたようです。彼の犯行は被害者だけでなく乗客も他の車も危険にさらす大変悪質な行為です。

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 この事件は彼の顔も実名も報道されました。傍聴席も満席でした。彼からすれば軽い気持ちでやったことかもしれませんが、世間から大きな注目を集める事件になってしまいました。

「ネットでも自分の起こした事件のことを検索して、良くないことだったと思いました。『レーザーポインター男』と書かれていました」

 テレビ報道、ネットの書き込み、そして公開裁判...彼もさすがに事の重大さには気づいたと思います。


 判決公判を私は傍聴していませんが、懲役1年6ヶ月保護観察付き執行猶予3年の判決が下されたそうです。

 彼は「今後は資格を活かせる仕事を探していく」と話していました。実名報道までされた彼の就職活動は厳しいものになると思いますが、やり直すことができればそれに越したことはないと思います。

「感情まかせに、身勝手なことをしてしまいました。今後は譲り合いの気持ちを持って行動します」

 と彼は法廷で誓いました。法廷で誓う、という行為の重さは理解してくれていると信じたいものです。本当かどうかはわかりませんが、犯行に用いたレーザーポインターは事件後、紛失したそうです。(取材・文◎鈴木孔明)

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