維新・猪木議員が北朝鮮へ何度も行く理由...プチ鹿島の世相コラム『余計な下世話!』連載17

TABLO / 2013年11月12日 12時0分

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「若田さん宇宙へ」という明るいニュースのいっぽう「猪木また北朝鮮へ」という話題もあった先週。

 猪木は「張成沢」(チャン・ソンテク)と会談したという。めちゃくちゃ大物じゃないか。「あの本」の主役じゃないか!

 私は北朝鮮そのものより「北朝鮮ウオッチをする人のウオッチ」が好きなのですが、そんな私にとって、元毎日新聞の論説委員で早稲田大学の重村智計教授のここ数年は見逃せない。

 重村教授は報道番組で北朝鮮のエキスパートとしてよくコメントしていたが、一冊の本が流れを変えたのだ。

 それが『金正日の正体』(講談社現代新書)。

 2008年のこの本で重村教授は「金正日死亡説」を紹介し、影武者が何人もいるという説も展開した。

「トンデモ本」と認定されたのか、重村教授が報道番組に登場する機会はこれ以降めっきり減った。

 本の話題と売れ行きは好調だったのか、2011年12月の金正日死亡の報を受けて昨年2月には『金正恩 謎だらけの指導者』 (ベスト新書) を出した。

 ここでの最重要人物が「張成沢」なのである。

 猪木と会談した最新の報道での張成沢の肩書は「国防委員会副委員長」であり「金正恩第1書記の叔父」である。

 しかし本書で重村教授はなんと、張成沢は「金正恩の父」説を紹介しているのだ。

 え?

 昔から「金日成に似た少年」がいるという噂が北朝鮮のロイヤル・ファミリーにあったという。

『「金日成に似た少年」は金正日総書記の妹の金敬姫女史と張成沢(チャン・ソンテク)夫妻が自分たちの戸籍に入れ、養育してきた人物である。この金日成に似た「隠し子」が、金正恩として登場したと指摘する人たちがいる。』

 このあと詳しく書かれているが、金正恩の正体は、張成沢夫妻が育てた金日成の隠し子「金賢」ではないかという説だ。

 今の報道を見ると、若くて実績のない金正恩の国民への唯一の売りは「おじいさん(金日成)に似てること」だ。そして金正恩に常に寄り添うのが「後見人」張成沢その人である。ワクワクミステリー。

 では本当の三男はどこにいる?

『三男の行方に関しては、確認できる情報はない。ただ、ロイヤル・ファミリーのメンバーの一人は、「重傷で再起不能」と証言している。それによると、三男は交通事故で重傷を負い、再起できる状態にはないという。多くの情報を整理すると、三男は2008年の夏の真夜中にオートバイで高速を走らせ、運転を誤り建物に激突したという。』

 この本は「ポスト金正日」に誰を担ぐかという周囲の権力闘争を中心に描いている。信じるか信じないか、楽しむか楽しまないかは読者次第として、今回の猪木の会談相手がどれほど大物かは本書を読んでいたからわかった。

 そもそも猪木はなぜ北朝鮮へあれだけ行く(今回で27回)のだろう。

 恩師・力道山の出身地だからという理由はプロレスファンなら誰でも知っている。平壌で「平和の祭典」というプロレス興行もした。「未開の地」に猪木の開拓精神がうずくのかもしれない。

 先週の週刊文春では猪木の「親しい女性」が、渡航に同伴して猪木の写真や映像を撮影しマスコミ各社に売り込むため、という記事を書いている。

 でも、27回も北朝鮮へ行くだろうか。

 そんなことを考えつつ話題の本『金王朝「御用詩人」の告白 わが謀略の日々』(張 真晟)を読んだらこんな1節があった。

「対南工作部署は現在でも、訪朝した外国人や韓国人を相手に、現地妻工作を行っている。彼女たちの夫は全員過去に訪朝したか、あるいは現在でも訪朝を続けている、外国の有名な政治家、企業家、記者、宗教家、学者などである。そして北の政権は今でも、現地妻や子供を人質にして、外国人の夫たちに、北に対する友好的な対外支援や協力をするよう要請している。」

 猪木、大丈夫か。

Written by プチ鹿島

Photo by アントニオ猪木 21世紀ヴァージョン 炎のファイター~INOKI BOM-BA-YE~/WOOD BELL RECORDS

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