弱者を食い物にする貧困ビジネス「囲い屋」で暮らす生活保護受給者の実態に迫る!
TABLO / 2013年11月28日 22時0分
巷で話題の貧困ビジネスに「囲い屋」というシノギがある。ホームレスや出所したばかり人間に住居を与え、生活保護を受給させ、その中から寮費や食費などを搾取するビジネスだ。生活保護制度とは、最低限度の生活ができない人を国が助ける制度であり、最後のセーフティネットと呼ばれるもの。だが、この制度が巨大な利権を生み、富を生み出してきた。
では、この「囲い屋」で暮らす人たちは、最低限の生活を送れているのだろうか。その生活保護受給者の生活を覗き見ることができた。まずはその中の一人、遠藤氏(仮名)の証言から紹介したい。
――毎月いくら位渡されるんですか?
「月に二万円位です」
――そんなに少ないんですか。まるで中学生の小遣いですね。
「寮費に五万位取られて、食費に六万位取られてます」
――食事の内容はいいんですか?
「良くないですよ、オカズは一品ですし」
――部屋は?
「七人部屋で部屋に二段ベッドが置いてあり、そこで寝てます」
――まるでタコ部屋ですね。
遠藤「そうですね、みんな言ってます」
――生活保護を受ける経緯は?
遠藤「シャブで懲役に行って帰る場所が無く、市役所に相談に行ったらここを紹介されました」
その「囲い屋」の寮を覗いて見るとそのひどさがよくわかる。今時フィリピーナでも逃げ出してしまうほど悲惨さである。最寄りの駅から小一時間歩かされて、昼間でも暗い住宅街の一角に建っている一軒家だった。
――この食堂で食事するんですか、十人以上で。
「約二十人ですね」
――年齢層は?
「若いのは二十代から、上は六十代です」
――皆働く気が無いんですか?
「無いですね、小遣い少なくてもこの生活が楽でいいです」
寮費で五万円も取っているのであれば月に百万が家賃として計算が出来る。食費も百二十万である、果たして家賃、食費を引き、どの位の金が流れているのであろうか。
その様な寮は他にもいくつも運営されている。その実態を把握しないで生活保護受給者を引き渡す自治体も自治体である。東京23区ではN区、I区、O区などが生活保護の受給が甘く、そこにわざわざ申請する人間も多いと言う。
生活保護の制度を見直せ、との声が高まっても貧困ビジネスを助長させているのは自治体である。その一端を他の生活保護受給者が語った。生活保護を受給して五年経つ沢田氏(仮名)の証言だ。
――今は何処に住んでいるんですか?
「今は新大久保です」
――そこは寮ですか?
「似たようなものです」
――食事とかは?
「自分のとこは正確には寮と違ってゲストハウスだから食事はついていません」
ゲストハウスとは一般に安価な簡易宿泊施設の総称である。賃貸とは異なり、敷金、礼金、保証人などが不要である。
沢田氏の話しだと、ここを運営しているのは会社組織となっており、都内に何軒もこの様なゲストハウスを運営、いや経営している。
――ここに入るきっかけはやはり自治体の紹介ですか?
「そうです、家を追い出されてホームレスをしていたのですが、冬場寒くてその公園の近くの役所を訪ねて相談したらここを紹介されました」
――その日に?
「そうです、約二時間位待たされて、そこの会社の人間が来て連れてこられました」
――部屋にトイレとか風呂は?
「風呂はありません。トイレは共同です。トイレットペーパーは自分の部屋から持って行かなくてはいけないし」
――就労指導も無いですか?
「無いですね、役所はここに入れとけばいいと思ってるのではないいですかね」
――結構悲惨な環境ですね。自治体はその事実を知っているのですか?
「知らないでしょうね、生活保護を貰って五年経つのですが、今まで一回もここに来たことがないですし」
――普通生活保護受給者でもアパート暮らししている方多いですよね?
「そうですね、自分も担当者にたまに電話して言っているんですけど」
一人暮らしをするには就労意欲、就労場所なども問題になる。東京都を例に取ると一人暮らしの家賃の上限は五万三千七百円と言うのが家賃相当である。それだけの家賃を払えばいくらでも部屋ある。だが、敷金などの諸経費を考えると自治体にとってはかなりの出費ではある。
それが要らないゲストハウス、NPOなどの運営する寮などが自治体にとっては必要になる。現在、不動産屋の前を通ると生活保護も相談に乗ります、との看板まで見かける始末だ。
貧困ビジネスの裾野はどんどん広がっているのが現実であり、その事実を知らないのが役人であり、国政の議員たちである。弱者を食い物にするシステムは今も昔も全く変わってはいない。
Written by 西郷正興
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