相互理解の社会を目指し、LGBTを考えてみよう!
KOIGAKU / 2015年9月15日 15時0分
昨今、性的少数者について、テレビや新聞などの一線級メディアがしきりに取り上げていますよね。
まるでこれまで性的少数者のことを国民の誰もが意識していなかったようなノリで。
僕はこの風潮がどうも苦手です。いや、嫌いと言うべきでしょうか。
というのも、性的少数者だけに限らず、マイノリティというものは常に私たちのすぐ近くに存在してきたものですし、それを勝手にメディアが取り上げるのを自粛してきたに過ぎないわけです。
たとえば小人という表現は、勝手にテレビメディアが放送コードにしてしまい、今では小人の俳優が表立って出演することができない状態です。
その背景にはまあ、ここで書くととほうもない広がりを見せる話題となるので割愛しますが、とかくいまさらになってメディアがマイノリティに理解のある姿勢を見せるなんてのは笑止千万です。
まず「彼らを差別するな」という扱いこそが差別ではないかと思うんですよね。
マイノリティだってマジョリティと変わらず、同じ人間なのですから、ことさらに彼らを擁護する必要はないわけです。
なぜ冒頭からこんな語り口なのかと言えば、僕の周囲には性的少数者、いわゆるLGBTをカミングアウトしている人が少なくないから、こういう話題を、わざわざメディアで喧伝しまくることに違和感を抱くんですよね。
そもそもLGBTとは?
恐らくみなさんもご存知のことと思いますが、LGBTとはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーという性的少数者を意味する単語の、それぞれ頭文字をつなげたものです。
で、このLGBTの割合というのが、この日本では7.6%と言われており、決して少なくはないことが分かります。
いずれの人々も、近年になって登場したわけでもなんでもなく、昔から世界中で生活してきました。
歴史を紐解けば数百年前には男色(男性同士の恋愛)はそう珍しいものでもなかったようなので、もしかすると日本はそもそも、性的少数者にとってはまだ理解の深い国だったのかもしれません。
この風潮が変わったのは、キリスト教が伝播して以降、徐々に……といったところでしょうか。
かのフランシスコ・ザビエルが1549年に日本を訪れた目的。それはイエズス会の宣教師として、日本にキリスト教を伝えるという役目を担ってのことでした。
彼は日本でもっとも驚いたのは、キリスト教では禁忌とされている男色が当時の日本ではさほど珍しくなかったことだったといいます。
実際、1550年11月には周防の守護大名、大内義隆にこのことについて進言し、大内によって追い返されたとの記録も残っています。
大内としては、勝手に日本を訪れ、しかも日本の風俗習慣にも口出しをするザビエルに、言い様のない怒りを感じたのかもしれませんね。
LGBTの考える自由と、私たちの考える自由はズレがあってはならない
前述のように、僕は何度もLGBTの人々と出会っていますので、7.6%というのはまあ妥当な数値ではないかと思うのですが、どうも最近、彼らに対しての目線が、どこか同情的なきらいが強まっているように感じるんですよね。
「LGBTの人々を差別するな」という言葉は、LGBTの人々があげるのが道理なのに、「彼らが声を上げられないのは社会のせいだ」と、LGBTでもなんでもない団体が声高に主張し、Facebookとかでも同じようにマジョリティの賛同者同士が接触して、肝心の当事者がおざなりになっているケース、目にしてきました。
僕の同級生にゲイの男性がいるのですが、彼は以前、頼んでないのにこうした団体から「あなたの人権を守るのが目的なんだから、あなたのブログやTwitterでこの活動を拡散してください」と上から目線で注文を付けられたと吐露したことがあります。
LGBTに関わらず、相互理解が目的なら、重要なのはまず歩み寄りですよね。
それなのに庇護する対象が自分たちに賛同するのは当然とした活動方針は、従属を要求するようなもの。
こうした団体はほんの一部ではありますが、水が合わないLGBTにとっては苦痛以外の何物でもありません。
一方で、レズビアンの知人女性は、全国的にLGBTに対して最低限の理解はしてほしいと話します。
彼女は以前、交際していた女性が事故に遭って入院した際に、面会に訪れた先の病院で「ご家族でない方の面会はできません」と突っぱねられてしまったのだとか。
これは病院側としての対応は、恐らく普通に交際しているカップルが相手であっても同じようなものだったでしょう。
だから病院側は悪くないのです。
ただし、異性同士のカップルはいずれその気になれば結婚できて、家族になることができます。
この場合は面会だって可能になりますよね。
ところが日本ではまだまだLGBTへの「最低限の理解」がないため、万が一こうした事態が起きた時、同じような対処ができない状況です。
現状、東京都渋谷区でのみ同性パートナーシップ条例が可決し、これによって該当する人々に様々な恩恵がもたらされるようになったところですが、全てのLGBTが渋谷区に住んでるわけでもありません。
同じような動きは、もっと継続的に各地で起きてくれないと、意味がありません。
もっと言えば、今のままではLGBTのパートナー同士が、同じお墓に入ることだって、様々な理由から困難なのです。
おわりに
マジョリティ側の考えるLGBTの明るい未来と、当人たちの考える未来が100%合致しているわけはないのです。
マジョリティである私たちだって、政治問題しかり環境問題しかり、もっと言えば些細な考えの違いで、争ったり憎しみあったりしているわけですからね。
そもそも相互理解とは、100%お互いを理解しあうことを目的にしてはならないと考えます。
photo by Caden Crawford
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