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燃費だけじゃない! ボルボ新型セダン「S60」PHEVの走りは大人のスポーティ

くるまのニュース / 2020年5月2日 8時30分

3代目となるボルボの新型セダン「S60」。このDセグメントクラスには、BMW「3シリーズ」やアウディ「A4」、メルセデス・ベンツ「Cクラス」というドイツ3強モデルがあるが、新型S60の走りはライバルと比較してどうか。プラグインハイブリッドの「S60 T6 AWD」に乗った。

■スタイリッシュさと清楚な内装はライバルのドイツ車にはない魅力

 2016年の「XC90」から始まったボルボの快進撃はまだまだ続くようだ。

 SUVの「XCシリーズ」は「XC60」「XC40」と続き、ステーションワゴンの「Vシリーズ」は「V90」「V60」と、すべて新しいプラットフォームによる上質な乗り味のボルボが浸透してきた。ちなみに、数字が大きいほうがボディも大きいことを意味する。

 SUV、ワゴンに続いて登場したのは新型「S60」。ボルボの「Sシリーズ」はセダンを意味する。

 S60はワゴンのV60とサイズも同じだし、V60のセダンバージョンと考えてよい。スカンジナビアンデザインによってボルボらしい清楚な感じと、スタイリッシュな要素が取り入れられている。

 このS60のライバルは、BMW「3シリーズ」、アウディ「A4」、メルセデス・ベンツ「Cクラス」というドイツの3強モデルだろう。サイズ的にはひと回り大きいが、日本車でもトヨタ「クラウン」、日産「スカイライン」あたりも価格の面では競合してくるはずだ。

 XC90から始まった新しいプラットフォームによって、S60も非常にしっかりしたボデイ剛性を感じられるようになり、先代からは数段上のレベルに達している。これはドイツの3強に対しても、勝るとも劣らないところまできていると思う。ハンドリングと乗り心地の良さが際立っている。

 いまは世界中でSUVやクロスオーバーの人気が高いが、セダンも定番商品として定着している。重心の低さからくる安定感の高さ、ハンドリングのしやすさなどは、セダンのアドバンテージといえる。

 ボルボは日本仕様にもいち早くDRL(デイタイム・ランニング・ライト)を採用した。トールハンマーをイメージしたDRLは、ひと目で新世代のボルボだということがわかるものだ。その明るさは周囲のクルマに対して存在感を示し、安全に走るには効果的だ。

 ボルボが3点式シートベルトの特許を公開してから60年が経つ。こうした安全に対する姿勢や考え方に、世界の人々が共感しているのもまた、ボルボの強みだろう。

■ボルボS60の走りは「大人のスポーティ」

 今回試乗したのは「S60 T6 TWIN ENGINE AWD INSCRIPTION(S60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション)」。ツインエンジンというのは、前輪をエンジン/後輪をモーターで駆動するAWDのことだ。

 前輪は2リッターターボエンジンで駆動する。このエンジンに付属して「CISG」と呼ぶ小さな電気モーターがあり、発電機にも駆動用モーターにもなる。これはエンジンの始動にも使われる。

S60 T6ツインエンジンAWDの走りS60 T6ツインエンジンAWDの走り

 後輪は、87ps・240Nmを発生する電気モーターで駆動するPHEV(プラグインハイブリッドEV)。交流200Vのコンセントがあれば家庭で充電でき、バッテリー容量は34Ahで、エンジンをかけずにカタログ値では48.2km走ることが可能になる。

 雪国ではAWDとして使える点ももちろんメリットになるが、充電していれば翌朝出発時の車内の空調を整えておけるところもこのPHEVの大きなメリットだろう。

 リチウムイオンの二次バッテリーは、センターコンソール部分に収められている。AWDといってもプロペラシャフトはないので、そこがバッテリーのスペースになる。

 ボルボの車室内は華美ではないが、どのモデルでもスッキリしたデザインで飽きがこない。広さ的にはライバルと同じだとしても、より広く使える気がする。具体的にいえば、クルマに乗り込んでからコートやジャケットを脱ぐときにも、不思議と身体が動かしやすいのだ。

 このT6が、他のグレードと異なる点のひとつに、ATのセレクターが挙げられる。クリスタルガラス製で他グレードと差別化を図っている。

 インストルメントパネルの左側はスピードメーターで、右側はタコメーターの代わりにハイブリッド用のメーターが付く。

 アクセルペダルを踏んでいくと、9時の位置から時計回りに針が回っていき、アクセルペダルを戻したときやブレーキペダルを踏んだときには、9時の位置から反時計回りでエネルギー回生の様子をチェックすることができる。

 面白いのは、EV走行できるアクセルペダルの踏み込み量がわかることだ。ハイブリッドメーター上に青いバーが伸びていて、その範囲のアクセル開度ならばエンジンは始動せずにEV走行できる。このバーの長さは二次バッテリーの容量に応じて変化する。どのように走らせるかをドライバーが選択できるようになっているのだ。

 S60 T6はPHEVだが、いったいどれくらいの燃費で走れるのかは気になるところだろう。じつはV60 T6を2週間ほど借りて乗ったことがある。

 筆者の自宅には200VのEV用コンセントがあるので、可能な限り夜間はプラグインで充電していた。その方法で市街地だけを走行していると、25km/Lから30km/Lくらいで走った。二次バッテリーで走っているから、あまりガソリンを使わないためだ。

 V60 T6で東京から京都まで往復もしてみた。このときには途中で充電しないので、PHEVというよりは単なるHVという使い方になってくるが、ここでの燃費はだいたい14.5km/Lから15km/Lの間くらいだった。これは車格を考えると決して悪くない燃費だと思う。

※ ※ ※

 S60の走りは基本的に「スポーティなセダン」という位置付けができる。しかしそれは、日本的なスポーティさではなく、大人の味付けでいうスポーティだ。

 つまりハンドル角が小さくてもカクッと曲がったり、アクセルペダルの開度が小さくてもビュンと飛び出すような加速ではなく、ドライバーの意思に忠実に動いてくれるから、大人の味付けなのだ。

T6にはスウェーデンのブランド「オレフェス」のクリスタルガラス製シフトレバーが採用されるT6にはスウェーデンのブランド「オレフェス」のクリスタルガラス製シフトレバーが採用される

VOLVO S60 T6 TWINENGINE AWD Inscription
・車両本体価格(消費税込):779万円
・試乗車オプション込価格(消費税込):829万2000円
・全長:4760mm
・全幅:1850mm
・全高:1435mm
・ホイールベース:2870mm
・車両重量:2010kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ&スーパーチャージャー+電気モーター
・排気量:1968c
・駆動方式:4WD
・変速機:8速AT
・最高出力:253馬力/5500rpm
・最大トルク:350Nm/1700-5000rpm
・モーター最高出力:34kW(前)/65kW(後)
・モーター最大トルク:160Nm(前)/240Nm(後)
・公称燃費(WLTC):13.7km/L
・サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン/インテグラム
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤ:235/45R18

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