エアコンを付けても!? 涼しい車内でも熱中症や脱水症状に注意が必要な訳とは
くるまのニュース / 2020年6月3日 10時10分
エアコンの効いた車内でも、熱中症や脱水症状を起こすリスクが考えられます。涼しい車内で起こる熱中症の原因や、対策方法を紹介します。
■エアコンを付けていても要注意!夏場の車内は熱中症の危険性大
気象庁は、2020年の夏は例年よりも暑くなると予想。そのため、熱中症のリスクも非常に高くなるでしょう。
こうした状況では、屋外での熱中症対策に目が向けられる一方で、エアコンが効いた車内なら大丈夫だと過信してしまう人も多いようです。
しかし、エアコンの効いた涼しい車内でも、熱中症や脱水症状を引き起こすリスクは大いにあります。
まず、運転席はサイドガラスだけでなくフロントガラスからも日光を浴び、身体に熱がこもりやすい状態です。こうした輻射熱下では、ドライバーの想像をはるかに越える水分消費がおこなわれています。
さらに、エアコンを稼働すると空気が乾燥するため、脱水症状を引き起こすリスクが高まります。
知らぬ間に脱水症状に陥っている状態を「隠れ脱水」と呼びますが、運転に集中しているとこまめな給水を忘れてしまう可能性も高いため、注意が必要です。
もちろん、運転席以外でも注意が必要です。座席の場所に関わらず、エアコンを稼働させた状態でも窓ガラス越しに強い日差しが入るうえに、車種によっては後席にエアコンの風が届きづらいため、温度が下がりにくい場合もあります。
また、後部座席に座るのは子どもや高齢者が多いことも考えられるため、一層の注意が必要です。
とくに、乳幼児の場合は、顔に汗をかいていなくてもシートに密着している背中部分がびっしょり濡れていることがあります。保護者は、小まめに水分を与えるよう心がけてください。
車内の熱中症問題について、JAFの担当者は次のように話します。
――車内でエアコンをかけていても、熱中症を起こすリスクはありますか。
エアコンを稼働した状態での熱中症リスクについて、実験をおこなったことがないため、はっきりとしたことは分かりません。
ただ、炎天下のなかでしばらくの間クルマを駐車していると、車内の温度が上昇するためエンジンをかけてもすぐには冷えません。
そのため、ドライバーからは「車内が暑くて集中力が下がる」といった声は寄せられています。
――車内の熱中症対策について、教えて下さい。
炎天下のなか、クルマをしばらく放置したことにより車内の温度が上昇している場合は、窓を全開にしてエアコン付け、を外気導入してください。
この方法により、短時間で温度を大きく下げられることが分かっています。いち早く車内の温度を下げることで、熱中症対策に繋がるのではないでしょうか。
■夏に向けて!いまからチェックしておきたい車内の熱中症対策
では、車内で熱中症を引き起こさないためには、どういった対策を取るべきなのでしょうか。
なによりも大切なことは、水分補給です。ドライバーは、最低でも1時間から2時間おきに休憩を取り、100mlから200mlほどの水分摂取を心がけましょう。
ここで摂る水分は、利尿作用のある緑茶やコーヒーではなく、水や麦茶などノンカフェイン飲料を摂るように意識することも大切です。
駐車中のクルマのフロントガラスにサンシェードを使用するイメージ
休憩時は乾燥しきった車内の空気を入れ替えてください。
高齢者や乳幼児がいる場合のドライブでは、座席の位置を意識しましょう。なるべく、直射日光の当たりづらい席を選ぶことが大切です。
また、後席には透明な遮熱カーフィルムや日除けなどを導入することで、輻射熱から守ることもできます。
そして、1時間に1回程度を目安に、50mlから100mlの水分補給を意識しましょう。
では、遮熱カーフィルムのほかに、熱中症対策として活用できるカー用品には、いったいどんなものがあげられるのでしょうか。
株式会社オートバックスセブンの担当者は、以下のように話します。
「車内の熱中症対策は、水分と塩分の補給が基本となるため、カー用品でなにか効果的な対策を取ることは非常に難しいでしょう。
ただ、暑さ対策といった観点でみると、駐車中はフロントガラスにサンシェードを装着することをおすすめします。
夏場の駐車場に停めているクルマの車内温度を、少しでも下げる効果を発揮します。
2018年頃に起きた記録的な猛暑では、このサンシェードが驚くほど売れました。
後部座席に、カーテンや吸盤式の日除けを取り付けるのもいいでしょう。日差しをしっかりと遮ってくれます。
そして、運転席に取り付けるタイプの送風クッションも有効です。
扇風機もおススメで、ミニバンなどの大きなクルマはエアコンの効きも悪くなり、車内全体に涼しい風が行き渡りません。
また、後部座席にエアコンがついてない車種になると、さらに熱中症のリスクは高まります。
そこで、シガーソケットから電源を取れるタイプの扇風機を使用し、車内全体にエアコンの空気を循環させることが大切です」
※ ※ ※
気象庁が2017年に公表した「ヒートアイランド監視報告2017」によれば、100年前に比べて東京の年間平均気温は3.2度上昇しているとのことで、夏場の熱中症対策は「常識」といえる時代です。
そのため、車内の熱中症対策にも気を配ることが大切で、エアコンが効いた涼しい環境でも、油断できません。
夏のドライブは、小まめな水分補給と塩分摂取を意識し、くれぐれも脱水症状などを引き起こさないように心がけましょう。
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