新ロゴで新生日産のスタート切る! ゴーン時代のハンバーガーマーク19年間で終焉へ
くるまのニュース / 2020年6月9日 9時10分
日産は2020年7月に電気自動車の新型「アリア」を発表することを明らかにしています。そこで、密かに注目されているのが、フロントグリルに装着される日産のエンブレムが一新されているということです。19年間使われた現在のエンブレムからなぜ変更されるのでしょうか。
■日産は新型アリアからエンブレムが一新される!?
2020年7月にデビューすることが突如発表された日産の新型電気自動車「ARIYA(アリア)」について調べていたら、ショーモデル用かと思われていた今までと違う日産エンブレムを市販車でも使うようです。
どうやら日産は、新型アリア以後に発表するモデルのエンブレムを、すべて新しい世代に変えるようです。なぜ、日産はエンブレムを変更するのでしょうか。
日産は、2001年にデビューした「シーマ」までフロントグリル内にエンブレムを付けていませんでした。
車種専用のエンブレムや「シルビア(S13型)」のように車名エンブレムなどを付けるモデルはあったけれど、基本的にスッキリとしたフロントフェイスでした。
改めて当時の日産車を見ると、エンブレムに頼ったデザインじゃないためか個性的です。
「共通のエンブレムを作ってイメージを統一しろ」と命じたのは、1999年に日産のCOOになったカルロス・ゴーン氏です。
ヨーロッパ的に考えると、フロントグリルにエンブレムが無くちゃブランドのイメージが作れないのでしょうか。
現在のエンブレムは、日産の新しいイメージ戦略を引き受けたチーフデザイナーの中村史郎氏率いるチームによって作られたということです。
日産の新しい体制はエンブレムまで変えたくなったのでしょう。折しも2017年に中村史郎氏が引退し、チーフデザイナーは日産生え抜きのアルフォンソ氏になり、すべて一新しようということになったことが考えられます。
加えて現在のエンブレム、もうひとつの問題点を抱えています。それは、現在の日産エンブレムの場所が、衝突被害軽減ブレーキ用のレーダーを装着するのに好適なのです。
エンブレムより高い位置に設置出来る場所はなく、下側も雨などを考えると良い条件といえません。
そのため、現在のエンブレムの位置ならすべて上手くいくので、多くの車種で「エンブレム=レーダー」になってます。
■トヨタ新型「ハリアー」は鷹マークからトヨタマークへ
例えば、鷹のマークからトヨタエンブレムに変わった新型「ハリアー」を元の鷹のマークに交換しようとしても、トヨタのエンブレムの後ろ側にレーダーがあるので不可能。
また、レーダー波を精度と感度よく発信&受信しようとしたら、出来るだけ平面が好ましいです。
デコボコしているとさまざまな問題が出てきます。例えばトヨタのエンブレムを見ると、デコボコして見えるけれど平面になっています。
現在のエンブレムロゴ(上)と新エンブレムロゴ(下)
そんななか、日産のエンブレムは極めて立体的なデザインを持っており、これは中村史郎氏が強く拘ったことと、当時のクルマにはレーダーはありませんでした。
アルフォンソ氏によって決められたのが、新型アリアに付いている新しいエンブレムということになります。
特徴は平面的だという点でしょう。このデザインであればフラットな形状にしたってまったく違和感は無いです。
極端なことをいえば、奥行きのないステッカーだって成立します。ハンドルに付けるエンブレムなども安全性を考えたら薄いほうが良いでしょう。
新しいエンブレムは、平面になったと同時に雰囲気も大きく変わりました。現在のデザインは、押し出しを重視した20世紀風ど真ん中でしたが、新世代は少し控えめです。
いっそゴーン体制前のように、フロントのエンブレム無しで成立する個性的なデザインに戻してもよかった気がします。エンブレム無しのデザイン、なかなか難しいです。
日産のエンブレムが新しくなったということは、インフィニティはどうなるのでしょうか。
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