昔はデートカー!? 日産「シルビア」はなぜ男心を掴んで離さないのか
くるまのニュース / 2020年6月28日 7時30分
過去から現在までに販売されたクルマのなかには、憧れや懐かしさから世界中にファンの多いクルマがたくさんあります。しかし、発売された当時から現在まで実際に使われ続け、今もなおファンが増え続けているのが日産「シルビア」です。なぜシルビアは男心を掴んで離さないのでしょうか。
■世界中の男心を引きつけるシルビアの魅力
かつて、1980年代から1990年代に登場した国産スポーツカーには、現在でも多くのファンから愛されている名車がいくつも存在します。しかし、元々スポーツカーとして登場したわけではないにも関わらず、現在でも世界中のモータースポーツで活躍するのが日産の「シルビア」です。なぜ、シルビアは今でも人気があるのでしょうか。
1965年に登場した初代シルビアは、クーペならではの美しいデザインや独特の雰囲気を持っていたことからスペシャリティーカーと呼ばれ、1988年に登場した5代目シルビア(S13)は同時期に登場したホンダ「プレリュード」とともにデートカーの定番車となり、若者から絶大な人気を誇った結果、歴代でもっとも多く販売されたモデルとなりました。
その後、1993年に6代目「シルビア(S14型)」、1999年に登場した7代目「シルビア(S15型)」は、それまでの歴史モデルでもレース参戦はしていたものの、さらにスポーツ&スポーティな仕様に路線変更をおこない販売されましたが、2002年に「排出ガス規制」の影響などにより、シルビアの歴史に幕を閉じたのです。
最終型のS15型は約18年前のクルマとなるものの、いまでも中古車市場では高値が付いているといいます。
S13型以降のシルビアについて、専門ショップのスタッフは次のように話します。
「当時の若者に支持された背景には、まず手に入れやすい価格帯だったこと、そしてFR&ターボというクルマ好きにマッチしたパッケージだったことが挙げられます。
S13型が登場した時代は、『クルマを持っていればモテる』という風潮があったほか、埠頭や峠を走る若者が多かった時代でもあり、手軽に買えて、女性ウケが良く速いクルマという理想だったのです。
その後、デートカーというトレンドは廃れましたが、クルマ好きからはS14型以降も継続されたFRとターボという組み合わせが支持され続けます。
さらに、モデルチェンジするごとに中古車が出回るようになり、ドレスアップ、カスタマイズ、チューニングといったさまざまなアフターパーツが出てきたことで、街乗りはもちろんタイムアタックやドリフトなどで人気を博しました」
とくに、ドリフト競技では、1990年代から現在に至るまでシルビアをベースにした改造車が出回っています。
日本で人気に火が付いたドリフトは、アメリカ、欧州、アジア、アフリカなどさまざまな国や地域で競技として確立。参加する車両の半数以上がシルビア(S13型/S14型/S15型)となっているほどです。
実際に海外でドリフトイベントに参戦するドライバーは、次のように話します。
「シルビアやマークII、チェイサーなどの日本車は、タイをはじめアジアの各国で人気です。ここ10年ほどは日本から車体やエンジン、ミッションといったものが、タイなどに流れていることもあり、独自のカスタムスタイルが出来上がっています。なかでも、シルビア系は比較的にお金をかけずにドリフトが出来るので若者に人気です」
※ ※ ※
かつて日本中の若者を虜にしたシルビア(S13型)、その後もクルマ好きから支持されてきた結果、現在では世界中の若者の心を離さないようです。
■シルビアの中古車相場はどうなっている?
現在も人気の高いシルビア(S13型/S14型/S15型)ですが、中古車市場はどうなっているのでしょうか。
年々状態の良い車両が減ってきているシルビア
シルビアをはじめとする国産スポーツカーを専門に扱う中古車販売店のスタッフは次のように話します。
「シルビアは、S13型で27年、S14型で21年、S15型で18年も経過しているクルマのため、程度が良く改造されていないものであれば200万円ほどで取引されています。
普通のクルマであれば、これだけ年数が経っていると50万円以下が目立ってきますが、シルビアは程度が悪かったり修復歴があっても海外で買い手が付くので、相場は高い状態が続いています。
また、純正パーツなどの補修部品も廃盤になってきており、残っていた在庫も海外に流れるなどで、今後は車両本体と部品ともに入手が厳しくなっていくかもしれません」
※ ※ ※
現在でも、次期型シルビアの登場を待ち望む声は多くあり、「GT-R」や「フェアレディZ」よりも手軽に買えるであろうと期待するクルマ好きの心は、今後もシルビアから離れないのでしょう。
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