復活から1年 まだ街で見かけないトヨタ「スープラ」の販売は順調? それとも不調?

くるまのニュース / 2020年7月10日 19時10分

2019年5月、およそ17年ぶりに復活したトヨタ「スープラ」。トヨタのスポーツカー専用ブランド「GR」初のモデルで「GRスープラ」という商品名で販売されている。登場から1年が経ったが、まだ街で走っている姿を見ることも少ない。1年が過ぎた今、GRスープラの誕生から現在までの足跡を振り返ってみたい。

■伝統の直列6気筒搭載の「RZ」が人気グレード

 GRスープラの日本での発売は、2019年5月17日だった。しかし、じつのところ、その発表を受けてからトヨタの販売店に駆け込んで、狙いのGRスープラをすぐに手に入れることのできた人は、相当に少なかったはずだ。

 なぜなら、発売の2か月も前である2019年3月に、トヨタから「GRスープラの注文予約が好調」とのリリースが発表されている。それによると「3月上旬より全国のトヨタ車両販売店で注文予約を開始しておりますが、想定をはるかに上回る予約をいただいており、とくにRZグレード(上級グレード)につきましては、半数を超える販売店で、初年度分に予定していた注文予約台数に達するほど、ご好評を頂いております」とあった。

 つまり、人気グレードは発売開始の2019年5月段階で、すでに初年度分が売り切れとなっていたのだ。

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 GRスープラは3グレードが用意されている。

 人気の最上級グレードとなるRZは、発売当初の2019年モデルは最高出力340psの3リッター直列6気筒ターボエンジンを搭載した。

 残り2グレードは2リッター直列4気筒ターボで、エントリーグレードのSZは197ps、ミドルグレードのSZ-Rは258psとチューニングが異なる。

 鼻先の軽い2リッターエンジン車はハンドリングの軽快さがある。しかし古くからのスープラの伝統といえば、直列6気筒エンジンにある。

 そして最新のGRスープラでも、6気筒エンジンならではのスムーズさと豪快なパワー感は大きな魅力となる。実際に試乗したときも「どうせ同じクルマであれば、6気筒エンジンが欲しい」と感じたものだ。

 となれば、6気筒エンジンを搭載するRZグレードに人気が集中するのも当然のことだろう。

 そんな日本発売の1か月後となる2019年6月、ドイツで開催されたニュルブルクリンク24時間耐久レースに、トヨタはGRスープラを駆って参戦。クラス3位、総合41位で無事に完走を果たす。

 本番前の走行では、最長で4時間の走行しか経験していない状態での24時間の完走は立派だろう。しかし、トヨタは満足してないようであり、結果を伝えるトヨタのリリースには「新たな悔しさを糧にさらなる挑戦を誓う」との言葉が躍る。そして今後も継続的なGRスープラのレース参戦が予告されていたのだ。

 その翌月となる2019年7月には、GRスープラGT4の発売が発表された。GRスープラをベースとした本格的なレーシングカーを2020年から発売するというのだ。発売は2020年3月の欧州を皮切りに、8月に北米、10月に日本・アジアと順次発売地域を拡大するという。

 そうしたレースシーンの話題を提供しつつ、トヨタは日本でも北米でも2019年6月ごろからGRスープラのデリバリーを開始。最初は数台だったものの、すぐに数十台、数百台へと数を増やしていった。噂では、注文の多さに生産が追い付いていないようで、生産枠を北米と日本、欧州で奪い合う状況になっていたという。

 そして年があけた2020年2月、北米仕様の3リッターエンジンの改良を発表。従来型の335psから約14%アップとなる382psを達成。ボディ強化とサスペンションのセッティングも改良されているという。

 また、2020年4月には日本仕様の改良も発表。同じく3リッターエンジンの出力が387psに高められ、同時に、100台限定の特別仕様車RZ“Horizon blue edition”も発売された。

■ポルシェ「911カレラ」に比べると少ない販売台数だが

 発売から1年が経ち、トヨタにGRスープラの販売実績を問い合わせたところ、次の数字が返ってきた。

 2019年5月から2020年4月での、グローバルでの販売数は約9500台。その内訳は、日本国内で約2900台、日本を除く世界市場で約6600台となる。

トヨタ「スープラ」の走り。後輪駆動の2シーターモデルとなるトヨタ「スープラ」の走り。後輪駆動の2シーターモデルとなる

 年間約3万台以上を販売するポルシェ911カレラなどと比べれば、年間1万台弱というのはもの足りない数字のように見える。

 しかし一方で、GRスープラはいまも予約でいっぱいという噂も耳にする。つまり、需要と供給の関係でいえば、GRスープラはまだ供給となる生産が追い付いていない状況なのだ。

 ちなみにGRスープラは、オーストリアにある「マグナ・シュタイア社」のグラーツ工場で生産され、日本に運ばれてくる「輸入車」になる。プラットフォームはトヨタとBMWの共同開発になり、BMWの2シーターオープンモデル「Z4」とは兄弟車という関係になる。エンジンはBMW製だ。

 2020年7月現在もなお、注文してから工場出荷までおよそ6か月。そこから全国の販売店に輸送、そして納車準備という流れがあるため、納車まではさらに時間がかかる。

 発売から1年を過ぎても、いまだにGRスープラに対する市場の注目が高いという証拠だ。

 こうした状況は、トヨタの努力の結果だろう。発売して、それで終わりではなく、レース参戦やGT4バージョンの発表。さらには発売1年を待たずのエンジンの改良。こうしたトヨタのアクションが功を奏したということだ。

 幸先良い発売から1年を過ごしたGRスープラだが、こうした動きが継続的にあれば、その人気も高く保つことができるはず。まだまだGRスープラの光輝く時期は続くのではないだろうか。

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