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スポーツカー顔負けの高性能! ハイパワーが自慢だったスポーツワゴン5選

くるまのニュース / 2020年7月24日 6時10分

1990年代にはセダン以上の使い勝手の良さもあって人気を博したステーションワゴン。一時はさまざまな車種にワゴンモデルが追加されるなど、ブームを巻き起こしていました。今回は、ハイパワー自慢のスポーツワゴンを5台紹介します。

■スポーツカー並みの性能で人気になったワゴンたち

 1980年代までは、クルマといえばセダンが主流でした。SUVやワゴンの原型であるクロカンやライトバンといったモデルもありましたが、あくまで特殊なクルマ、または働くクルマとして認識されていました。

 しかし、ある1台のクルマが、それまで商用車のイメージしかなかったワゴンを、一躍カッコイイと思わせることに成功します。それが1989年にデビューしたスバル「レガシィ ツーリングワゴン」です。

 この大ヒットを受け、メーカー各社はこぞってステーションワゴンを発表します。しかも時代はハイパワー競争の真っ只中。そうなるとライバルたちとの差別化を図るべく、よりパワーのあるエンジンを搭載する「スポーツワゴン」路線がブームとなりました。

 今回はそんなスポーツワゴンを5台ピックアップして紹介します。

●スバル「レガシィ ツーリングワゴン」

 バブル真っ只中の1989年に登場するやいなや、瞬く間に大ヒットモデルとなり、のちのカーラインナップに多大な影響を与えたとまでいわれるのが、スバル「レガシィ ツーリングワゴン」です。

 スバル(当時は富士重工業)は、経営難で倒産まで囁かれたほどでしたが、ピンチを乗り切るべく、新たなプラットフォームに、スバル伝統の水平対向エンジンと、「レオーネ」に採用していた4WD機構を搭載。スタイリッシュなデザインのボディでレガシィ ツーリングワゴンが登場しました。

 それまでライトバンのイメージが強かったステーションワゴンを、アウトドアブームを追い風にして、一気に趣味性と実益を兼ねた人気ジャンルへと押し上げたパイオニアといえるモデルです。

 当時としては画期的な「ハイパワーターボエンジン+4WD」という組み合わせを実現させたことで、世間のステーションワゴンに対するイメージが一新されます。

 レガシィツーリングワゴン(GT)は、全長4600mm×全幅1690mm×全高1500mmという扱いやすいサイズに、200馬力を発揮する2リッター水平対向ターボエンジンを搭載。1.8リッターの自然吸気エンジンもラインナップしていました。

 その後、1993年に2代目へとフルモデルチェンジ、1998年登場の3代目までは、走りを意識したスポーツグレードを展開することで、スポーツワゴンの第一人者のポジションを維持し続けます。

 しかし時代のニーズがワゴンからミニバンやSUVに移り変わったことを受けて、スポーツ路線は弟分である「インプレッサ」などに譲り、4代目以降は上質なステーションワゴンという路線へとシフトチェンジしました。

 レガシィ ツーリングワゴンは5代目を最後に終了となり、後継モデルとして「レヴォーグ」が登場しています。

●三菱「レグナム」

 1990年代に起こったステーションワゴンブームでは、前出のレガシィ ツーリングワゴンの成功を受けて、ほかのメーカーもさまざまな個性的なワゴンを投入しました。

 三菱は、新しいプレステージ・スポーツワゴンを1996年に誕生させました。それが「レグナム」です。

 ハイパワーなターボエンジンを搭載していた8代目「ギャラン」のワゴン版であるレグナムは、当時WRCでも競っていたスバルに対してのライバル心で誕生したといっても過言ではないでしょう。

 フロントフェイスは8代目ギャランそのままで、ガンダムチックな逆スラントしたワル顔。全長4710mm×全幅1740mm×全高1450mmという低くワイドなサイズのボディに、1.8リッター直列4気筒、2リッターV型6気筒、2.5リッターV型6気筒、2.5リッターV型6気筒ツインターボと、4種類ものエンジンを搭載する幅広いバリエーション展開でした。

 なかでも話題になったのは、市販車として世界初となった1.8リッターのGDI(ガソリン直噴)エンジンと、「ギャランVR-4」にも搭載された2.5リッターV型6気筒ツインターボで、当時の自主規制枠いっぱいの280馬力ものハイパワーエンジンを搭載します。

 さらに、前後マルチリンク式サスペンションを搭載するとともに、最強グレードの「VR-4」にはランエボにも搭載されたAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)も採用。

 これはハンドル角や速度、ブレーキ、旋回Gなどの情報をもとに後輪の左右の駆動力をコントロールし、旋回性能を高める画期的なシステムです。

 さらにスポーティな「VR-4 TYPE-S」にはアクティブ・スタビリティー・コントロールシステムとトラクション・コントロールシステムまでも搭載し、スポーツカー以上のハイスペックを誇りました。

 1998年にはデザインを大幅に刷新。2000年にはGDIエンジンを2リッターに排気量アップなどを図りますが、ワゴンブームの終焉などにより人気が低迷し、2002年には「ランサーセディアワゴン」に統合され、姿を消してしまいました。

■ハイパワーに負けない足回りを持つスポーツワゴンも

●日産「ステージア」

 日産は、ステーションワゴン専用車種として「ステージア」を1996年に発売しました。実質的には「セドリックワゴン/グロリアワゴン」や「スカイラインワゴン」の後継モデルという位置付けでした。

 当時はすでにスポーツワゴン全盛期とあって、ステージアも235馬力を発揮する2.5リッター直列6気筒ターボエンジンを搭載した「RS FOUR(V)」をラインナップして、ハイパワースポーツワゴン界に参入します。

スカイラインGT-Rのエンジンを搭載した日産「ステージア オーテックバージョン260RS」スカイラインGT-Rのエンジンを搭載した日産「ステージア オーテックバージョン260RS」

 ステージアは、全長4800mm×全幅1755mm×全高1495mmという長さが特徴的でした。このボディに2リッターおよび2.5リッターの自然吸気エンジンと、前述の2.5リッターターボエンジンという3種類のエンジンを搭載。さらにFFベースが多かったライバルたちとは違い、FRベースというのもステージアの特徴でした。

 そして1997年には、特別仕様の限定車として、「スカイラインGT-R(R33型)」譲りの名機「RB26DETT」を搭載した「オーテックバージョン260RS」というモンスターワゴンが登場します。

 2.6リッター直列6気筒ターボエンジンとドライブトレーン(4WD)は280馬力ものハイパワーを発揮するとともに、エアロパーツを装備したスポーツワゴンとして注目を集めました。

 その後、1998年にはマイナーチェンジに合わせて前後デザインも変更されました。リアが長いという批判的な意見もありましたが、商業的には成功作といえます。

 そして2001年、「スカイライン(V35型)」をベースとした2代目(国内専用)へとフルモデルチェンジ。全長4765mm×全幅1760mm×全高1510mm(250t RS FOUR V)とサイズこそ初代とあまり変わりませんが、不評だったリア部分を短縮し、逆にホイールベースを2850mmと130mm延長して、見た目にもバランスが良くなりましたが、ステージアらしい個性が薄れてしまった感は否めませんでした。

 また時代のニーズはワゴンからミニバンへ移行しつつあり、大きな注目を集めることもなく2007年に生産が終了しました。

●トヨタ「カルディナ」

 トヨタが、乗用・商用の併用だった「カリーナサーフ」の後継モデルとして、1992年に登場させたのが「カルディナ」です。ちなみにベースは10代目「コロナ」です。

 全長4545mm×全幅1695mm×全高1470mm(TZ)のボディサイズは、ほぼレガシィ ツーリングワゴンと同じですが、4WDだけでなく市街地で扱いやすいFFモデルも最初からラインナップすることで差別化を図ります。

 さらに大開口ガラスルーフを採用した「スカイキャノピー仕様」も用意され、より乗用車っぽい乗り味を目指していました。

 デビュー当時は、1.8リッターおよび2リッターガソリンエンジンと、2リッターディーゼルエンジンを搭載していたこともあり、スポーツワゴンというより扱いやすいミドルクラスワゴンとして認知されていました。

 カルディナがスポーツ路線に乗り出すのは、マイナーチェンジ前の1995年に175馬力を発揮する2リッタースポーツツインカムエンジンを搭載したグレード「TZ-G」を投入したあたりからになります。

 1997年に2代目へとフルモデルチェンジを果たしたカルディナは、一気にスポーツ路線を強化します。

 ディーゼルエンジンが2.2リッターに変更になっただけでなく、新たに「GT-T」なるスポーツグレードを追加。

 さらに進化して190馬力までパワーアップしたスポーツツインカムと、これにターボを装着し260馬力まで大幅にパワーを引き上げた2種類のエンジンを搭載しました。

 ちなみに「GT-T」はワイドフェンダーを装着し、全長4520mm×全幅1720mm×全高1495mmの3ナンバーボディとなっています。

 そして2002年、3代目へフルモデルチェンジ。全長4510mm×全幅1740mm×全高1445mm(GT-FOUR)と全車完全な3ナンバーモデルへと生まれ変わりました。

 エンジンも、1.8リッターおよび2リッターの自然吸気エンジンは一新され、スポーツグレードは「セリカ」譲りの「GT-FOUR」へと名称変更されます。これで260馬力ものハイパワー&4WDという、スポーツワゴンらしさをより前面に押し出したラインナップになりました。

 実際にドイツのニュルブルクリンクサーキットでは、当時の「スープラ」より速いラップタイムを記録するなど優れた走行性能を誇っていましたが、ワゴンブームの終焉とともに、2007年に生産が終了してしまいました。

●三菱「ランサーエボリューションワゴン」

 スポーツワゴンブームに乗じて、禁じ手ともいえる手法でモンスターマシンが登場したことがあります。それが、2005年に登場した「ランサーエボリューションワゴン」です。

 その名の通り、WRC(世界ラリー選手権)で活躍するために誕生した、第3世代の「ランサーエボリューションIX」をベースに誕生。

 ランエボIXのシャシをベースに、「ランサーワゴン」の上半分のボディを溶接するという、かなり強引な手法でスポーツワゴン界に殴り込みをかけました。

 全長4445mm×全幅1770mm×全高1450mmのサイズに、ランエボIXと同じMIVEC(可変バルブタイミング機構)4G63型エンジンを搭載。しかも6速MTだけでなく5速AT(最高出力は272馬力)も選べる仕様となっていました。

 通常、ワゴンボディはセダンより剛性面で劣るといわれていますが、ランサーワゴンのボディを移植する際に、重点的なスポット溶接を施してランエボの名に恥じない剛性を確保。

 重量は増加しましたが、もともとフロントヘビーといわれていたランエボだけに、重量バランスが改善されるという副産物もあり、このランサーエボリューションワゴンはスーパー耐久レースに参戦したこともあります。

 なによりランエボIXそのままの中身に、530リッターという広い荷室や6:4分割可倒式リアシート実用性をプラス。さらに生産台数は、エボワゴン全体でもわずか2847台という希少性なモデルでした。

※ ※ ※

 スポーツワゴンにも各メーカーの特色が出ています。今回紹介した5台は、中古車市場ではどれを選んでも比較的安めで推移しており、価格以上の満足感が得られそうです。

 昨今はSUVが人気ですが、重心の低さから高速などでも運転がしやすいステーションワゴンの人気が再熱する日がくるかもしれません。

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