ネットオークションでクルマを落札! トラブル経験者が語るリスク回避術
くるまのニュース / 2020年8月5日 11時10分
ネットオークションでクルマが売買されることが増えましたが、落札者・出品者ともに、トラブルに見舞われることがあるといいます。落札者と出品者の双方におけるトラブルの実例や、対処法を聞いてみました。
■落札者が語る、ネットオークションでのトラブル実例
インターネットの普及により、近年クルマの売買の手段として「ネットオークション」が台頭してきています。
基本的に、個人売買のため中間マージンがなく、買う人にとっては相場より安く買え、売る人にとっては相場より高く売れることが多いのですが、そのぶんトラブルの可能性もあり、リスクは自分が背負わなければなりません。
もちろんひどいトラブルの場合は、ネットオークションの事業者や消費者センターが仲介してくれ、状況によっては弁護士を立てて法廷で解決することになりますが、そこまでするほどではない些細なトラブルも少なくないことから、ネットオークションの利用を敬遠している人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ネットオークションを利用してクルマを落札し、実際にトラブルにあったことのあるユーザーに、そのトラブル内容と注意すべき点を聞いてみました。
国産スポーツセダンを落札したAさんは、次のように話します。
「欲しかったスポーツセダンが出品されていたので、質問コーナーから出品者にコンタクトをとって現車を見に行きました。
ハイパワーなエンジンを搭載した最上級グレードでしかも珍しいMT車。掃除はしていなくてホコリが多少積もっていましたが、パッと見たところ、外観も内装も問題ありませんでした。
ボンネットのなかをチェックしても、自己責任で試乗させてもらってもエンジンは絶好調。しかも相場100万円ぐらいのところ60万円だったので即落札しました」
数日後に受け渡しを済ませて自分のものになったので、綺麗にしようと洗車をしたところ、ルーフやトランクの積もったホコリの下には細かい凹みがたくさんあったそうです。
「ディーラーの人に聞いたら、ひょうやあられで出来たヘコミではないかとのことでした。事故歴やエンジンの調子ばっかり気にして、外装のチェックをおろそかにした自分が悪いのですが、ちょっと残念な気持ちになりました。
汚れているクルマは何かが隠されている可能性があるので、その理由を自分の目でチェックすることが必要だと思います」
同様に、隠された難点に気付かなかったMさんは、以下のように注意喚起します。
「気に入ったクルマがあったので、現車を見せてもらいました。指定された集合場所はガソリンスタンドの洗車コーナー。ちょっと古い輸入車だったのですが、わざわざ綺麗に洗っておいてくれたんです。よく故障するとわれているパワーウインドウも問題ないですよと窓を全開にしてくれて、そのまま試乗しました」
Mさんは、試乗中に少しガソリン臭いとは思ったそうですが、ずっとガソリンスタンドに置いてあったためかと思ってさほど気に留めず、即決で落札したそうです。
自分のものになって数日乗り回してみたものの、ガソリンの匂いが取れず、結局は専門店に持ち込む羽目になったといいます。
「燃料ポンプが壊れていてフィルターとセットで交換することになりました。ガソリン臭いことを分かっていて、集合場所をガソリンスタンドにしたのでしょう。
いまのネットオークションは、ブローカーみたいな人がかなり多くて、なかには誤魔化しのテクニックを使ってくる人もいるようです。
失敗しないために、クルマのチェックは視覚だけでなく、嗅覚や聴覚もフルに活用することをおすすめします」
逆にトラブルを回避できたTさんは、下調べこそ重要だと話します。
「とある軽自動車の現車を見に行ったら、その車種固有のトラブルである『極端にハンドルが片側に取られる』という症状が出ていました。出品者にその旨を伝えたところ、『そんな症状ないですよ。自分は全然気になりません』というのです。
出品者はブローカーみたいな人で、誤魔化そうとしているのがわかりました。これで完全に信用できなくなって、落札はしませんでした。
その弱点を知らなかったら、ハンドルが取られるのも気のせいかなって落札していたかもしれません。そうしたらかなりの出費になっていたのではないかと思います」
■出品者が遭遇することが多いトラブルとは?
落札者から寄せられるトラブル話も多いですが、一方で出品者側のトラブルも少なくないといいます。数多くのクルマを出品した経験を持つ、いわゆるブローカーのKさんは次のように話します。
現車確認や質問などおこない、納得してから購入するとトラブルが少ない
「とにかく多いのが名義変更のトラブルです。いつまで経っても落札者が名義変更してくれず、こちらの名義のままになっていることがあります。
なかにはそのまま事故を起こす人もいて、責任の所在で大モメになったこともありました。
対策としては、名義変更するまで数万円を預かるというのがあるのですが、実際のところ焼け石に水です。免許証のコピーを取らせてもらっても、それが本物であるか、本人であるかは分かりません。
あとは、いついつまでに名義変更してくれなかったら盗難届を出すと説明しておくぐらいです」
また別のブローカーのSさんは、名義変更のトラブルから犯罪に巻き込まれた経験があるといいます。
「名義変更をしないまま、つまり私の名義のまま、どうやら薬物の取引にクルマ使ったようで、いきなり警察が訪ねてきたことがあります。さすがにびっくりしましたが、事情を話して事なきを得ました。
これは極端な例ですが、そこまでいかないまでも、やはり名義変更の遅れはあります。自衛手段として、取り扱う車種を限定するなどしています」
出品者としても、現車確認は絶対にして欲しいとのことです。あとでクレームに発展しないようにという意味もありますが、出品者側も取引相手の人となりが少しでも分かったほうが安心できるというメリットもあるそうです。
※ ※ ※
ネットオークションでのクルマの売買において、落札者、出品者ともに少なからずトラブルは発生します。
しかし、現車確認で注意深くチェックすることと、名義変更は出品者側でおこなう、あるいは陸運局で受け渡しにするなどすれば、多くのトラブルは防げるはずです。
そうしたことを面倒だと思うなら、トラブルが皆無というわけではありませんが、中古車販売店でクルマを売買するのが良いでしょう。
中古車販売店は、ネットオークションよりも買うときは高く、売るときは安くなりますが、トラブル回避の安心料も含まれているということではないでしょうか。
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