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カクカク系でも空力性能は日本一だった!? スバルの意外な初モノ車3選

くるまのニュース / 2020年8月3日 16時10分

現在、スバルの自社ラインナップというと水平対向エンジンのAWDが主流ですが、初めて採用されたのはどんなモデルだったのでしょうか。そこで、スバルの歴代モデルのなかから「初」となる記念的なクルマを3車種ピックアップして紹介します。

■スバルの「初モノ」は意外なクルマたちだった

 国産メーカーのなかでも、水平対向エンジン+4WDという独自路線を貫くスバルは、源流を遡ると1917年に創設された中島飛行機にたどりつきます。第二次大戦前から航空機を製造し、戦後に中島飛行機がGHQによって解体されると、1945年に富士産業と改称して創業し、平和事業へと転換が図られました。

 戦後、スクーターやバスに架装されるボディの製造から始まって、1953年に富士重工業となり、4輪自動車の製造を開始して、2017年には社名を「株式会社SUBARU」に変更し、現在に至ります。

 スバルの自動車製造の歴史は比較的短いのですが、その過程でスバルにとって「初」となる技術が幾度も誕生しました。

 そこで、スバルの歴代車のなかから、「初」となる記念すべきモデル3車種をピックアップして紹介します。

 なお、以降は社名(ブランド名)を「スバル」で統一します。

●発売されなかった幻の4輪自動車「1500 P-1」

市販されなかった幻のモデル「1500 P-1」が「すばる」を名乗った最初のクルマ市販されなかった幻のモデル「1500 P-1」が「すばる」を名乗った最初のクルマ

 スバルは1950年代に何台かの試作車を製作しながら、本格的な4輪自動車メーカーへの転換を図ろうとしていました。そして、1955年に初の4輪自動車「1500 P-1」を完成させ「すばる」と命名します。

 1500 P-1は6人乗り4ドアセダンのボディに、1.5リッターの直列4気筒OHVエンジンを搭載し、最高出力は55馬力を発揮。

 外観はアメリカ車とイギリス車両方のエッセンスを取り入れた重厚なデザインで、当時として画期的だったのが「乗り心地」と「走行安定性」を追求していたことでした。

 1500 P-1は20台が試作されて14台は社内のテスト用に使われましたが、残りの6台は群馬県内のタクシー会社に卸され、1年間事業用車として走行テストがおこなわれました。

 当時、庶民がマイカーを持つことはまだ夢の時代で、タクシー会社が自動車メーカーにとって上得意でした。未舗装路が多かった頃とあって、クルマの耐久性などの走行テストをおこなうには、タクシーとして使用してもらうのが好都合だったためです。

 このテストの結果、1500 P1の乗り心地の良さと、ボディや足まわりなどの耐久性は、どんな国産車よりも勝っていたと評価されました。1500 P-1の量産化は諸事情により見送られましたが、初の量産車「スバル360」の開発や生産に、大きく貢献することになりました。

●初の4WDモデル「スバルff-1・1300Gバン4WD」

現存車は1台といわれている初の4WD車「スバルff-1・1300Gバン4WD」現存車は1台といわれている初の4WD車「スバルff-1・1300Gバン4WD」

 冒頭にあるとおりスバル車の特徴といえば、水平対向エンジンと豊富な4WD車のラインナップが挙げられます。

 この水平対向エンジン+4WDが初めて採用されたのが「スバルff-1・1300Gバン4WD」です。

 スバルff-1・1300Gバン4WDは1971年に製作されましたが、誕生の経緯としては、東北電力から冬場の豪雪地帯での設備保守用に、乗用車タイプの4WD車がほしいというリクエストによるものでした。

 そこで、スバルは1300Gバンをベースに4WD化をおこない、いまにつづく「シンメトリカルAWD」を初めて実現させました。

 スバルff-1・1300Gバン4WDは8台製作されて、そのうち5台が東北電力に納められ、実際に現場で活躍したといいます。なお、現存するのはスバルの群馬製作所矢島工場に併設されている「ビジターセンター」に展示されている1台のみとなっています。

■スバル初のスペシャリティカーは初モノが盛りだくさん!?

●スバル初と国産車初があった「アルシオーネ」

空力を重視した未来的なスタイルが特徴的だった「アルシオーネ」空力を重視した未来的なスタイルが特徴的だった「アルシオーネ」

 1985年に発売された「アルシオーネ」は、スバル最初で最後のリトラクタブルヘッドライトを採用したモデルです。

 外観は2ドアクーペのスペシャリティカーとしてデザインされ、まさに「クサビ型」という呼び方がぴったりなシャープなフォルムで、空気抵抗を極限まで抑えたデザインとなっていました。

 実際に空気抵抗を推し量るCD値(空気抵抗係数)は0.29と、国産車で初めて0.3を下回る良好な値を実現。ドアミラーの形状やカバーされたドアノブ、スポイラー形状のトランクリッドなどにより、達成されました。

 内装のデザインも個性的で、ダッシュボードやハンドル周りは、飛行機のコクピットをイメージ。

 初期のモデルでは1.8リッター水平対向4気筒ターボエンジンのみで、FFと4WDがありましたが、後に2.7リッターの水平対向6気筒自然吸気エンジンも追加。

 また、グレードによっては自動で車高を調整できるエアサスペンションが採用されるなど、見た目だけでなくメカニズムも先進的なクルマでした。

※ ※ ※

 近年、スバルは大きな転換期を迎えています。2019年末には、初代「レガシィ」から搭載された名機「EJ20型」エンジンの生産終了を発表。

 また、かつてスバルの主力車種だった「レガシィB4」の国内販売を終えようとしています。

 これまでもスバルは、世界初のCVT車や、30年以上もの開発期間によって実用化した先進安全技術「アイサイト」など、エポックメイキングな技術を世に送り出してきました。

 そしてスバルは、次の世代に向けて歩みだそうとしているようです。

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