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「ランエボ」だけの専売特許じゃない!? 他にもあったエボリューション車5選

くるまのニュース / 2020年8月11日 6時10分

日本語で「進化」を意味する「Evolution(エボリューション)」という言葉を、世間に広めたのは三菱「ランサーエボリューション」の功績ではないでしょうか。一方、それ以外のモデルでもエボリューションを名乗るモデルが存在。そこで、いろいろなエボリューションモデルを5車種ピックアップして紹介します。

■「エボリューション」を名乗るクルマを振り返る

 1992年に限定販売された三菱「ランサーエボリューション」によって、「エボリューション」という言葉が日本でも広く浸透したのではないでしょうか。

「Evolution(エボリューション)」は日本語で「進化」を意味し、ランサーエボリューションの場合は、世界ラリー選手権(WRC)に勝つという目的のために、ランサーを進化させたということです。

 一方、ランサー以外のモデルでもエボリューションを名乗るモデルが存在。そこで、エボリューションモデルを5車種ピックアップして紹介します。

●三菱「パジェロエボリューション」

生粋のクロカン4WD車ながら迫力あるエアロフォルムをまとう「パジェロエボリューション」生粋のクロカン4WD車ながら迫力あるエアロフォルムをまとう「パジェロエボリューション」

 1980年代から1990年代の三菱は、モータースポーツへ積極的に参加して、ブランドイメージを高めていました。

 WRCに参戦したランサーエボリューションだけでなく、「パリ-ダカール・ラリー」のような長距離を走るラリーレイドでは「パジェロ」が活躍することで、販売にも貢献。さらに、1991年に登場した2代目パジェロはRVブームの火付け役ともいわれたほど、高い人気を誇りました。

 ボディは3ドアのショートと5ドアロングの2種類で、ショートには後部座席部分と屋根がキャンバストップの「Jトップ」をラインナップ。

 1997年には、ショートボディをベースに、ランサーエボリューションと同様のイメージとした「パジェロエボリューション」を発売します。

 搭載されたエンジンは3.5リッターV型6気筒自然吸気で、最高出力280馬力を発揮。トランスミッションは5速ATと5速MTが設定されました。

 ボディも空力特性とオフロード性能を両立するように、大型フィン付リアスポイラー、ステップ付サイドエアダムの採用や、車体の剛性アップ、アルミボンネットなどによる軽量化が図られています。

 ほかにも専用デザインのバンパーと、大きく張り出した前後フェンダーは「エボリューション」の名にふさわしい迫力を演出。

 三菱はこのパジェロエボリューションをベースに1998年のパリ-ダカール・ラリーに参戦し、2位の成績を収めています。

●メルセデス・ベンツ「190E 2.5-16 エボリューションI/II」

とても純正装着されたとは思えない派手なエアロパーツの「190E 2.5-16 エボリューションII」とても純正装着されたとは思えない派手なエアロパーツの「190E 2.5-16 エボリューションII」

 現在、メルセデス・ベンツのラインナップで、日本における販売の中核となっているモデルが「Cクラス」と「Aクラス」です。

 なかでもCクラスはAクラスの登場まで、同社のエントリーモデルとして不動の人気を獲得。

 さらにCクラスの前身となる1982年に発売された「190E」シリーズは、日本の5ナンバー枠に収まるコンパクトなボディサイズで、1985年に日本への正規輸入が開始されると、だれもが憧れた高級車だったメルセデス・ベンツの普及を、一気に加速させたほど大ヒットしました。

 この190Eをベースに、1986年にはレースエンジンなどを手掛けるエンジニアリング会社「コスワース」の手により、175馬力を発揮する2.3リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載したスポーティセダン「190E 2.3-16」が登場。

 ドイツ・ツーリングカー選手権の出場資格を得るための、ホモロゲーション・モデルとして販売されました。

 そして1988年には、DTMのレギュレーション変更に合わせて排気量を2.5リッターとし、最高出力200馬力を誇る「190E 2.5-16」が登場します。

 1989年には、さらにチューンナップされた「190E 2.5-16エボリューションI」が開発され、1990年には最高出力を235馬力まで高められた「190E 2.5-16エボリューションII」が、それぞれ500台が生産されました。

 とくに190E 2.5-16エボリューションIIは、メルセデス・ベンツのモデルらしからぬ巨大なリアスポイラーや、斬新な形状のオーバーフェンダーが装着され、迫力ある外観を演出。

 メルセデス・ベンツの長い歴史のなかでも190E 2.5-16エボリューションIIは、異色のモデルとして君臨しています。

●BMW「M3スポーツエボリューション」

レースで勝つために究極の進化を遂げた「M3スポーツエボリューション」レースで勝つために究極の進化を遂げた「M3スポーツエボリューション」

 現在もBMWの主力商品となっている3シリーズは、初代が1975年に登場。1982年に2代目にモデルチェンジされると、2ドアクーペと4ドアセダンを基本に、カブリオレ、ステーションワゴンなどのボディバリエーションが設定されました。

 エンジンのバリエーションも豊富で、日本仕様には直列4気筒1.8リッターと直列6気筒2/2.5/2.7リッター搭載車がラインナップされ、バブル景気の頃は前出の190Eと並んで大ヒットを記録。

 さらに、1985年にはBMWのレース活動などを担当するモータシュポルトGmbH(現在のM社)が、欧州ツーリングカーレースに勝つために設計、開発した初代「M3」が登場します。

 M3は2ドアクーペをベースに、最高出力195馬力を発揮する2.3リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載。

 外観はフロントスポイラーとリアの大型スポイラー、サイドスカート、太いタイヤを収められるようにワイド化したブリスターフェンダー、Cピラーからトランクリッドも専用形状とされるなど、大胆に手が入れられていました。

 また、サスペンションもスタンダードな3シリーズとは別物で、各部がレース用のセッティングに対応するつくりとなっています。

 その後、M3は進化を続け、究極のモデルとして1989年に限定600台で「M3スポーツエボリューション」が登場。

 最高出力238馬力を誇る2.5リッター直列4気筒DOHCエンジンに換装され、フロントバンパーには調整機構のついたエクステンション・リップスポイラーを装着、フォグランプの代わりにブレーキ冷却用ダクトが開けられ、調整式のリアスポイラーも装着されました。

 日本では、日産「スカイラインGT-R」やホンダ「シビック」がトップランナーだった全日本ツーリングカーレースで、2.5リッター以下のクラス2ではM3のワンメイクとなるほど活躍しました。

■日本でも人気があった欧州エボリューションとは!?

●ボルボ「240ターボエボリューション」

無骨なフォルムから想像できない速さをみせた「240ターボエボリューション」無骨なフォルムから想像できない速さをみせた「240ターボエボリューション」

 現在、日本でも販売が好調なボルボのモデルは、美しいデザインと先進的な機能が特徴です。

 一方、かつてのボルボ車というと、質実剛健で、とくに安全性能が高いというイメージでしたが、それを覆すことになったのが「240ターボ」です。

 240シリーズは1974年に発売され、ボディタイプは2ドアセダン、4ドアセダン、そしてステーションワゴンをラインナップ。

 搭載されたエンジンは2リッターと、2.1リッター直列4気筒が設定され、1981年にはターボチャージャーが装着された「240ターボ」が登場。

 155馬力を発揮する2.1リッターエンジンにより0-100km/h加速は9秒、最高速度195km/hを達成するなど、高性能さがクローズアップされていました。

 さらに、欧州で開催されていたヨーロッパツーリングカー選手権に240ターボで出場するため、1983年にグループA規定に則った500台限定の「240ターボエボリューション」を発売。

 240ターボエボリューションには大径ターボチャージャーが装着され、吸気管内に水を噴射してエンジン内部の冷却と空気密度を高める「ウォーターインジェクション」が装備されていました。

 レース用では最高出力300馬力以上を発揮し、空力性能が良いとはいえないフォルムにも関わらず、最高速度は260km/hに達したといいます。

 ボルボがETCに本格参戦した1984年は2勝にとどまりましたが、翌1985年には14戦中6勝し、チャンピオンを獲得。1985年の全日本ツーリングカー選手権最終戦にも遠征してきており、圧倒的な速さを見せつけています。

 240ターボエボリューションは、BMW「635」やローバー「3500 V8」といった、スタイリッシュで大排気量のエンジンを搭載したマシンを相手に、無骨なスタイルと小排気量エンジンで戦い、その速さを称賛する意味で「空飛ぶレンガ」と呼ばれ、親しまれました。

●ランチア「デルタHF インテグラーレ エボルツィオーネ」

ラリーでの活躍によって日本でも高い人気を誇った「デルタHF インテグラーレ エボルツィオーネII」ラリーでの活躍によって日本でも高い人気を誇った「デルタHF インテグラーレ エボルツィオーネII」

 1970年代の終わり頃から、欧州メーカーのコンパクトカーはFF化が進みました。そこで、ランチアが1979年に発売した「デルタ」は、1ランク上の質感が特徴のFF5ドアハッチバックとしてデビュー。

 コンパクトなボディに搭載されたエンジンは1.3リッター、1.5リッター、1.6リッターの直列4気筒ガソリンに1.9リッター直列4気筒ターボディーゼルと、シティユースに適したベーシックカーとして開発されました

 ところが、1986年にWRCに参戦する目的で、165馬力のハイパワーなエンジンを搭載し、フルタイム4WDを採用した「デルタHF 4WD」を追加ラインナップ。

 なお、開発はすべてアバルトの手によるものです。

 1988年には、さらに最高出力185馬力まで高められたエンジンを搭載した「デルタHF インテグラーレ」を発売します。

 また、サイズアップしたホイールとタイヤを収めるために、前後ブリスターフェンダーとしたワイドボディを採用して迫力ある外観に一新。

 サスペンションはベース車と変わらず4輪ストラットですが、スポーツ走行に適したチューニングが施され、大径化された4輪ディスクブレーキも装備するなど、高い走行性能を発揮。

 1987年からグループAカテゴリーによって争われることになったWRCに参戦すると、初年からメーカータイトルを奪取するなど、高性能さをアピール。

 そして、1992年にはさらにフェンダーを拡幅し、210馬力を誇る「デルタHF インテグラーレ エボルツィオーネ」が登場。

 翌1993年には「デルタHF インテグラーレ エボルツィオーネII」を矢継ぎ早に発売。ちょうどランサーエボリューション、スバル「インプレッサWRX」もWRCに参戦した年だったことから、アップデートが急務だったといえます。

 最高出力は215馬力までアップし、エンジンの制御系にも大きく手が入れられている一方、エアコンがオプションだった以外は比較的豪華仕様で、後にエボルツィオーネIIをベースにした数多くのプレミアムな限定車も発売されました。

 日本でもデルタHF インテグラーレは人気が高く、6年連続でWRCのメーカータイトルを獲得したことも、人気の理由ではないでしょうか。

※ ※ ※

 今回、紹介した5台のエボリューションモデルは、すべてモータースポーツに関係しているモデルです。

 レースの世界では必ずライバルが存在し、勝つためには進化を続けなければなりません。

 近年、国産メーカーは市販車をベースにしたレースへの参戦に消極的になってしまい、また、そうした市販車ベースのレースも減ってしまったこともあり、このようなエボリューションモデルが登場する機会は減ってしまったのは寂しいところです。

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