売れ行き好調「フィット」に対しトヨタは余裕!? 個性派「ヤリス」を激推しできるワケとは
くるまのニュース / 2020年8月10日 11時10分
ホンダ新型「フィット」とトヨタ新型「ヤリス」が発売されてから約半年。両車の販売状況はどのようになっているのでしょうか。また、販売店ではどのようなポイントが訴求されているのでしょうか。
■トヨタ「ヤリス」はスポーティさがウリ?
2020年2月に、次世代のコンパクトカーとしてホンダ新型「フィット」とトヨタ新型「ヤリス」が発売されてから、約半年が経ちました。
両車は好調な売れ行きを示していますが、販売の現場では、トヨタとホンダそれぞれの事情によって、ユーザーへ訴求するポイントにも違いがあるといいます。いったい、どういうことなのでしょうか。
現在発売されている4代目フィットは、2020年2月14日に発売。当初は2019年秋に発売予定でしたが、電動パーキングブレーキの不具合のため、発売が数か月延期されました。
日本自動車販売協会連合会の発表によると、フィットの2020年上半期の販売台数(登録台数)は5万29台(先代フィットの登録台数を含む)で、登録車ランキング3位を記録。2020年7月も9213台を販売しランキング5位と、好調です。
ユーザーに対するフィットの訴求ポイントをホンダの販売店スタッフに聞くと、次のようにコメントします。
「フィットは、Aピラーの形状を工夫して開放感ある空間としているほか、室内や荷室の広々感も、外からの見た目以上に広く感じられる点を訴求しています。
室内も、居心地よいリビングのように感じられるデザインが特徴的で、とくに白の内装色だとそれを感じていただきやすいと思います。
また、e:HEV仕様(ハイブリッド仕様)のスムーズでなめらかな走りも好評です」
ホンダのラインナップにおいて、コンパクトカーはフィットのみしか存在しませんが、その分フィットは車内の広さや走りの良さに至るまで、抜け目なく作り込まれています。
設定されるすべてのパワーユニットでFFと4WDが選択可能で、かつ外観の好みや装備などが異なる5つのタイプから選べる点も含め、幅広いユーザーから受け入れられるコンパクトカーになったといえます。
※ ※ ※
ヤリスは、2020年2月7日に発売されたコンパクトカーです。モデルとしては4代目で、国内で3代目までは「ヴィッツ」という車名で販売されていたものの、フルモデルチェンジに際してグローバル市場で使用しているヤリスに改められた、という経緯があります。
日本自動車販売協会連合会の発表では、2020年上半期は4万8129台を販売して4位にランクイン。2020年7月の単月では1万4004台を販売して首位となるなど、フィットに劣らない販売実績を残しています。
トヨタの販売店スタッフにヤリスについて聞くと、次のようにコメントします。
「コンパクトカーはどのメーカーも力を入れていて、かつてのコンパクトカーとは違い、基本的にどれもつくりはよく出来ています。
そんななかで、ヤリスはスポーティなデザインや走行性能の高さを売りにして販売しており、メーカーもスポーティなイメージを印象づける方針で宣伝をおこなっています。
車種にこだわりなくコンパクトカーを探しているお客さまがいらっしゃることもあるのですが、その際はデザインの好みで契約されることもかなり多く、ヤリスのスポーティなイメージを気に入って購入するお客さまもいらっしゃいます」
ハイブリッド仕様のシステム出力を、先代ヴィッツの100馬力から新型ヤリスでは116馬力に向上させているなど、ヤリスではスポーティさがフォーカスされているようです。
その一方、ヤリスは車内の広さの面においてユーザーから指摘を受けることもあるといいますが、その際に販売店スタッフは次のように提案すると話します。
「ヤリスについていうと、スポーティなデザインを採用したことにより、後席が少々狭いという指摘を受けることもあります。
しかし、弊社では『アクア』というハイブリッド専用のコンパクトカーも扱っており、ヤリスと比べてアクアは全長が長いことから、アクアの方が『後席が広い』という声も聞かれます。
そのため、とくにハイブリッド仕様のヤリスを検討しているお客さまにはそちらを案内することもあります」
アクアは2011年12月に発売されたモデルで、ヤリスと比べ設計が古いものの、2度のマイナーチェンジで商品力を保ち、長年販売ランキング上位を獲得してきました。
ヤリスに難色を示したユーザーの受け皿となるモデルが自社ラインナップにあるのは、トヨタの強みといえます。一方、豊富なトヨタのラインナップのなかで、ヤリスはスポーティさという個性が光っているともいえるでしょう。
■トヨタ「ルーミー/タンク」の魅力とは
また、前出のトヨタ販売店スタッフは次のように話します。
「弊社のラインナップには、『ルーミー/タンク』というコンパクトカーも存在します。このクルマは車内が非常に広く、とくに荷室高が高く確保されている点が特徴です。
後席スライドドアで使い勝手も良く、座席を倒していただければより荷室空間も広がります。
また、価格帯がヤリスに近いことも特徴で、エントリーモデル同士で比較すると、ヤリスの約140万円に対し、タンクは約150万円です。この金額で、圧倒的な室内高と後席スライドドアがついてくる、ともいえます。
“広さに対するコスパ”を考慮すると、ルーミー/タンクは非常に魅力的な選択肢です」
ルーミー/タンクはダイハツ「タンク」のOEM車としてトヨタから販売されています。
トヨタ「タンク」
ボディサイズは全長3700-3715mm×全幅1670mm×全高1735mm。ヤリスの全長3940mm×全幅1695mm×全高1500-1515mmと比べると、全長と全幅に大きな差があります。
そして背の高さを活かすことで、1355mmの室内高を実現しました(ヤリスは1190mm)。
一方、トヨタとホンダには室内高の高さや後席スライドドアがウリの小型ミニバンとして、トヨタ「シエンタ」とホンダ「フリード」が存在。
どちらにも、ルーミー/タンクのような2列シート仕様がありますが、それぞれの2列シート仕様におけるエントリーモデルの価格(消費税込、以下同様)は、シエンタが180万9500円、フリードが218万2400円となります。
仮に、ヤリス(139万5000円から)やフィット(155万7600円から)を検討するユーザーが、比較対象としてシエンタやフリードの2列シート仕様を見ても、価格帯の違いによって検討リストから外れる可能性が高いのです。
一方、ルーミー/タンクのエントリーモデルの価格は149万500円。ヤリスやフィットの価格帯で新車を検討していたユーザーにとって、購入予算内となる可能性は多いにあります。
トヨタのコンパクトカーにおいて、いま話題性の高いモデルがヤリスであることは間違いないものの、ヤリスのほかにもさまざまなモデルをラインナップしていることは、他社へのユーザーの流出防止に寄与しているといえるでしょう。
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