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人気のコンパクトSUV ボルボ「XC40」 プラグインHVの走りはどう? 乗ってみた

くるまのニュース / 2020年8月29日 11時50分

2020年8月25日、ボルボの人気コンパクトSUV「XC40」にプラグインハイブリッド(PHEV)モデル「リチャージ プラグインハイブリッド T5」が設定された。これによりボルボは国内導入すべてのラインナップにPHEVが設定され、全車が内燃機関のみを搭載した車両がなくなり電動化されたことになる。そんななか登場したXC40リチャージPHEV T5はどんなクルマなのか。実際に試乗した。

■XC40リチャージPHEVは満充電で41kmのEV走行が可能

 ボルボとしてはコンパクトなサイズの「40シリーズ」は、世界的に販売が好調だ。日本でも人気があり、2020年1-6月の販売実績をみると3249台で、輸入車モデル別の8位に入っている。

 そんなタイミングでボルボの全車電動化戦略の一貫として登場したのは「XC40 リチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプション」だ。今回撮影・試乗したのはMY2020の事前導入モデルだったが、この夏から日本で販売されるのはすべてMY2021のモデルになる。

 まずは2021年モデルで変更になったポイントをチェックしておく。

●グレード名称の変更。これまではエンジンと電動モーターを指して「ツインエンジン」と表現していたが、充電できるという意味から今後ピュアEV(BEV)とPHEVは「リチャージ・プラグイン・ハイブリッド」という名称になった。これはすべてのモデルで共通となる。

●ボルボが以前に予告したとおり、180km/hの速度リミッターとケアキーを設定。ボルボ車での重傷・死亡事故を無くすためのスピード制限と、保護者の判断でさらなるスピード制限を設定できるケアキーが標準になった。

●Rechargeエンブレムをサイドスカッフプレート、Cピラー、リアエンブレムに採用。

●XC40のリアバンパーデザインが変更され、テールパイプが見えなくなった。MY2020ではインテグレーテッド・デュアルテールパイプを採用していた。

●5年保証の導入。MY2021からはこれまでより長い5年保証が標準になった。

※ ※ ※

 今回登場したXC40リチャージ プラグインハイブリッドT5はPHEVだから、リチウムイオンの二次バッテリーが装備されている。これはセンターコンソールのスペースに配置し、10.91kWhを貯められる(使用可能エネルギーは8.51kWh)。

 電動モーターはトランスミッションに直接マウントされ、電動モーターだけでも、エンジンだけでも、その両方でも駆動できる。組み合わされるトランスミッションは7速湿式デュアルクラッチ(DCT)で、両方デクラッチすればEV走行が可能になる。

 電動モーター走行を最優先したければ、ドライブモードの「ピュアモード」を選べばいい。モーターだけでも135km/hまで出せる。その場合95km/h付近でギアの変速(2速→4速)が起きるが、乗員はほとんど気がつかない。

 ハイブリッドモードがデフォルトの走行モードだ。燃費と走行性能のバランスが取れるように、エンジンとモーターを状況に合わせて使用する。

 パワーモードはエンジンとモーターの両方を常時稼働させる。シフトプログラム、アクセルレスポンス、ステアリング、ブレーキはダイナミックモードになる。

 その他にオフロードモード、任意でセットアップできるインディビデュアルモードもある。

「XC40 リチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプション」の充電リッドは左フロントドアの前にある「XC40 リチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプション」の充電リッドは左フロントドアの前にある

「B3154-HyFAD」と呼ばれる1.5リッターの直列3気筒ターボエンジンは、最高出力180ps/5800rpm、最大トルク265Nm/1500-3000rpmを発揮する。また電動モーターは82ps/4000-11500rpm、160Nm/0-3000rpmを発揮する。後輪には駆動のためのシステムはなく、FWD(前輪駆動)である。

■PHEVなのに自然なフィールでPHEVであることを忘れてしまう

 試乗の最初は電動モーター走行のピュアモードで走ってみた。1790kgの車重だが、とくに不満なく加速し、流れに乗っていける。必要とあらばアクセルペダルを深く踏み込むと、いい感じで加速する。高速での100km/h走行も楽である。

「XC40 リチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプション」の走り「XC40 リチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプション」の走り

 ただしあまりスピードを上げると、バッテリー残量がすぐに無くなるから注意が必要だ。それでも高速道路も含めて40kmほど走れた。その間はとても静かな走行ができる。

 インストルメントパネルの右側には、リチウムイオンバッテリーの残量とアクセルペダルの踏み具合で電動モーターだけで走れる領域とエンジンがかかる領域がわかりやすく表示される。EV走行の最後はスーッとレベルが下がり、エンジンがかかって駆動を始めた。

 エンジンがかかると駆動と充電を同時にできる。だからハイブリッドらしいドライビングができる。7速DCTであるが、変速時もスムーズで大人っぽい。よく熟成されているという印象だ。恐らく電動モーターが変速ショックを抑えるべく陰で働いているのだろう。

 ハイブリッド車っぽいドライブトレーンのもの足りなさがないので、ドライバーは気を使わず普通のドライビングが可能だ。

 ブレーキもバイワイヤーシステムだ。ボッシュ社製ESP9をベースにしたバキュームレスブレーキシステムを採用している。内部モーターとギアにより液圧を発生させる。100%回生ブレーキを使用することが可能になり、燃費も改善する。NVHや制動距離の短縮もできるという。

 チャージとホールド機能もPHEVらしい。

 チャージは、走行中にエンジンによりリチウムイオンバッテリーが80%に達するまで充電する。目標値に達するとホールドに切り替わり、それが解除されるまで80%を保持する。すでに80%を上回るケースでは、機能メニューのアイコンが灰色で表示され、チャージ機能を起動できないことを表示する。

 ホールドは後の使用に備えて残量を保持する。残量が25%から100%でハイブリッドシステムが正常に機能している場合に起動が可能になる。これらの基本条件が満たされない場合は、アイコンが灰色で表示される。

 こうしたPHEVっぽいさまざまな機能が使えるのだが、このクルマに乗っていると、動きのどこを取っても自然なフィールで運転できるので、PHEVであることを忘れてしまう。これは、XC40プラグインハイブリッドT5が、とてもよくできたクルマであるという証明でもあると思う。

「XC40 リチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプション」の走り「XC40 リチャージ プラグインハイブリッドT5インスクリプション」の走り

XC40 Recharge Plug-in hybrid T5 Inscription

・車両本体価格(消費税込):649万円
・全長:4425mm
・全幅:1875mm
・全高:1660mm
・ホイールベース:2700mm
・車両重量:1810kg
・エンジン形式:直列3気筒ターボ+電気モーター
・排気量:1476cc
・駆動方式:FF
・変速機:7速DCT
・最高出力:180ps/5800rpm
・最大トルク:265Nm/1500−3000rpm
・モーター最高出力:82ps/4000-11500rpm
・モーター最大トルク:160Nm/0−3000rpm
・燃費(WLTC):14.0km/L
・EV走行可能距離:41.0km
・サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤサイズ:235/50R19

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