さり気なく高性能なのがイイ! ちょっと前に登場したスポーティセダン3選
くるまのニュース / 2020年9月9日 16時10分
近年はセダン人気が低迷し、各メーカーともセダンのラインナップが減少してしまいましたが、2000年代の始め頃は、充実していました。そこで、ちょっと前に登場した、過激すぎないスポーティセダンを3車種ピックアップして紹介します。
■2000年代に発売されたスポーティセダンを振り返る
2019年12月にトヨタ「マークX」、2020年7月にはスバル「レガシィB4」と、かつては高い人気を誇ったセダンが販売終了となってしまいました。
近年はSUV人気の上昇や、ファミリーカーとしてミニバンや軽ハイトワゴンが定番となったことから、セダンの販売は低迷しています。
そのため、各メーカーともセダンのラインナップは減少しており、今後も復活することは難しい状況です。
一方で、2000年代初頭はセダンのラインナップが豊富で、なかにはスポーティなモデルも数多く存在。そこで、ちょっと前に登場した、過激すぎないスポーティセダンを3車種ピックアップして紹介します。
●三菱「ランサー ラリーアート」
伝統を受け継いだ最後の高性能モデル「ランサー ラリーアート」
三菱の高性能セダンというと、2016年に販売を終了した「ランサーエボリューション」が真っ先に思い浮かびますが、もともとランサーはスポーティなセダンとして誕生しています。
初代は1973年に誕生し、トップグレードの「ランサー1600GSR」は直列4気筒SOHCの「4G32型」エンジンに、ツインキャブレターを装着して高出力化が図られました。
2代目では1980年にターボエンジンを搭載した「ランサーEX 1800GSRターボ」が発売され、その後のランサーも、スポーティなグレードがラインナップされています。
そして、国内モデルとしては最後となった6代目ランサーにも、2004年に「ランサー ラリーアート」を追加でラインナップ(セダンとステーションワゴン)。エンジンは1.8リッター直列4気筒ターボを搭載し、最高出力は165馬力を発揮します。
また、駆動方式はFFの2WDで、トランスミッションは4速ATのみとされるなど、マイルドな味付けでした。
一方で、専用ローダウンサスペンション、16インチタイヤ&専用アルミホイール、大型バンパー、前後&サイドエアダム、レカロ製フロントシートなどが奢られるなど、内外装をスポーティに演出。
2005年のマイナーチェンジでフロントフェイスが一新されましたが、2007年にラリーアートが廃止され、2010年にランサーの歴史は幕を閉じました。
●日産「プリメーラ」
コンセプトが大きく変わり、シャープな印象の3代目「プリメーラ」
日本の景気が上向きだった1980年代の後半、日産は『1990年までに走りにおいて世界一を目指す』というスローガンを掲げ、これを「901活動」と名付けます。
この901活動によって誕生したモデルが、日本市場向けの「R32型 スカイラインGT-R」、北米市場には4代目「Z32型 フェアレディZ」、そして欧州市場をターゲットとした初代「P10型 プリメーラ」です。
初代プリメーラは1990年に発売されたFFミドルクラスセダンで、欧州車に匹敵する走りの性能と、快適性の両立をコンセプトとしていました。
そしてFF車のハンドリング世界一を目指し、実際に高いコーナーリングスピードでも安定した走りを実現したことで、日欧でヒット作になります。
1995年には2代目が登場。基本的なコンセプトやデザインは、初代から継承されていますが、国内モデルにもステーションワゴンが加わりました。
そして、2001年に3代目が発売されるとデザインが一新され、よりシャープでスポーティなセダン/ステーションワゴンとなります。
デビューイヤーに追加された高性能グレードの「プリメーラ 20V」には、可変バルブタイミングリフト機構を採用した2リッター直列4気筒の「SR20VE(NEO VVL)型」エンジンを搭載。最高出力は204馬力(MT車)を誇りました。
このエンジンに組み合わされるトランスミッションは、クロスレシオ化された6速MTのみとなっており、流麗な見た目には似合わない硬派な一面を持っています。
内装では3眼のセンターメーターが配置され、ナビやオーディオ、空調が直感的に操作できるユニークなスイッチ類を採用するなど、新たな試みが施されています。
しかし、すでにセダンやステーションワゴンの人気が落ち始めていたことから車種整理がおこなわれ、プリメーラの国内向け販売は、2005年をもって終了しました。
■普段使いからスポーツ走行までこなせるセダンとは
●ホンダ「アコード ユーロR」
ストイックすぎない高性能セダンの「アコード ユーロR」
ホンダは次世代のコンパクトカーとして、1972年に初代「シビック」を発売。低燃費、高性能、広い室内を実現したことで、大ヒットします。
この初代シビックのヒットによってホンダは企業として大きく成長することになり、車種の拡充を進め、1976年にはシビックよりワンクラス上のモデル「アコード」を発売。
発売当初は3ドアハッチバックのみでしたが、1977年にはセダンが追加され、その後のアコードの主力はセダンへと移行していきました。
そして、1997年に発売された6代目では、高性能モデルの「アコード ユーロR」を2000年に追加。普段使いに適さないほど乗り心地を犠牲にした「シビック タイプR」や「インテグラ タイプR」に比べ、適度なスポーツモデルをコンセプトとしており、姉妹車の「トルネオ」にもユーロRが追加されています。
先代からダウンサイジングされたボディに搭載されたエンジンは、2.2リッター直列4気筒VTECで、最高出力220馬力を発揮。トランスミッションは5速MTのみとされました。
外観では前後のアンダースポイラーとサイドステップが装着され、専用ローダウンサスペンションや16インチ軽量アルミホイール&ハイグリップタイヤ、高剛性ボディとブレーキの強化などで、高い動力性能と優れた操縦性能を実現。
内装ではレカロ製バケットシート、MOMO製革巻きハンドル、アルミ製シフトノブ、ホワイトメーターパネルなどが採用され、タイプRシリーズに近いモデファイがおこなわれています。
また、2002年に登場した7代目でもユーロRが設定されましたが、8代目以降は国内で高性能モデルはラインナップされていません。
※ ※ ※
販売店からの声として、子育てがひと段落したファミリー層を中心に、ミニバンから3列シートのSUVへの乗り換えが増えているといいます。
同様にセダンやステーションワゴンへの乗り換えも十分に考えられますが、国産車ではラインナップの減少によって、選択肢が少ないというのが実情ではないでしょうか。
欧州車ではセダンもステーションワゴンもまだまだ豊富ですが、プレミアムなモデルが中心で、どれも高額とあって手軽には買えません。
ドライバビリティに優れ、比較的安価なセダンやステーションワゴンの復活は、そう簡単ではなさそうです。
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