黄色いライトは違反!? LEDライト交換の注意点まとめ
くるまのニュース / 2020年9月13日 8時30分
欧州クラシックカーではよく見かける黄色いヘッドライトだが、最近のクルマはすべて白色のヘッドライトである。その理由は何だろうか。
■おフランスなクルマには、イエローバルブがよく似合う!
昔のフランス映画を観ていると、ヘッドライトが黄色に点灯していたりする。
シトロエン「BX」などは、イエローバルブでなければ、どうもイメージが違う、と思えてしまうくらいだ。
しかし現代のクルマのヘッドライトは、すべて白色に輝いている。これはなぜなのか。
もともとイエローのライトというのは、霧や降雪時の視認性確保のために採用されていたものだ。
光というのは波長が長ければ長いほど、微粒子による散乱が少ないという特性を持っている。波長の長さによる色味の違いは、赤色がもっとも長く、黄色、緑色、青色と進むにつれて波長が短くなっていく。赤色よりも波長の長い光は、人間が見ることができない赤外線、青色よりも短い波長の光は、やはり見ることができない紫外線だ。
では、視認性だけでいえば赤色が最強じゃないか、となるわけだが、赤色はその視認性の高さから、ブレーキランプに使われている。もしヘッドライトが赤だったら、走っているクルマがどちらに進んでいるのかわからなくなってしまう。
そこで霧などでの視認性確保のために、イエローのヘッドライトが採用されるようになったといわれている。
しかし実際には、黄色程度の波長では、視認性という点ではそれほど大きな違いはない。赤色にしても遠くから気付きやすい、という点はあるにせよ、たとえば懐中電灯の電球に赤を採用したら、霧のなかでも凄くよく見えるということはない。
ただ、まわりから気付かれやすいという点では、メリットは確実にある。霧のなかで白色のライトを点灯していても、白く光るのみなのでまわりから見た場合にはわかりにくいが、黄色であればそこになにかがあると、周囲からは認識されやすいのだ。
ただ、ヘッドライトを黄色にするためには、バルブに着色をしたり、黄色のカバーを取り付ける必要がある。そうすると、同じ出力でも光度が下がる。簡単にいえば、明るさが低くなってしまうのである。これは運転している側の安全性という面では、白色に比べて不利となる。
こうした事情もあって、黄色のヘッドライトが主流だったフランス、そして地続きでフランス車が走行できるヨーロッパや、黄色のヘッドライトが認められていた日本でもヘッドライトは白色に限る、という制限が付けられるようになった。
ちなみに、現在日本で開催されているスーパーGTでは、GT500クラスは白のヘッドライト、GT300クラスは黄色となっている。この理由は、後ろから来たクルマがGT500クラスかGT300クラスか、すぐに判別できるように区別するためである。
■どうして旧い欧州車は黄色いヘッドライトが許されるのか?
日本では2006年1月1日以降に製造されたクルマは、ヘッドライトが白色でなければならない、と規定されている。逆にいえば、それ以前に製造されたクルマは、黄色のヘッドライトでも大丈夫、ということだ。
したがって、旧いフランス車のヘッドライトが黄色に光っていても、法規上問題はない。
旧いフランス車には、イエローのヘッドライトがよく似合う
旧いクルマで、ヘッドライトが白というよりは黄色っぽいシールドビームのクルマはもちろん、ハロゲン球を使っているクルマも、球が切れた場合には、現在売られている車検対応品を使って交換すれば、問題が起きることはない。
さらにHIDヘッドライトの場合だが、こちらはさまざまな色温度のバーナー(バルブ)が販売されているが、おおよそ4300ケルビンから6000ケルビンの範囲内であれば、白色と認識されることが多い。
それが3000ケルビン程度だと黄色と認識されやすく、逆に6000ケルビン以上であれば青色と認識されやすくなるため、バーナーの交換をする場合には数値の確認が必須となる。
現在最先端となるLEDヘッドライトは、純正採用されているものの場合には、トラブルが起きたらディーラーでの修理が必要となる。
ハロゲン球をLEDバルブに交換する場合は、やはり白色であることの確認が必要だが、それに加えて光度や、カットラインがハッキリしているか、という確認が必要となる。
現在の車検では、ヘッドライトはロービームでの測定を基準にしているため、ヘッドライトが照らす範囲がはっきりしていて、そのほかの部分には光が漏れないようになっていなければならない。
●LEDバルブに交換する際の注意点
しかし社外品のLEDバルブを取り付けると、製品によっては光点の位置が変わる場合があり、それが原因でカットラインがあやふやになってしまう可能性がある。LEDバルブ自体が車検対応品であっても、取り付ける車両のヘッドライトのレンズカットや、反射板の形状によっては車検に通らなくなる可能性がある、ということも知っておきたい。
またフォグランプ(前部霧灯)の場合だが、こちらの色については、白色または淡黄色と規定されている。フォグランプというのは濃霧や豪雨のときに点灯するものなので、対向車や歩行者にこちらの存在を知らせるという意味があることから、黄色でもいい、ということになっているのだ。
そのため、もともとはフォグランプに白色のバルブが取り付けられているクルマであっても、黄色のバルブに交換することは可能だ。
ちなみに、悪天候以外でもフォグランプを点灯しているクルマをよく見かけるが、これは法令違反というわけではない。悪天候以外で点灯してはいけない、という規定は存在していないからだ。
しかし、実際には、悪天候以外でフォグランプを点灯していると、他者に迷惑を掛けていることは間違いない。やはり悪天候時に存在を知らせるために存在しているリアフォグランプも、晴天時に点灯しているからといって、即違反、というわけではないが、これも後続車からすると迷惑きわまりない行為のひとつだ。
無用なトラブルを避けるためにも、フォグランプやリアフォグランプの使いどころは、十分な留意が必要といえるだろう。
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