持っているだけで一目置かれる!? こだわりを感じさせる車5選
くるまのニュース / 2020年9月13日 6時10分
クルマ選びをおこなう際は、価格やデザイン、ボディサイズ、性能など、さまざまな要素を検討します。一方で、「このクルマじゃなければダメ!」と、こだわりをもって選ぶ人もいます。そこで、深いこだわりを感じさせるクルマを、現行モデルのなかから5車種ピックアップして紹介します。
■こだわりがあって買ったと思われるようなクルマとは
新車でも中古車でも、購入する際にはさまざまなポイントを検討して決断に至ります。価格やデザイン、ボディサイズ、性能などから絞り込み、理想の1台を手に入れるというのが、一般的ではないでしょうか。
一方で、深いこだわりがあり、「このクルマじゃないとダメ!」と決まっている人もいますが、そうしたこだわりというのは、まさにクルマの特徴を端的に表しているといえます。
そんなこだわりを感じさせるクルマを、現行モデルのなかから5車種ピックアップして紹介します。
●日産「スカイライン」
歴代モデルでもっとも高性能な「スカイライン 400R」
1957年にプリンスから発売された「スカイライン」は、現行モデルまで一貫して後輪駆動のセダンを主力とし、2代目以降は常に6気筒エンジンが設定されています。
一部の国や地域に少量が輸出された以外は、誕生から基本的に日本専売モデルでしたが、11代目のV35型からアメリカ市場をメインターゲットとしたグローバルカーになり、現行モデルは2014年に発売された13代目です。
いまではハイブリッドモデルをラインナップし、ハンズフリー運転が可能な先進運転支援技術「プロパイロット 2.0」(ハイブリッド車に標準装備)が装備されるなど、飛躍的な進化を遂げていますが、6気筒エンジンのFR車(4WD車もあり)というポリシーを貫いています。
そして2019年7月のビッグマイナーチェンジでは、スカイライン史上もっとも高性能となる405馬力を誇る「400R」がラインナップされ、大いに話題となりました。
400Rには専用チューニングされた「ダイレクトアダプティブステアリング」と、新開発のインテリジェント ダイナミックサスペンションが採用され、俊敏なフットワークを実現。
スカイラインのDNAともいえる、スポーツマインドも忘れてはいません。
●トヨタ「86」
いまでは大変に貴重な小型FRクーペの「86」(画像はブラックリミテッド)
トヨタの小型FRスポーツ車の始まりは、1972年に登場した「カローラレビン/スプリンタートレノ」です。それから1987年に生産を終了した「AE86型」まで、常にFRにこだわるユーザーから支持されてきました。
その後、1998年にFRスポーツセダンの「アルテッツァ」がデビューし、AE86型の再来と歓迎されましたが、2005年に生産を終了。以降は同種のモデルは存在せず、再び小型FRスポーツ車の復活を望む声がたかまりました。
そのリクエストに応えるカタチで2012年に発売されたのが「86」です。86のネーミングは言わずもがなAE86型に由来しており、FR駆動の2ドアクーペというコンセプトも踏襲。
エンジンはスバルと共同開発の2リッター水平対向4気筒自然吸気を搭載し、最高出力207馬力を発揮します。
また、足まわりにはフロントにマクファーソンストラット、リアにマルチリンクを採用し、優れたハンドリングを実現。レスポンスの良いエンジンとの相乗効果で、ドライブする楽しさにあふれています。
なお、2020年9月現在も86は販売されていますが、そろそろ次期型登場の声も囁かれているようです。
●マツダ「ロードスター」
原点回帰することで軽快感を取り戻した「ロードスター」
日本がバブル絶頂期だった1989年に、マツダが展開していたユーノスブランドから、オープン2シーターFRスポーツカーの「ロードスター」が発売されました。
用途が限られてしまうオープン2シーター車ながら、軽量でコンパクトなボディに優れた足まわり、ちょうど良いパワーのエンジン、スタイリッシュなボディで安価な価格と、すべてが完璧なバランスとされたことから国内外で大ヒットを記録。
純粋にドライビングの楽しさが感じられるクルマとして高く評価され、ロードスターと同種のオープン2シータースポーツカー復活の立役者となったほどです。
その後、代を重ねてもコンセプトは受け継がれていき、現行モデルは2015年に発売された4代目となります。
これまでは排気量のアップや、ボディサイズの大型化が図られてきましたが、マツダはロードスターの原点に立ち返るとし、エンジンを1.5リッターにダウンサイジング。ボディサイズも全長3915mm×全幅1735mm×全高1235mmとワイド化しつつも、全長を3代目より105mm短縮しています。
また、ボディ各部にアルミや超高張力鋼板を使ったことで100kgもの軽量化に成功し、エントリーグレードで990kgと1トン未満を達成しました。
ロードスター伝統の「人馬一体」を目指すために、前後重量配分を理想的といわれる50:50に設定。優れた旋回性能によって、初代ロードスターを彷彿とさせる軽快なドライブフィールを実現しています。
■軽自動車の枠を超越した存在の2台とは
●ホンダ「S660」
軽自動車の枠にとらわれないスポーツカーの「S660」
1991年にホンダは、軽乗用車初のミッドシップオープン2シーター「ビート」を発売。自然吸気ながら64馬力を誇る高回転型エンジンを搭載し、気楽にスポーツドライビングが楽しめるとあって、人気となりました。
そして、1996年に販売が終了したビートから19年ぶりとなる2015年に、再びミッドシップオープン2シーターの「S660(エスロクロクマル)」が発売されます。
外観はビートをオマージュしながらも、フロントフェイスやサイドビューはシャープな印象となっており、ルーフはソフトな素材のタルガトップです。
エンジンはN-BOXなどに搭載されている660cc直列3気筒をベースに、専用のターボチャージャーを採用したことで、最高出力64馬力は変わりませんが、優れたスポンスを実現。トランスミッションは6速MTとCVTが設定されています。
また、ブレーキ制御を活用して、コーナーリング時に少ないハンドル操作でスムーズな車両挙動を実現する「アジャイルハンドリングアシスト」を、ホンダの軽自動車で初採用。
足まわりは前後マクファーソンストラットの4輪独立懸架で、260mmの大径ディスクブレーキを装着することで、優れたコーナーリング性能と制動力を実現しています。
S660は、排気量やボディサイズから軽自動車に分類されますが、内容的には紛れもないスポーツカーです。なお、2020年1月のマイナーチェンジで内外装のデザインが一部変更され、装備の充実が図られました。
●スズキ「ジムニー」
唯一無二の存在で、いまでは世界的に人気の「ジムニー」
2018年に20年ぶりとなるフルモデルチェンジがおこなわれた、軽自動車で唯一無二のオフロードカー、スズキ「ジムニー」。
昨今のクロスオーバーSUVとは一線を画するオフロード性能によって、国内のみならず海外(ジムニーシエラ)でも高い人気誇っています。
外観は初代や2代目のエッセンスを取り入れたことで、クラシカルな雰囲気を残しながらも、オフローダーらしい力強さが感じられるフォルムが好評です。
ジムニーに搭載されるエンジンは660cc直列3気筒ターボで64馬力を発揮。トランスミッションは5速MTと4速ATが設定されています。
駆動方式は2WDと4WDを手動で切り替える伝統のパートタイム4WDとされ、トランスファーの操作は信頼性が高い昔ながらのレバー式が採用されました。
また、これまでのジムニーはハイテク装備を極力控えていましたが、現行モデルではタイヤがスリップしたときの脱出性能を高める「ブレーキLSDトラクションコントロール」や、急な下り坂でブレーキを自動制御する「ヒルディセントコントロール」を新たに装備。
衝突被害軽減ブレーキに代表される先進安全技術も搭載できるなど、かなりの進化を遂げています。
実際に日本の公道でジムニーの悪路走破性が生かせるシーンは少ないはずですが、本物のギアが持つ機能美からか、いまだに1年ものバックオーダーを抱えているほどの人気です。
ちなみに、これまで以上に女性からの人気を獲得しており、「軽自動車ではなくジムニーに乗りたい」というユーザーが増えています。
※ ※ ※
最後に紹介したジムニーは、誰が見てもこだわりが満載だと思いますが、スズキという会社のこだわりにも注目したいところです。
たとえば、近年は軽量化技術に力を入れており、スポーツコンパクトモデルの「スイフトスポーツ」は、ボディサイズの拡大をおこなったにもかかわらず、全グレードが1トン未満です。
また、2020年6月に販売を終了したコンパクトカーの「バレーノ」も、全幅1745mmの3ナンバー車ながら、自然吸気が910kg、ターボが950kgという車重でした。
安全性を保ちながら軽量化することは非常に難しいことですが、スズキならではのこだわりといったところでしょう。
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