ついに1万台「アヴェンタドール」!! ゲームチェンジャー5選
くるまのニュース / 2020年9月14日 19時10分
2011年に登場したランボルギーニ「アヴェンタドール」が、ついに1万台目のラインオフを迎えた。デビューからいままでに登場したエポックメイキングなモデルから、アヴェンタドールのヒストリーを解説する。
■1万台目の「アヴェンタドール」は、タイのカスタマーの手に
2020年9月10日、ランボルギーニのフラッグシップである「アヴェンタドール」が、ついに1万台に到達した。
シャシナンバー:10000となったのは、グレーカラー(Grigio Acheso)にレッド(Rosso Mimir)を差し色にカラーリングした「アヴェンタドールSVJ」である。タイのカスタマーにデリバリーされる車両だ。
アヴェンタドールは、「ムルシエラゴ」の後継モデルとして2011年に「アヴェンタドールLP700-4」としてデビュー。10年先を見越して技術投入されたアヴェンタドールは、瞬く間にスーパーカーのベンチマークとなった。
製造台数1万台にいたるアヴェンタドールのなかで、ゲームチェンジャー的な存在であるアヴェンタドールを5台紹介しよう。
●Game Changer 01:2011 アヴェンタドールLP700−4
さまざま意味で、スーパーカーの新基準となった「アヴェンタドールLP700−4」
アヴェンタドールの革新的なカーボンファイバーモノコックは「シングルシェル」を採用し、コックピット、フロア、ルーフがひとつの構造となっているのが特徴であった。
サスペンションはプッシュロッド式を採用し、エンジンは新設計の6.5リッターV型12気筒自然吸気エンジンとなる。最高出力は700ps/8250rpmで、車名の一部となった。
このエンジンに組み合わせられたのが、シングルクラッチ式のISRと呼ばれる7速セミATであった。マニュアルトランスミッションはラインナップに加わることはなく、これはV10モデルにおいてもガヤルドが最後のMT車となり、ウラカンはデュアルクラッチトランスミッションであるLDFのみとなっている。
アヴェンタドールは、「カウンタック」から始まったシザーズドアを継承し、ドアは上に開くのが特徴となっている(開き方はどちらかといえばバタフライドアに近いが……)。
デザイナーは当時のチーフデザイナーであったフィリッポ・ペリーニが手掛けている。「ムルシエラゴ」をベースとしたフューオフモデルである「レヴェントン」のデザインエッセンスを強く感じるエクステリアになっている。
カーボンファイバーモノコックの採用や、最高出力700ps、0−100km/h加速2.9秒といったアヴェンタドールの特徴や性能は、これに続くスーパーカーの新たな基準となり、スーパーカーの世界でのゲームチェンジャーとなった。
●Game Changer 02:2012 アヴェンタドールJ
技術的な証明となった「アヴェンタドールJ」
2012年のジュネーブモーターショーで発表されたのが、ワンオフモデルとなる「アヴェンタドールJ」である。車名の「J」は、事故で廃車となったミウラをベースとした「イオタ」に由来している。
特徴は、フロントウインドウとルーフを取り去った、オープンモデルになっている点である。
アヴェンタドールJがアピールしたものは、ランボルギーニのカーボン技術の高さである。ルーフを取り払ったにも関わらず、300km/hを超える速度でも走行可能なボディ剛性の高さで、それを証明してみせた。
また、フロント部のスポイラー意匠など、その後に登場する「アヴェンタドールSV」へと受け継がれている。
ちなみにアヴェンタドールJは、公道でも走行が可能である。
●Game Changer 03:2016 アヴェンタドール・ミウラ・オマージュ
「ミウラ」へのオマージュであり、アドペルソナムプログラムの見本となった「アヴェンタドール・ミウラ・オマージュ」
2012年のジュネーブモーターショーで発表されたのが、ワンオフモデルとなる「アヴェンタドールJ」である。車名の「J」は、事故で廃車となったミウラをベースとした「イオタ」に由来している。
特徴は、フロントウインドウとルーフを取り去った、オープンモデルになっている点である。
アヴェンタドールJがアピールしたものは、ランボルギーニのカーボン技術の高さである。ルーフを取り払ったにも関わらず、300km/hを超える速度でも走行可能なボディ剛性の高さで、それを証明してみせた。
また、フロント部のスポイラー意匠など、その後に登場する「アヴェンタドールSV」へと受け継がれている。
ちなみにアヴェンタドールJは、公道でも走行が可能である。
●Game Changer 03:2016 アヴェンタドール・ミウラ・オマージュ
ランボルギーニ史上もっとも重要なモデルの1台である「ミウラ」が誕生して50周年という2016年に、「アヴェンタドール・ミウラ・オマージュ」が限定50台生産された。
ワールドプレミアに選ばれたのは、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの会場であった。
これはオリジナルのミウラの2トーンのカラーリングを反映したものとなっており、ミウラのバッジやブラックアウトしたランボルギーニのロゴなど、アドペルソナムプログラムでカスタマイズしたものである。
性能などは特に変更がなく、アドペルソナムでできるカスタマイズの可能性を見せるお手本的な意味合いもあったと思われる。
■「アヴェンタドール」にもあった、アートカー仕様とは?
2016年にアヴェンタドールの第2章の幕が上がった。チーフデザイナーはミティア・ボルケルトに変わり、細部にデザインの手直しが施された「アヴェンタドールS」に進化したのである。
●Game Changer 04:2016 アヴェンタドールS
新技術とエクステリアの一新で、さらに魅力を増した「アヴェンタドールS」
アヴェンタドールSでは、最高出力は740psにまで引き上げられ、フロントバンパーの意匠だけでなく、リアの左右エアインテークは固定式に改められるなど、エクステリアが一新した。
最大のトピックは、後輪操舵システムを採用したことだ。さらに可変ステアリングLDS、サスペンションには磁性流体ダンパーが採用されるなど、乗り味において洗練度が増している。
また、ドライビングモードはそれまでの「ストラーダ」、「スポルト」、「コルサ」といった、予め設定されたエンジンの出力特性、トランスミッション、ステアリング、サスペンションの組み合わせだけではなく、それぞれを自ら好きな設定に選ぶことができる「EGO」モードが加わった。
●Game Changer 05:2018 アヴェンタドールSVJ
登場当時、ニュルブルクリンク市販車最速となった「アヴェンタドールSVJ」
ネーミングの「SV」は、「スーパーヴェローチェ」を意味し、これに「イオタ(Jota)」の一文字をとって、「SVJ」となった。
ニュルブルクリンクで当時市販車最速となる6分44秒97をマークしたことで話題になった。
最高出力は770psにまで高められ、マフラーなどの排気系にチタンを採用するなど積極的に軽量化が図られ、車両重量はアヴェンタドールSから50kgも軽い1525kgとなった。
また、可変空力システム「ALA2.0」が採用された。フロントスポイラーのセンター部に電動で開閉するフラップ、リアウイングのセンター付け根にもエアインテークが設けられ、電動フラップが備わる。走行状態に応じてフラップの開閉度合いをコントロールすることで、ダウンフォースやトラクションを可変させるシステムである。
アヴェンタドールSVJは、クーペが900台、ロードスターが800台限定となる。また、クーペ/ロードスターそれぞれ63台限定の特別仕様車「SVJ63」も作られた。
●さらにもう1台:2019 スカイラー・グレイ・アヴェンタドールS
いわゆるアートカーとなるスカイラー・グレイがペイントした「アヴェンタドールS」
2019年のモントレー・カーウィークで発表されたのが、ストリートアートのプリンスと呼ばれるスカイラー・グレイがペイントしたアヴェンタドールSである。
もともとアヴェンタドールの彫刻的なボディラインや造形は、アートと称されることもあるが、このボディをキャンパスに見立てて、当時弱冠19歳のスカイラー・グレイがストリートアートのテクニックである、エアブラシ、スプレーガン、ローラー、ステンシルを駆使してポップスタイルの1台に仕上げた作品である。
新しいランボルギーニのペイントショップで、3週間をかけてペイントし完成させたいわばアートカーだ。ストリートアートは本来イリーガルなものだが、このアヴェンタドールSは、まさにストリートをリーガルに走行可能である点が、現代アートの真髄といっていいだろう。
アートカーといえば、元祖ストリートアート出身アーティストであるアンディ・ウォーホルが手掛けたBMW「M1プロカー」が有名だが、ストリートアートとスポーツカーのコラボは相性がよいのかもしれない。
* * *
2011年にローマで開催されたアヴェンタドールLP400−4の国際試乗会に参加した際、当時のCEOであるステファン・ヴィンケルマンは、アヴェンタドールはフラッグシップとして10年耐えうるように最先端の技術を注ぎ込んだ、という旨のコメントをしたのを覚えている。
登場から5年目となる2016年にアヴェンタドールSにアップグレードすることで、現在もライバルに引けを取らない性能をキープしているが、そろそろ登場から10年を迎えようとしている。
このさき、有終の美を飾るSVJに代わるスペシャルモデルが出るのか否か、非常に気になるところではあるが、自然吸気のV12エンジンのみをパワーソースとするモデルとしては最後になるかもしれないだけに、ランボファンとしては手に入るときに手に入れておきたいところだろう。
ただし、生産台数が多いということは、これまでのフェラーリを見ても明らかなように、将来的に価値をキープするのは難しいということでもある。投資目的ならば、SVJ63のような極めて数が少ないモデルを選ぶとよいのかもしれない。
逆に、乗って楽しみたい人には、安く手に入れられる時代が近い将来訪れるかも。それはそれで楽しみだ。
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