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日本の高級車が輝いていた頃の名車! 重厚感あふれるデザインのセダン5選

くるまのニュース / 2020年9月22日 6時10分

「日本の高級車はセダン」という時代が過去のものなりつつある今、過去にセダンが高級車としてクルマの中心だった時代があります。そこで、いかにもセダンらしい押し出し感を備えた往年の高級セダンを、5車種ピックアップして紹介します。

■堂々とした外観! 古き良き時代の高級セダン

 現在、日本の自動車市場ではセダン人気は低くなっていますが、自家用車が普及し始めた頃から長きにわたり、セダンこそが王道でした。

 なかでも高級車といえばセダン以外には考えられず、豪華な装備や最新技術はセダンにいち早く採用されたほどです。

 また、デザインも高級車にふさわしく、質実剛健で無骨なイメージのモデルが数多く存在。

 そこで、1960年代から1970年代に隆盛を誇った高級セダンを、5車種ピックアップして紹介します。

●プリンス「グロリア」

技術的にも最先端だったプリンス時代の「グロリア」技術的にも最先端だったプリンス時代の「グロリア」

 戦前の立川飛行機を源流とするプリンスは、日産と合併する以前、初代「スカイライン」をベースに排気量を1.5リッターから1.9リッターまで拡大した「グロリア」を1959年に発売。

 1962年に2代目グロリアが発売されると、当時のアメリカ車の影響を受けていたスタイリングはより洗練された造形で、高級感が増したワイド&ローなシルエットとなっています。

 同時期にトヨタも2代目「クラウン」をグロリアと同じ1.9リッターエンジンで発売しましたが、高速時代への移り変わりを先取り、プリンスは1963年に日本製量産小型乗用車初となる2リッター直列6気筒SOHCを搭載した「グロリア スーパー6」を発売。

 最高出力105馬力(グロス、以下同様)を発揮し、直列6気筒による静粛性となめらかな回転は、高級車としての印象を強めました。

 1964年にトヨタが日本初のV型8気筒エンジンを搭載した「クラウンエイト」を発売すると、プリンスは負けじと2.5リッター直列6気筒SOHCから最高出力130馬力を誇るエンジンを搭載した「グランドグロリア」を追加ラインナップしました

 1966年にプリンスと日産が合併したことで、車体はそのままながら車名が日産「プリンスグロリア」となり、1967年に3代目にモデルチェンジされると日産「グロリア」に改名。その後は「セドリック」と姉妹車になりました。

 そのため、2代目は「最後のプリンス」とも呼ばれ、洒落たボディデザインとともに現在でもマニアの間で高い人気を誇っています。

●三菱「デボネア」

走るシーラカンスともいわれた初代「デボネア」走るシーラカンスともいわれた初代「デボネア」

 1964年にデビューした三菱のフラッグシップサルーンの「デボネア」は、5ナンバー枠に収まるボディサイズでありながら、1960年代のアメリカ車のような、ボンネットとテールエンドにエッジを効かせたゴツいエクステリアデザインと、大きな開口部を持つフロントグリルによって、5ナンバー車には見えないほどの風格を持っていました。

 当時としては高い静粛性を実現した室内は、2リッター直列6気筒OHVエンジンによってもたらされ、滑らかな加速は三菱を代表する高級サルーンにふさわしいものでした。

 しかし、競合となるクラウンやセドリック、グロリアなどに比べ車両価格は高額で、販売は低迷。

 その後、排出ガス規制への対応のために2.6リッター直列4気筒エンジンにスイッチしますが、大幅なアップデートはおこなわれず、1960年代基本設計のままデボネアは1986年まで生産が続けられました。

 新車で販売されていたころには三菱グループの重役専用車のイメージがあり、一般のユーザーには人気がありませんでしたが、このクラシカルなデザインが逆に魅力となり、絶版となってから人気が高まります。

 現在も、1972年までの三角窓とL字型テールランプを装備する個体は、滅多に巡り合えることもないためか、非常に高値で取引されています。

●日産「セドリック」

国産車初のターボエンジンを搭載した430型「セドリック」国産車初のターボエンジンを搭載した430型「セドリック」

 1960年に登場した初代セドリックは、同社初のモノコックボディが採用された純国産中型乗用車で、日産を代表するセダンとなりました。

 1965年にモデルチェンジされた2代目の「スペシャル6」からは、2リッター直列6気筒の「L20型」エンジンを搭載。1971年にモデルチェンジされた3代目からは、前述のとおりグロリアと兄弟車となりました。

 1979年に登場した5代目は、先代までの曲線を多用したボディから一転して、直線基調の重厚なデザインとなり、発売数か月後には国産乗用車初となるターボエンジン装着車が登場。

 2リッター直列6気筒ターボエンジンは、最高出力145馬力を発揮し、上位グレードである2.8リッター直列6気筒エンジンとパワー的には並び、当時は3ナンバー車の税金が極端に高かったこともあり、高級車としては大ヒットを記録。若者たちからも車両型式の「430型」を指して「ヨンサンマル」と呼ばれて人気となりました。

 しかし最高出力は2.8リッター車に並んだとはいえ、ターボの過給圧が上がっていない状態では約1.4トンの車重は重すぎ、ついアクセルを踏み込み気味になってしまうことから、市街地などの実走では2.8リッターエンジン搭載車の方が低燃費だったようです。

■失敗を糧に保守的なデザインとなったモデルとは!?

●トヨタ「クラウン」

先代から一転して無骨なデザインとなった5代目「クラウン」先代から一転して無骨なデザインとなった5代目「クラウン」

 初代トヨタ「クラウン」は1955年に発売されました。当初は最高出力48馬力の1.5リッター直列4気筒OHVエンジンが搭載していましたが、マイナーチェンジで国産市販乗用車初のディーゼルエンジンや1.9リッターエンジンが追加され、1962年に登場した2代目では、後のクラウンの主力となる直列6気筒エンジン搭載車も追加されました。

 その後、日本を代表する高級サルーンとなりましたが、4代目では曲面を多用した斬新で革新的なスタイリングとなり、保守的なユーザーから敬遠され、セドリック/グロリアに販売台数で負けてしまったことで失敗作と揶揄されてしまいます。

 そこで、1974年にモデルチェンジされた5代目では、高級車然とした直線基調のデザインとなり、1976年に追加された4ドアハードトップの上級グレード「ロイヤルサルーン」には、2.6リッター直列6気筒OHCエンジンが搭載されるなど、高級車販売台数トップの座を奪還。

 また、1978年のマイナーチェンジでは、フロントマスクやテール周りのデザインが変更され、オーバードライブ付き4速ATを追加することで、高速走行時の走りの質感と静粛性が向上します。

 このマイナーチェンジ後の5代目クラウンは、フロントマスクがメルセデス・ベンツのようになり、後に「ベンクラ」の愛称で呼ばれました。

●マツダ「ルーチェレガート」

斬新なタテ目角型4灯ヘッドライトを採用した「ルーチェレガート」(画像はレシプロエンジン車)斬新なタテ目角型4灯ヘッドライトを採用した「ルーチェレガート」(画像はレシプロエンジン車)

 1966年に、マツダが「ファミリア」に続く普通車第2弾として発売した「ルーチェ」は、スタイリッシュなヨーロピアンテイストの外観デザインで、人とは違う個性的でオシャレなクルマを好む層に受け入れられました。

 そして1977年に追加された3代目は「ルーチェレガート」と名付けられ、5ナンバー枠いっぱいのサイズのボディに、トップグレードは13B型ロータリーエンジンを搭載。

 ボディバリエーションは4ドアピラードハードトップと4ドアセダンが設定され、後にバンが追加されます。

 特徴的な縦配置の角型4灯ヘッドライトやメッキ加飾されたフロントグリルなどが、クラシカルなアメリカンセダンに似ていると評され、ロータリーエンジン搭載車は燃費も「アメ車並み」といわれたことから、販売の中心は2リッター4気筒SOHCエンジン搭載車でした。

 1979年のマイナーチェンジで、フロントマスクがオーソドックスなデザインの角型2灯ヘッドライトに変えられ、個性的な印象は薄れてしまい、そのルックスから「広島ベンツ」と揶揄されたほどです。

 ルーチェレガートは1981年に4代目ルーチェにバトンタッチして生産を終え、旧車好きからは、やはり個性的な前期型が好まれ、とくにロータリーエンジン車が人気で、希少なモデルでした。

※ ※ ※

 国内でマイカーが本格的に普及する前は「高級車=アメ車」というイメージが浸透。実際に当時の輸入車は法外な値段で、庶民には憧れの存在以外には成りえませんでした。

 そのため、国産大型セダンのデザインはアメ車に寄せることが当たり前で、各社とも重厚なデザインを採用していましたが、5代目クラウンが商業的に成功したことで、日本の高級車は欧州車的なデザインへと移行していきました。

 現在は、アメリカを代表する高級車メーカーのキャデラックもクーペセダンをラインナップするなど、欧州車に近いデザインになっているのは、時代の移り変わりでしょうか。

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