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AT車全盛の日本でMT車は絶滅危惧!? あえて乗りたいMT車のメリットとは

くるまのニュース / 2020年9月19日 11時10分

AT車が全盛の日本において、わずかながらMT車は存在します。新車販売のほとんどがAT車となるなかで、あえてMT車に乗る意味やメリットとは、どのようなことなのでしょうか。

■運転が楽しい! MT車のメリットとは?

 近年では新車販売台数の98%以上が2ペダルのAT車となっているほど、日本はAT大国となりましたが、同時にMTへこだわりを持つユーザーも存在します。

 また、普通車の8割以上にMT車を設定するマツダや、2019年9月に登場した「カローラシリーズ」をはじめ、さまざまな車種にMT仕様を用意するトヨタなど、MT車を積極的に導入するメーカーも増えています。

 販売されるほとんどの新型車がAT車という現状ですが、それでもMT車を運転するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。

●運転が楽しい

 クルマ好きにとっては運転すること自体が楽しいことですが、自らの意思でクラッチペダルを踏み込み、ギアを選択して走るということは、運転の楽しさをより引き上げてくれます。

 現代の進化した2ペダル車であれば、サーキットなどでの変速スピードをとっても3ペダルのMTよりも速く、またクラッチ操作がない分、運転に集中できてラップタイムも速くなるでしょう。

 しかし公道を走行するときに速さは重要ではありません。それよりも回転を合わせて気持ちよくシフトダウンできたとか、あえて低いギアを選択して加速感やサウンドを楽しむといった感覚的な楽しさこそが重要であり、それを享受できるのがMTといえるのです。

●誤操作時のリスクが低い

 ここ数年で耳にすることが多くなった「アクセルとブレーキの踏み間違い」による事故は、社会問題にもなっています。

 自動車メーカーも、新型車に誤発進抑制機能を付けるだけではなく、すでに販売済みの車両に後付けで誤発進抑制機能を備えることができるようにもなってきています。

 しかし、そもそもクラッチペダルが存在するMT車であれば、クラッチを切っていればアクセルを誤って踏み込んだとしても空ぶかし状態になるだけで急発進することはないでしょう。

 その際に万が一ブレーキペダルから足が離れていたとしても、よほどの急坂でない限り、極端にクルマが動くことはありません。

 また、クラッチペダルの操作を誤った場合でも、ほとんどの場合はエンストするだけで回りに危害を加えるほどの事態にはなりにくいと考えられ、誤操作時の安全マージンはMT車のほうが高いといえるでしょう。

●トラブルリスクの低さ

 過走行のAT車や、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)などと呼ばれる2ペダルMT車の場合、それなりの頻度でトランスミッションのトラブルが発生することがあるといわれています。

 変速ショックが大きくなっただとか、変速をしなくなっただとか、ひどいときにはギアが噛みこんでしまって全く動かせなくなったとか、さまざまなトラブルがありますが、そうなると走行できなくなってしまうだけでなく、修理にもかなりの費用がかかってしまいます。

 一方MT車の場合は、クラッチ周りの消耗品関係のトラブルが発生しても、交換すれば何事もなかったかのように復活することがほとんど。

 トランスミッション内部の破損などは、サーキット走行など高負荷時でない限り耳にすることほとんどもなく、耐久性の面でも修理費用の面でもMTのほうが有利となっています。

■MT車は渋滞などのストップ&ゴーで左足が辛い

 運転の楽しさや誤操作、トラブルのリスクの少なさなどがMT車のメリットですが、一方デメリットについてはどのようなことがあるのでしょうか。

●渋滞が辛い

 MT車の最大の欠点ともいえるのが、渋滞時のクラッチ操作の煩わしさでしょう。

 ジワっと進んですぐ停止のような渋滞になると、半クラッチで発進したと思ったらすぐに停止して再びクラッチを切り、また動き出すと半クラッチというように、絶えず左足で繊細な操作をしなければなりません。

スズキ「スイフトスポーツ」のペダルスズキ「スイフトスポーツ」のペダル

 旧車やスポーツモデルなど、クラッチペダルが重めな車種の場合は左足がプルプルと悲鳴をあげることも珍しくないのです。

 最近ではアダプティブクルーズコントロールを備えたMT車も存在しますが、それは流れの良い道路状況で使えるものであり、AT車にあるような渋滞追従機能付のものはないというのが現状です。

●坂道発進でのプレッシャー

 普通免許取得時に、教習所で何度も練習した人も多いであろう坂道発進。クラッチを繋ぐタイミング、ブレーキを離すタイミング、アクセルを踏み込むタイミングがピッタリとハマらないと、スムーズに発進ができないという高難度のポイントです。

 慣れてくれば意識せずに発進できる、という声もありますが、免許取得からずっとMT車を所有し続けている筆者(小鮒康一)でも油断していると稀にエンストをすることもあるほど実はシビアな部分でもあるのです。

 とくに後続車が真後ろに迫ってきているときのプレッシャーたるや、いまでもちょっと冷や汗をかくことがあります。

 そんなときは慌てずにサイドブレーキを併用して確実な坂道発進を試みるのが良いでしょう。

 また最近では、坂道でもブレーキを数秒保持してくれるヒルスタートアシストを備えたMT車もあるので、緊張感を強いられる場面はなくなりつつあるといえます。

●運転を代わってもらいにくい

 1台のクルマに複数人が乗っていく旅行などで、途中で運転を代わってもらいたいと思ったこともあるでしょう。

 しかし、MT車で出かけたときに、同行者がAT限定免許だった場合、または普通免許でもしばらくMT車を運転していない同行者には、運転を代わってもらうことができなくなってしまいます。

 そのまま朦朧とする意識の中で運転を続けるわけにはいかないので、どこかで休憩をすることになりますが、早く目的地に着きたい同乗者との間に微妙な空気が流れることになるかもしれません。

※ ※ ※

 MT車のメリット・デメリットを紹介してきましたが、MTにはMTの、ATにはATの良さがあります。

 しばらくMT車を運転していなくて不安だという人も、乗ってしまえば意外と手足が操作を思い出すものです。

 MT車を購入するにはハードルが高いのであれば、レンタカーやカーシェアなど、手軽な方法からMT車の運転に慣れてみてはいかがでしょうか。

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