日本の名車が海外で生き残っていた!? 栄光の車名を継承した車5選

くるまのニュース / 2020年9月30日 6時10分

かつて、隆盛を誇った名車と呼ばれるクルマでも、ニーズが無くなってしまえば消える運命にあります。そうして数多くのクルマが生産を終えてしまいましたが、その車名を引き継いだクルマが海外で生き残っていました。そこで、国産名車の名を引き継いだ海外専用モデルを5車種ピックアップして紹介します。

■往年の車名が海外で使われている!?

 日本の本格的な自動車製造は大正時代に始まり、すでに100年以上の歴史があります。その長い歴史のなかでは、数多くの名車が誕生し、大ヒットを記録したり、記憶に残るクルマが存在。

 しかし、どんな名車でもニーズがなければ消える運命にあり、かつて隆盛を誇ったクルマでも生産を終えたケースはいくつもあります。

 ところが、かつて日本で販売された名車の名が、海外で生き残っていました。そこで、往年の車名を引き継いだ海外専用車を5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「スターレット」

スズキ「バレーノ」のOEM車として復活した「スターレット」スズキ「バレーノ」のOEM車として復活した「スターレット」

 トヨタを代表する大衆車の初代「カローラ」が発売される以前、そのポジションを担っていたのが1961年に発売された「パブリカ」です。

 1973年には、パブリカの上級モデルとして、2ドアクーペ/4ドアセダンの「パブリカ・スターレット」が登場。そして、1978年モデルチェンジで、2BOXのハッチバックスタイルとなったFR車の2代目「スターレット」が発売されました。

 さらに、1984年にはすべてが一新されたFFの3代目がデビューし、軽量な車体に高性能なSOHCエンジンを搭載したグレードも設定され、スポーティなエントリーモデルとして人気となります。

 そして、1996年に5代目が発売され、1999年に後継車の初代「ヴィッツ」の誕生により、スターレットの歴史に幕を閉じました。

 ところが、2020年9月1日に、トヨタは豊田通商を通じて、新型スターレットをアフリカの47か国で順次発売すると発表。

 新型スターレットは、インドのマルチスズキで生産され日本でも2020年6月頃まで販売されていた、スズキのコンパクトカー「バレーノ」のOEM車です。

 南アフリカ仕様ではボディサイズが全長3995mm×全幅1745mm×全高1470mmで、トヨタのエンブレムが装着されるフロントグリルは、スターレット専用の意匠を採用。

 搭載されるエンジンは1.4リッターガソリンで、最高出力92馬力、最大トルク130Nmを発揮し、組み合わされるトランスミッションは4速ATと5速MTとなります。

 内装はバレーノに準じており、シンプルながらもパワーウインドウやディスプレイオーディオが設定されるなど、装備は充実しています。

 価格は日本円で126万円からとなっており、スターレットがアフリカの地で再びエントリーカーとして復活を果たしました。

●三菱「グランドランサー」

台湾で生き残った三菱で最後のセダン「グランドランサー」台湾で生き残った三菱で最後のセダン「グランドランサー」

 1973年に発売された三菱初代「ランサー」はラリーなどで活躍し、三菱の小型スポーツセダンとしてのポジションを確立。

 その後代を重ね、1992年に4WDスポーツセダン「ランサーエボリューション」が登場すると、世界ラリー選手権での活躍から人気が再燃し、ライバルのスバル「インプレッサWRX」とともに進化を続けました。

 しかし、2016年に「ランサーエボリューション ファイナルエディション」の発売をもって、販売を終了。三菱の国内ラインナップからセダンが姿を消し、歴史のあるランサーの系譜も途絶えたかに思えました。

 ところが、ランサーの名はオーストラリアや台湾で生き残り、現在は台湾で4ドアセダンの「グランドランサー」として販売されています。

 現行モデルのグランドランサーは2017年に登場し、エンジンは全グレードとも140馬力の1.8リッター直列4気筒を搭載。

 基本的なコンポーネンツは国内モデルの「ギャランフォルティス」と共通で、フロントフェイスは三菱のデザインコンセプト「ダイナミックシールド」が採用されるなど、もはやギャランフォルティスの面影はありません。

 全体のフォルムもスポーティかつスタイリッシュな印象で、トップグレードにはリアウイングやスポーツサスペンションを装備するなど、ランサーの名を継承するにふさわしいスポーティな一面もあります。

 ちなみに、台湾の三菱では、2012年に生産を終了したコンパクトカー「コルトプラス」も、独自の進化を続けて販売されています。

●ホンダ「シティ」

アジア圏を中心に人気を博している4ドアセダンの「シティ」アジア圏を中心に人気を博している4ドアセダンの「シティ」

 ホンダは1981年に、初代「シビック」と同クラスのエントリーカーとして初代「シティ」を発売。現在の軽自動車よりも短い車体に背の高いキャビンを採用した、斬新な発想のコンパクトカーとして大ヒットしました。

 1986年にはコンセプトを一新して全高が低いコンパクトカーとなった2代目シティが発売されますが、1994年には生産を終了し、後継車の「ロゴ」にバトンタッチしたことで、シティの系譜は途絶えてしまいます。

 しかし1996年にアジア圏などの新興国向けセダンとして、当時の「シビックフェエリオ」をベースにした新世代のエントリーカーのシティを発売。

 その後、フィットをベースした4ドアセダンとなった新生シティは代を重ね、現行モデルは海外仕様としては5代目にあたり、2019年11月にタイを皮切りに発売されました。

 エンジンは国内ではラインナップされていない1リッター直列3気筒ターボを搭載。また、海外向けシティとして初のスポーティグレードである「RS」が設定されました。

 現在はタイだけでなく、中国やメキシコ、インドなどで販売されており、グローバルなエントリーカーとして活躍しています。

■日産を代表する往年の大衆車がアジアと中東で生き残っていた!?

●日産「サニー」

北米では「ヴァーサ」、中東では「サニー」として販売されている北米では「ヴァーサ」、中東では「サニー」として販売されている

 日産は1966年に、「ブルーバード」よりさらに安価な大衆車として、初代「サニー」を発売しました。高性能な新開発の1リッターOHVエンジンを搭載し、モダンなデザインの4ドアセダンとしてヒットを記録。

 その後も日産を代表するエントリーカーとしてだけでなく、スポーティなグレードやステーションワゴンを設定するなど、幅広い層から支持されていました。

 しかし、サニーの人気は次第に低迷し、セダンからコンパクトカーに主軸を置く日産の戦略もあって、国内では2004年に日産のラインナップから消滅してしました。

 その後、ミャンマーなどアジア圏や中東でサニーが復活し、現在も販売されています。

 現行モデルの海外向けサニーは大きく分けて2種類あり、ミャンマー仕様では日本で2016年に販売を終えた「ラティオ」と同型車です。

 もうひとつのUAE仕様は、北米などの販売しているコンパクトセダンの「ヴァーサ」と同型車となっています。

 仕向地によっては内装の仕上げや装備が簡素化され、コストダウンが図られており、いまもサニーはグローバルな大衆車として活躍しています。

●トヨタ「レビン」

高性ではないが、よりスポーティなデザインを採用した「レビン」高性ではないが、よりスポーティなデザインを採用した「レビン」

 トヨタは1966年に、マイカー時代到来に合わせて初代「カローラ」を発売。前出のサニーとともに、大衆車としてヒットしました。

 そして、1970年に2代目が登場し、1972年には初代「セリカ」向けに開発された1.6リッターDOHCエンジンを搭載するスポーティな派生車の、初代「カローラレビン」が登場。

 高性能なエントリーカーとしてカローラレビンは若者から圧倒的な支持を得ます。

 その後、排出ガス規制の強化へ対応し、1987年にはFF化されるという大きな変革を経て、基本的なコンセプトは初代から継承して販売されました。

 しかし、2ドアクーペ人気の低迷を受け、2000年にカローラレビンは28年の歴史に幕を閉じます。

 ところが、2018年の中国・広州国際モーターショーにおいて、中国向け新型カローラシリーズが発表されたのと同時にトヨタ「レビン」が登場。

 パワートレインはガソリン、ハイブリッド、プラグインハイブリッドがラインナップされており、外観もカローラに比べて精悍な印象となっています。

 ただし、中国仕様のレビンはカローラと比べてとくに高性能というわけでなく、あくまでもカローラのスポーティな姉妹車というポジションで、現在も販売されています。

※ ※ ※

 使われなくなった車名が復活することは珍しくありません。直近ではダイハツ「ロッキー」や「タフト」という車名は、どちらもダイハツがかつて販売していたクロスカントリー4WD車の名前です。

 こうして車名が復活するケースは、登録商標を新たに出願するよりも簡単だからという理由があるようです。

 一方でスターレットやサニーのように海外で復活するケースでは、登録商標の問題だけでなく、海外でも有名で馴染みがある名前という面があるといいます。

 車名はクルマの販売を左右する重要な要素ですから、往年の名車の名を使うことは、緻密な戦略のひとつなのかもしれません。

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