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背中で感じる最後のフェラーリサウンド!? 「458スペチアーレ」の何が凄かったのか?

くるまのニュース / 2020年10月1日 11時50分

最後の自然吸気V8エンジンを搭載したフェラーリ「458スペチアーレ」は、マニアからも「純粋なフェラーリサウンドを奏でる」最後のモデルとして注目されている1台だ。その458スペチアーレの新車同然コンディションの個体は、一体どれくらいのプライスなのだろうか。

■シューマッハも開発に携わった「458イタリア」

 2009年9月15日、当日開催中のIAA=フランクフルト・ショーのプレスデイにおいて、フェラーリはそれまでの「430シリーズ」に代わるニュー・ジェネレーションのV型8気筒ミッドシップ、「458イタリア」を正式に発表した。

 プレスコンファレンスが始まる以前から、フェラーリ・ブースにはレッドとイエローの458イタリアが並び、いわゆるアンヴェールなどの仰々しいイベントがおこなわれないことは分かってはいたが、開始時間が迫るにつれ、ブースの周りには何重ものメディアが集まってきた。

 これもまたフェラーリのプレスコンファレンスでは普通の光景ではあるが、その時はさらにいつもと雰囲気が違った。なぜなら458イタリアのプレゼンテーションのために、地元ドイツの元F1ドライバー、ミハエル・シューマッハが檀上に立つというのだ。

 それは458イタリアの開発に、少なからずシューマッハも関係したという証だったのだろう。

 確かに458イタリアは、430シリーズの最終進化型ともいえる「430スクーデリア」を圧倒的に凌ぐスペックを実現したモデルだった。

 リアミッドに縦置き搭載されるエンジンは、フェラーリのV型8気筒エンジンとしては伝統的な、90度のバンク角を持つもの。総排気量は4499ccという数字となり、したがって4.5リッターの8気筒エンジンということから458とネーミングされている。

 テクニカル面での最大のトピックスは直噴システムを導入したこと。インジェクションの噴射圧は200バールに達し、レブリミットの9000rpmまで理想的な燃焼を担う。

 吸排気システムの両側には可変バルブタイミング機構を装備し、また潤滑方式はドライサンプを採用している。結果実現された最高出力は、570psと発表された。

 一方458イタリアの乾燥重量は1380kgと、F430と比較して70kgも軽く設計されているのである、0−100km/h加速で3.4秒、0−200km/h加速でも10.4秒という驚異的な加速性能は、このスペックから生み出される。

■本当のフェラーリサウンドを奏でる最後のモデルとは?

 さらに注目しなければならないのは、当時最先端のエアロダイナミクス技術によって生み出された、Cd値で0.33という高性能なボディデザインである。マン・マシン・インターフェイスの進化を実現した機能的なコックピットとともに、これもまた458イタリアの大きな魅力となっていた。

●2014 フェラーリ「458スペチアーレ」

実走行が200kmにも満たない「458スペチアーレ」。新車価格の1.3倍から1.7倍のエスティメートが付けられた(C)Bonhams 2001-2020実走行が200kmにも満たない「458スペチアーレ」。新車価格の1.3倍から1.7倍のエスティメートが付けられた(C)Bonhams 2001-2020

 今回ボナムス1793が、同じ2014年モデルで2台出品したのは、この458イタリアをベースに製作された高性能バージョンの「458スペチアーレ」で、いずれもスイスで登録されている。

 スペチアーレ用のエンジンは、458イタリア比でさらに35psプラスの605ps仕様。最大トルクも540Nmと強力だ。0−100km/h加速はわずかに3秒。当時そのパフォーマンスは史上最強のオンロード8気筒と評してもよいほどだった。

 実際に2台のコンディションは甲乙つけがたい。とりわけブルーのモデルは、2009年にマラネロのフェラーリファクトリーを出荷された後、オーナーによって大切に保管され、走行距離は現在までにわずか198km。オプションは豊富に装備されており、買い得感は相当に高い1台といえそうだ。

 もう1台の458スペチアーレは、ブラックのエクステリア・カラーを選択したもの。こちらも新車デリバリーから、わずかに405kmを走行したのみのモデルで、ボナムス1793は内外観、メカニズムともに新車のコンディションに等しいとセールスする。

 ブルーの458スペチアーレは、内装はブラックを基調としてシートセンターにブルー系の表皮を用い、内外装ともにコーディネートされたセンスの良い1台だ。

 一方のブラックの458スペチアーレの内装は赤茶色がベースとなり、シートセンターにブラックが使われ、レーシーななかにもラグジュアリーな雰囲気が演出されている。

 どちらもボディにはレーシングストライプが施されており、458スペチアーレであることは一目瞭然である。

 フェラーリのリアミッドV8モデルは、このあと「488」へとバトンタッチされるのだが、エンジンがターボ化されてしまうことは、458スペチアーレ登場の際から決定事項だったため、「最後の自然吸気V8フェラーリ」という触れ込みで高い注目を集めていた。

 とくにフェラーリの管楽器のようなエキゾーストサウンドにこだわりを持つカスタマーには、458スペチアーレこそ最後の正真正銘のフェラーリサウンドという評価を受けている。

 両車ともにエスティメート(予想落札価格)は、40万−50万スイスフラン(邦貨換算約4600万円−5700万円)。

 新車当時価格は3390万円だったので、エスティメートは新車価格から1.3倍−1.7倍。走行距離からすると、ほぼ新車コンディションなので当然とも思えるエスティメートであるが、リアミッドV8フェラーリは、ガレージに飾っておくよりも走らせて楽しみたいというカスタマーの方が多い。そうしたこともあってか残念ながら流札となってしまった。

 確かに、サウンドを堪能したい458スペチアーレであるだけに、新車同然コンディションのプレミアがついた個体を落札するのは、目的を考えると高額すぎるということだろうか。

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