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なぜ頻繁に実施? 高速道路の「集中・リニューアル工事」 区間昼夜問わず年中やる理由

くるまのニュース / 2020年10月2日 9時10分

高速道路では「集中工事」や「リニューアル工事」と題して、長期間、長区間にわたる車線規制をともなう工事が毎年のようにおこなわれています。昼夜連続で片側1車線規制が敷かれることもあり、時間帯によっては渋滞の原因にもなっています。なぜ、高速道路の工事は頻繁におこなわれるのでしょうか。

■区間や時間がバラバラな高速道路の工事

 日本全国を繋ぐ高速道路は、交通や物流の要となり人々の暮らしに重要な役割を担っています。一方で、年末年始やGWなどの大型連休では、40km以上といった大渋滞が問題化するなど常に関心を集めている存在です。
 
 そんななか、東名高速道路など各路線では定期的に「集中工事」や「リニューアル工事」を実施していますが、なぜ頻繁に工事をしなければいけないのでしょうか。

 2020年10月時点で実施中・予定されている主な工事として、NEXCO中日本管轄の東名高速ではリニューアル工事が9月7日から12月24日まで大井松田IC-清水JCT、集中工事が11月9日から11月28日まで東京ICから大井松田ICにておこなわれます。

 集中工事とリニューアル工事の違いについて、NEXCO中日本の担当者は次のように説明します。

「集中工事は、道路を管理するために必要な工事や作業を、短期間に昼夜連続してまとめておこなうものです。

 傷んだ路面の修復、強固なガードレールへの取り替え、道路の点検・補修、草刈りなどの維持作業など、安全にご利用いただくために必要な工事をまとめて短期間で、かつ多数の区間でおこないます。

 とくに、集中工事は工事規制が集約化されるため、年間の工事規制回数や工事に伴う渋滞発生時間を大幅に減らすことができるのが特徴です。

 この方式は、1988年に東名で初めて導入しましたが、以降、中央道や名神といった交通量が多く、工事規制による渋滞が多く発生する路線でも順次採用しています。1路線につき年1回を基本とし、極力この期間中に工事規制を集約するように計画しています。

 一方、リニューアル工事は、道路構造物を安全にご利用いただき、高速道路ネットワーク機能を長期にわたり健全に保つために、再施工・補強する工事です。

 橋の床版(しょうばん:舗装が載る道路の床板に当たる箇所)取り替えや、トンネルの覆工(ふっこう:工事用に空けられた穴を塞いでいる部分)を補強するなど、大規模な更新・修繕を数か月かけておこないます。

 集中工事は工事規制が集約化されるため、年間の工事規制回数や工事に伴う渋滞発生時間を大幅に減らすことができるのが特徴です」

※ ※ ※

 このように集中工事・リニューアル工事ではその内容が異なるものの、高速道路上の交通を円滑にさせることや、安全に利用するために必要なものだといえます。

 一方で、これらの工事期間中は長い区間で車線規制が敷かれることから、大規模な渋滞も予想されるため、NEXCO各社では事前に細かく渋滞予測を発表し、テレビCMなども使って広く迂回などを呼び掛けます。

 また、集中工事は複数のインターチェンジ間をまたいだ工事となる一方、リニューアル工事では単一のインターチェンジ間に限定して工事がおこなわれる点なども、違いに挙げられるようです。

■集中工事はどのくらいの頻度で実施されるのか?

 実際の工事は、長い車線規制区間のうちの一部分でしかおこなわれていないこともありまが、なぜ工事する場所よりも長く規制を敷くのでしょうか。集中工事の実施方法ついて前出のNEXCO中日本は次のように説明しています。

「短い区間で工事個所が近接する場合には、それぞれの工事規制が断続することにより車線変更などが増加する傾向にあります。

 そうなると、無理な追い越しや合流に伴う追突、接触なども発生することから、安全のため連続して規制を実施しています。

 車線規制が開放されるとスピードが上がることが多く、さらにその先に車線規制があると、再度の合流でスピードが急激に落ちるため、むしろ事故や渋滞の原因となるのです」

昼間の工事では渋滞の原因となることも少なくないため、事前情報を確認したうえで、出掛けましょう。昼間の工事では渋滞の原因となることも少なくないため、事前情報を確認したうえで、出掛けましょう。

 前述の通り、東名高速にて1988年から30年以上にわたり実施されている集中工事ですが、実施方法は年々工夫されているようです。

「渋滞が最小限となるよう、規制方法や規制時間の見直しをおこなっています。必要な工事量を実施するために、工事期間を2週間から3週間に延長することもあります」(NEXCO中日本)

 このように年によっても工事内容や実施期間が異なってくることもあり、NEXCO中日本では工事専用ウェブサイトで集中工事期間中における所要時間情報の提供をしているといいます。

 2018年度からは主要な一般道など、周辺道路についても所要時間情報を提供しているといい、今後も関係機関と協議・調整のうえ、工事内容、実施時期、区間などを選定していくとしています。

※ ※ ※

 また、場所によっては車線規制のみの交通規制ではなく、一部区間をまるごと通行止めにする場合もあるようです。

 大阪をぐるりと一周するように走る阪神高速1号環状線は、2020年11月10日から20日まで梅田-夕陽丘、11月20日から27日まで南森町-扇町付近で、それぞれ終日通行止めを伴う南行きのリニューアル工事を実施します。

 通行止めの場合、車線規制とは異なりそもそものルートを変更する必要があるため、該当区間を管理する阪神高速の案内を理解したうえで、走行する必要があります。

 このように、さまざまな規制が掛かることから、高速道路を利用する際には事前に通行予定のルートを把握しておくことが一番の近道となるのです。

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