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車のスペアタイヤ激減!? その裏で増加「パンク修理キット」はどう使うべき? パンク修理の実情とは

くるまのニュース / 2020年10月24日 18時10分

タイヤがパンクしたとき、以前ならスペアタイヤに交換していましたが、スペアタイヤがなく、パンク修理キットで対応するクルマが増加しています。タイヤ交換よりも簡単に使えるキットですが、使い方と注意点はないのでしょうか。

■一般ユーザーのパンク修理の実情とは? 販売店に聞いた

 かつて、装着されているタイヤがパンクした際に交換するスペアタイヤ(非常用のテンパータイヤを含む)は、クルマの定番装備でした。

 しかし、近年ではスペアタイヤを標準装着せず、パンク修理キットを搭載するクルマも増えてきました。いったい、パンク修理キットとはどのようなものなのでしょうか。また、どうすれば正しく使用できるのでしょうか。

 アフター用品でも販売されているパンク修理キットには、タイヤショップなどで本格修理としてもおこなわれているタイヤ表面から穴にタイヤシール材を押し込んで穴を埋めるタイプや、簡易的に修理できるスプレーボトルタイプがあります。

 スプレーボトルタイプは、ボトル内にパンクした際の穴を埋める修理剤とガスが入っており、タイヤバルブから修理剤とガスを同時に入れ込むだけで、穴を埋めて空気圧も高めてくれるようになっています。

 ただし、この修理方法は、誰でもできる手軽さがありますが、修理後、本格的な修理や交換が必要な場合にタイヤ内の修理剤の除去に手間がかかるといわれています。

 車両に標準搭載されている車載のパンク修理キットは、あくまで応急修理としての修理剤となっていますが、スプレーボトルではなく、エアコンプレッサー(空気入れ)とパンク補修液という構成になっています。

 ホンダの販売店スタッフにパンク修理について実情を聞くと、「納車の際にパンク修理の方法等についてまでの説明はしないが、何件かパンクした方から問い合わせがありました」とのことでした。

 そのディーラーではパンク修理キットを使った対応方法を伝える前に、まずは釘やネジが刺さったままの状態で、エアコンプレッサーでタイヤに空気を充てんできるかどうかを確認し、タイヤが膨らむようであれば、充てんしながら販売店まで移動するように伝えているとのことでした。

 多くの場合、問題なく販売店まで移動できるといいます。

 なるべくパンク修理キットを使わないように案内する理由は、一度使ってしまうと、そのタイヤを本格修理することができなくなることが挙げられます。

 また新品タイヤに交換する場合も、タイヤ内に入った修理剤がホイールなどに付着し、除去する作業が大変になってしまうとのことでした。

※ ※ ※

 新車に標準装備されるパンク修理キットの使い方については、取扱説明書にその使用方法が詳しく記載されています。

 今回は代表例として、2020年8月末に発売されたトヨタ「ヤリスクロス」に積載されるキットの使い方をダイジェストでご紹介します。

 まず、タイヤの損傷程度を確認し、修理可能かを確認します。釘やネジが刺さっている場合のみ修理が可能です。

 タイヤの側面が裂けている場合やホイールが破損している場合、2本以上のタイヤがパンクしている場合などは、修理できません。ロードサービスを手配するなどしてください

 パンクの箇所がわかっている場合は、パンク補修液が漏れないように、パンク箇所が上になる位置にタイヤが来るようにクルマを移動してください。

 修理をする際は、必ず安全で平らな場所を選び、パーキングブレーキを使用し、駐車してください。

 パンク修理キットをラゲッジルーム下部から取り出します。そして、パンクしたタイヤのバルブからバルブキャップを取り外し、「パンク補修液が入ったボトル」のノズルをタイヤバルブに接続します。

 そして「パンク補修液が入ったボトル」のキャップを外し、コンプレッサーと接続します。

 コンプレッサーから電源プラグを取り外し、インパネにあるアクセサリーソケットに差し込み、アクサリーソケットに通電するモードにします。

 コンプレッサーのスイッチを入れパンク補修液と空気をタイヤに充てんします。この際、指定のタイヤ空気圧になるまで空気を充てんするので、あらかじめ、指定のタイヤ空気圧を確認しておく必要があります。

 修理ができている場合の充てん時間は、およそ1分から5分程度です。指定のタイヤ空気圧になったら、コンプレッサーの電源をOFFにして修理行程は終了です。

 アクセサリーソケットから電源プラグを抜き、タイヤバルブからノズルを取り外します。その際、パンク補修液が多少漏れる可能性がありますので、こぼれないように注意し、こぼれた場合はウエスなどで拭き取れるように準備しておくとよいでしょう。

 取扱説明書に従って、走行できるようにコンプレッサーなどを片づけた後、タイヤ内のパンク補充液を均等に広げるために、直ちに約5km、速度80km/h以下で安全に配慮しながら走行してください。

 そして、走行後再び安全で平らな場所に駐車し、コンプレッサーをタイヤに接続し、空気圧が指定の空気圧になっているか確認をし、不足している場合は、コンプレッサーで空気を充てんすることが必要です。

 再び約5km走行後、同様に空気圧が適正になっているかを確認し、問題ない場合は、急ブレーキ、急ハンドル、急加速を避け、走行距離が約100km以内、80km/h以下の速度で販売店まで慎重に運転し、販売店で修理を受けてください。

 なお、修理をしても指定の空気圧に満たない場合は、応急修理ができていないので、そのまま走らず、販売店に連絡をしてください。

※ ※ ※

 紹介したパンク修理キットの使用方法はあくまで一例のため、修理キットによっては方法が違う場合があります。パンクしてしまった場合に備えて、事前に取扱説明書の確認をしておくことをおすすめします。

 また、修理剤には有効期限があり、期限を過ぎてしまうと硬くなって使えなくなる場合もあります。有効期限が切れていないかチェックしておくとよいでしょう。

■スペアタイヤが減少した背景とは

 パンク修理キットが普及する前に定番とされていたスペアタイヤにも、じつは種類が存在します。

 通常のスペアタイヤは標準タイヤと同じサイズですが、積載性をよくするためコンパクト化した非常用のテンパータイヤを搭載したクルマも多くありました。

リアゲートにスペアタイヤが設置される場合もあるリアゲートにスペアタイヤが設置される場合もある

 スペアタイヤはラゲッジルームの下部に収納されているか、もしくは車体底面に吊られて装備されています。クロスカントリー型SUV車のようにリアゲートに標準タイヤと同じサイズのスペアタイヤが装着されている場合もあります。

 とくにオフロードを走るクロスカントリー型SUV車では、コンパクトなテンパータイヤでは、悪路走行では不十分である場合があり、標準サイズのスペアタイヤが装着されています。

 しかし、多くの場合、廃車になるまでスペアタイヤが一度も使われないことも実情です。

 使っていないタイヤを捨ててしまうのは無駄という環境面の配慮や、燃費向上のための重量低減の理由から、最近の新車ではスペアタイヤの代わりにパンク修理キットが標準搭載されていることが多くなりました。

 ちなみに、パンクした状態でも、修理工場までそのまま走ることができるランフラットタイヤが装着されているクルマもあります。欧州車や高級車の一部になりますが、これらの場合もスペアタイヤ等は不要となっています。

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