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なぜGT-Rや軽にアメリカ人は熱狂する!? 「右ハン車」の人気が急騰するワケとは

くるまのニュース / 2020年10月16日 7時10分

近年、北米市場では「25年ルール」と呼ばれる規制によって、日本でかつて販売されていた右ハンドル仕様の国産スポーツカーの人気が急騰しています。なぜ、アメリカ人は25年以上前の古い右ハンドル車に関心を寄せているのでしょうか。

■右ハンドルのクルマを見かける背景は「25年ルール」が理由

 北米市場は日本車のシェアが非常に高いことはよく知られていますが、近年では「右ハンドル」の日本車を見かける機会が増えてきたといわれています。北米は左ハンドルの地域ですが、なぜ右ハンドルの日本車が増えているのでしょうか。

 近年は中国市場の飛躍的な成長が話題になることも多いですが、年間約2000万台の新車を販売する北米(アメリカ・カナダ)市場は、いまだに自動車大国であるといえます。

 そんな巨大な市場で、日本車はおよそ40%のシェアを獲得するなど、非常に大きな人気を誇っています。

 日本における輸入車比率が約6%であることを見ると、驚異的な数字といえ、北米市場にとって日本車は「特別なクルマ」ではなく「もっとも身近なクルマ」となっているのです。

 自動車大国である北米市場で日本車がこれだけの地位を築くことができたのは、先人たちの涙ぐましい努力の賜物といえるでしょう。

 ただし、北米で販売されている日本車の多くが北米市場向けに開発されたものであり、日本で販売されているクルマをそのまま輸入しているわけではありません。

 むしろ、トヨタ「カムリ」や「RAV4」など北米市場を意識して開発されたモデルを、グローバル戦略の一環として日本でも販売するといったケースが増えています。

 このように、北米市場で日本車を見かけること自体は一般的なことですが、近年、「右ハンドル」の日本車が増えているようです。

 左側通行の日本では、右ハンドルのクルマが主流ですが、左ハンドルであっても道路交通法上は問題なく走行することができます。

 しかし、右側通行の北米では、左ハンドル以外は認められておらず、原則として登録・走行することができません。そんな北米市場で右ハンドルの日本車が増えているというのは、どういうことなのでしょうか。

 実は、北米では通称「25年ルール」と呼ばれる、25年経過した車両は、右ハンドルでも登録・走行することが可能になると法律があります。

 ハンドルの左右のみならず、シートベルトが装着されていないようなクラシックカーなども基準が緩和されてことで、登録・走行が出来るようになっているのです。

 また、アメリカでは州ごとに規制が異なるため、製造から25年ではなく15年という場合もあります。

 つまり、北米で見かけることの増えたという右ハンドル車は、ある程度年数の経過したクルマであることがわかります。

■なぜ最近になって右ハンドル仕様が増えてきた?

「25年ルール」自体は以前よりあったものですが、それが日本に知られるようになったのは最近のことです。

 古くから自動車大国であった北米では、世界中のあらゆるクルマが販売されており、日本車も同様でした。

 北米で購入できないようなクルマは、そもそもあまり魅力のないクルマであり、わざわざ右ハンドルのクルマを日本から取り寄せる必要はほとんどありませんでした。

 例えば、トヨタ「2000GT」のような歴史的な名車も、生産台数の多くが北米仕様です。

 つまり、ほとんどの場合は、手に入れたい中古車があったとしても、アメリカ国内の中古市場を探せばそれでよかったのです。

 しかし、2014年頃からこの「25年ルール」が注目されるようになりました。それは、2014年の25年前、つまり1989年のクルマが輸入できるようになったからです。

 当時バブルの絶頂であった日本では、日本国内市場に向けた魅力的なクルマが多く発売されていました。

 その代表が、日産「スカイラインGT-R(R32)」です。第2世代GT-RともよばれるR32からR34までのスカイラインGT-Rシリーズは、海外では一部地域除いて正規販売されておらず、基本的に右ハンドル車しか存在しません。

映画「ワイルドスピード」にも登場したマツダ「RX-7」。GT-Rに並び人気となっている。映画「ワイルドスピード」にも登場したマツダ「RX-7」。GT-Rに並び人気となっている。

 一方、映画「ワイルド・スピード」シリーズや、「頭文字D」といった日本のアニメ/マンガの影響もあり、海外でも人気の高いモデルです。

 そんなR32型のスカイラインGT-Rが「25年ルール」によって北米でも登録・走行が可能になったことによって、日本から北米へと輸出されることが急激に増えたのです。

 ロサンゼルスに住む、ある日系メーカー関係者は次のように話します。

「アメリカ、とくに西海岸では日系人が多いこともあり、日本車の人気が高いエリアです。

 最近ではインターネットなどを通して日本の情報を得ることができるため、アメリカでは売られていないクルマに興味を持つ人も増えたように思います。

 スポーツカーはもちろんですが、なかには軽自動車を『K-Car』と呼んで輸入する人もいます。

 ただ、これまでは右ハンドルのクルマを輸入して登録・走行することのハードルがあまりにも高かったのですが、『25年ルール』によって現実的になりました。とはいえ、人気があるのはあくまでごく一部のモデルです。

 一時期、通称『ハコスカ』が2000万円ほどの高額で落札されたことが話題になりましたが、これはその個体の状態や、当時の状況による限定的な結果であり、『25年ルール』とは関係がありません。

 北米では中古車を含めて、ほとんどのクルマが流通している市場ですので、そういう意味では『25年ルール』の恩恵を受けるには、ごく一部のマニアといえるかもしれません」

※ ※ ※

 アメリカの西海岸では、「JDM」と呼ばれる日本車ベースのカスタムカー市場が存在します。

 日本のサブカルチャーコンテンツの人気も高いことから、今まではごく一部のマニアにしか関係のなかった「25年ルール」がにわかに注目されてきています。

 2020年になった今年では、25年前、つまり1995年に製造されたモデルが輸入可能となり、該当する右ハンドル限定の日本車としては、日産「スカイラインGT-R(R33)」やホンダ「インテグラタイプR(DC2/DB8)」、三菱「ランサーエボリューションIII」があります。

 状態が良ければ、これらのクルマは北米へと渡っていくかもしれません。

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