SUV人気にステーションワゴンが逆襲!? 復活の兆しが見え始めた訳
くるまのニュース / 2020年10月13日 7時10分
昨今はSUVの人気が高く、ステーションワゴンが苦境に立たされています。そんななか、スバル新型「レヴォーグ」が大きな話題になるなど、ステーションワゴンに復活の兆しが見え始めているようです。
■ステーションワゴンは機能面で優れたボディタイプ
昨今人気のジャンルといえば明確にSUVだと思います。トヨタは「ライズ」に始まり、「ヤリスクロス」「RAV4」「ハリアー」と、リリースするSUVすべてがホームラン級の大ヒット車になっています。
割高な価格設定にしたホンダ「CR-V」のみ伸び悩むものの、マツダ「CX-5」やスバル「フォレスター」、モデル末期の日産「エクストレイル」まで売れています。
そんななか、寂しい状況になってしまったのがステーションワゴンです。
20年ほど前に全盛期を迎えたステーションワゴンながら、2003年にフルモデルチェンジした4代目スバル「レガシィツーリングワゴン」の頃から衰退。売れないジャンルは新車も出なくなります。
直近の国産ステーションワゴンは、「マツダ6」とトヨタ「カローラツーリング」、ホンダ「シャトル」くらいになってしまいました。このままステーションワゴンは忘れ去られてしまうのでしょうか。
と思っていたら、スバル新型「レヴォーグ」の注目度が驚くくらい高いといいます。考えてみたら輸入車の場合、依然としてステーションワゴンの販売比率はけっこう大きいのです。
BMW「3シリーズツーリング」やボルボ「V60」の人気も上々です。なぜ人気があるのかといえば、走行性能と実用性のバランスを考えると、ステーションワゴンはすべてのジャンルでもっとも優れているからでしょう。とにかく使い勝手が良い。
車高が低いため、高さ制限のあるタワーパーキングも問題なし。重心も低いから高速安定性良い。
空気抵抗と車重はSUVよりずっと有利なため、同じエンジンなら動力性能高くて燃費も良く、ラゲッジスペースだってSUVより前後方向に長いから結果的に広い。
客観的に評価すると、ステーションワゴンはもっとも機能的なボディタイプだと思います。
猫も杓子もSUV一辺倒の状況を見たクルマ好きが、次の相棒としてステーションワゴンを視野に入れているということなんでしょう。
確かにSUVとステーションワゴンを首都高などで乗り比べると、明らかに曲がる楽しさが違います。新型レヴォーグのプロトタイプをサーキットで試乗したけれど、やはり素直です。
■「SUV×ステーションワゴン」のクロスオーバーがアツい!
SUVとステーションワゴンの美味しいトコロを組み合わせているのが、ボルボのクロスオーバーでしょう。
ステーションワゴンのボディをそのまま使い、足回りの変更で車高を高くしている。見た感じはステーションワゴンより押し出しが効いており、SUVと並べたって存在感で負けていない。使い勝手は文句なしです。
SUVとステーションワゴンを掛け合わせたボルボ「V60 クロスカントリー」
乗ってもSUVのような背が高い感じは薄く、より限りなくステーションワゴンに近い乗り味です。ボルボによれば、「V60も『V90』もクロスオーバーの販売シェアは高いです」といいます。
このあたり、めざといのがトヨタ。すでに欧州でカローラのステーションワゴンに「トレック」というクロスオーバーモデルを追加しました。車高を上げるだけでまったくイメージが変わります。
そもそもスバルだってアメリカの稼ぎ頭は「アウトバック」で、レガシィの背を高くしたステーションワゴンだったりします(ツーリングワゴンは作るのをやめてしまった)。
マツダもマツダ6のクロスオーバーモデルを作ったら素晴らしくかっこいいと思う。世界的なヒットになることでしょう。新型レヴォーグのクロスオーバーも、作ったら売れるんじゃないでしょうか。
※ ※ ※
現在世界規模で厳しい燃費規制が進行中です。なかでも燃費規制の先頭に立っているヨーロッパは、SUVの売れ行き増加で平均燃費が悪化しています。このままだと基準達成も難しいでしょう。
SUVより燃費の良いステーションワゴンのクロスオーバーはひとつの解決策になると思います。
日本勢もステーションワゴンの見直しを考えてみたらいいんじゃないでしょうか。
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