まだ価格高騰していない! お手頃価格の高性能トヨタ車3選
くるまのニュース / 2020年10月15日 16時10分
近年、1980年代から1990年代に発売されたクルマの価格高騰が著しい状況です。なかでも、日本でしか売らなかったモデルや、高性能なモデルは、とくに価格が上がっています。一方で、スポーティなモデルでも低価格を維持しているクルマも存在。そこで、いまが狙い目のスポーティなトヨタ車を、3車種ピックアップして紹介します。
■旧車人気ながら価格高騰していないトヨタのスポーティモデル
現在、世界的に1980年代から1990年代の高性能車の人気が高い状況です。とくに日本のモデルはアメリカや欧州で人気のため、国内の中古車価格が著しく高騰してしまいました。
価格高騰のきっかけとなったモデルは1989年に発売された日産「スカイラインGT-R」といわれ、次々とほかのモデルも引きずられるように中古車価格が上がっています。
一方で、高性能なモデルながら価格高騰していないモデルも散見され、とくに中古車の物件数が多いトヨタ車のなかには、魅力的な車種が多数存在。
そこで、いまが狙い目のスポーティなトヨタ車を、3車種ピックアップして紹介します。
●カローラレビン/スプリンタートレノ
今はなき高回転1.6リッターNAエンジンを搭載する7代目「カローラレビン」
「カローラレビン/スプリンタートレノ」は、「AE86型」や初代の「TE27型」がとんでもなく価格高騰していますが、FFモデルなら100万円未満でも手に入ります。
1972年に初代が発売されたカローラレビン/スプリンタートレノは、大衆車である「カローラ/スプリンター」に高性能なエンジンを搭載した派生車としてデビュー。
1983年に発売された4代目のAE86型まではFRですが、1987年に発売された5代目の「AE92型」からFFに変更されたことで、当時は高い人気を誇りましたが、現在、FFモデルは全般的に中古車人気が低迷しています。
なかでも、1995年に発売された最終モデルの7代目「AE111型」には、165馬力を誇る1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載。このエンジンは吸気バルブ3本、排気バルブ2本の5バルブヘッドを採用しており、いまでは貴重な存在です。
最終モデルのカローラレビン/スプリンタートレノは、流通している数は多くありませんが、60万円前後の価格帯で販売されているので、名機といわれる「4A-G型」エンジンのフィーリングを手軽に味わえるモデルといえます。
さらにエンジン性能だけでなく、優れた足まわりによって運動性能も高く、いまも色褪せない魅力的なスポーツコンパクトです。
●セリカ
FFスポーツカーとしてハンドリングが高く評価された7代目「セリカ」
1970年に発売された初代「セリカ」は、それまで高性能車のものだったDOHCエンジンを普及させた立役者です。
その後1985年に登場した4代目では、ハイパワーなターボエンジンとフルタイム4WDを組み合わせた「GT-FOUR」が登場し、5代目、6代目も4代目からキープコンセプトとされ、セリカは高性能な4WD車というイメージが定着します。
ところが、1999年に発売された7代目ではターボエンジンと4WDが廃止され、シンプルなFFスポーツカーというコンセプトに一新。
外観は縦長のヘッドライトと空気を切り裂くようなシャープなウェッジシェイプが特徴で、スポーツカーとして王道のデザインを採用しています。
エンジンは1.8リッター直列4気筒自然吸気で、トップグレードの「SS-II」には高回転タイプの「2ZZ-GE型」を搭載し、最高出力190馬力を発揮。
また、足まわりはフロントにストラット、リアにダブルウイッシュボーンサスペンションを採用した4輪独立懸架となっており、優れたコーナリング性能を実現。
しかし、クーペ人気の低迷からセリカは2006年に販売を終了し、この7代目をもって長い歴史に幕を閉じました。
現在は高性能グレードの「SS-II」でも100万円台から揃っており、生粋のFFスポーツカーを比較的安価な価格で入れられます。
■貴重なミッドシップオープン2シーターなのに安い!?
●MR-S
安価で軽量なミッドシップオープンカーという貴重な存在の「MR-S」
1989年に登場したオープン2シータースのユーノス(マツダ)「ロードスター」は、失われつつあった安価なライトウェイトスポーツカーの復活ということから国内外で大ヒットを記録。
その状況を見ていた他メーカーも、次々とロードスターと同様なコンセプトのスポーツカーを発売し、一大ムーブメントとなりました。
そのなかの1台が1999年に発売されたトヨタ「MR-S」です。
MR-Sは2シーターミッドシップスポーツカー2代目「MR2」の実質的な後継車としてデビュー。MR2と大きく異なる点として、ルーフを手動ソフトトップとしたオープンカーであり、ハイパワーなターボエンジンを搭載していたMR2に対し、MR-Sは全グレードとも1.8リッター直列4気筒DOHC自然吸気エンジンを搭載していたことです。
最高出力は140馬力と控えめなスペックですが、1トン前後の軽量な車体によって、心地良い加速感とミッドシップならではの高い運動性能を実現。
そして、MR-Sの特徴のひとつとして、5速MTに加え、国産量産車初の「シーケンシャルマニュアルトランスミッション(以下、SMT)」が採用されたことが挙げられます。
SMTは2ペダルのセミATと呼ばれるトランスミッションで、クラッチ操作は自動ですが、変速操作はシフトレバーを前後に動かしておこなうという、レーシングカーを彷彿とさせる操作が魅力です。
同様な仕組みのトランスミッションは、現在もオートメーテッドMTがありますが、MR-SのSMTの場合、変速操作は完全に手動となっていました。
MR-Sは国内のスポーツカー市場の縮小もあり、販売不振が続いたことで2007年に生産を終了。
現在、一部の限定モデルを除くと100万円台でも低走行車が狙え、全体の相場も80万円ほどです。後期型の6速MTモデルが若干高めですが、物件数も豊富なので選択肢は多いといえます。
※ ※ ※
古いクルマというと故障が心配という人も多いのではないでしょうか。確かにトラブルとなる頻度は、新しいクルマよりも多くなることは避けられません。
しかし、車齢20年くらいまでのクルマは数多く走っており、日常での使用も十分に可能です。
ただし、登録から13年が経過すると自動車税や重量税が上乗せされることや、部品も値上げ傾向にあるため、維持費が高くなってしまいます。
それでも、古いクルマには現行モデルには無い魅力があり、近年はメーカーも一部の車種で部品の再生産をおこなっていますから、旧車人気はまだまだ続きそうです。
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